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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

スタッフブログ 2013年10月18日

ロアッソ熊本・北嶋秀朗選手現役引退記者会見レポート

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本日、ロアッソ熊本のホームスタジアムである
うまかな・よかなスタジアムにて、
北嶋秀朗選手の現役引退記者会見が行われました。
ここでは、その模様を時間軸に沿ってご紹介したいと思います。


【13:30 報道受付開始】
既に受付開始前から数十人のメディアが待機。
その中にはJ SPORTSのJリーグ中継でもお世話になっている日々野真理さんや、
エルゴラッソで健筆を振るっている田中直希さんの姿も。
会見への注目度の高さが伺えます。


【13:57 会見開始直前】
「うわ~、緊張してきた」と隣に座っていた日々野さん。
司会をされることはあっても、なかなか取材という立ち位置で
引退会見にご出席されることはなかったとのこと。
確かに会見場にも緊張感が漲っています。


【14:01 北嶋選手入場】
広報担当の方の紹介があって、
北嶋選手が記者会見会場に入場。
黒いスーツに赤いラインの入った濃紺のネクタイで登場した姿からは、
いつもとかなり違った雰囲気が感じられます。


【14:02 挨拶】
数多くのフラッシュが炊かれる中、
一礼してから話し始める北嶋選手。
「本日は、私、北嶋秀朗のために、こんなにたくさんの方にお集ま...、
お集まりいただきまして、本当にありがとうございます」


いきなり噛んじゃった!
確かに"おあつまり"というのは言いにくいですけど(笑)
気を取り直して!


「この17年間、柏レイソルから始まり、清水エスパルス、
また柏レイソルに戻って、そしてロアッソ熊本と、
たくさんの人に支えられながら、充実した日々を過ごすことができたと思っています。
今後につきましては不透明な点がありますので、
多くのことはお話できないんですが、そこらへんはご了承願います」


ちゃんと言えました!語尾はちょっとゴニョゴニョしたけど(笑)


【14:03 質疑応答開始】
注目の質疑応答がスタート。
思っていたよりもスッキリした表情を浮かべていた北嶋選手。
事前に日々野さんには「質問があまりにも出ないと寂しいなあ」
と漏らしていたそうですが、
そんな心配は杞憂に終わり、質問ラッシュが幕を開けます。
全文はJ's Goalにロアッソ熊本担当の井芹貴志さんが
丁寧に整えられた文章でアップされていますので、
ここでは印象に残った部分だけをご紹介したいと思います。


①引退を決めた理由
2006年、2007年くらいから自分で
「"この試合"でゴールを決められなかったらやめる」という
試合をずっと続けてきていて、実際にすべての試合でゴールを決めてきたが、
今年"この試合"と定めた岐阜戦でゴールを決められなかったと。


「それが自分の中では許せなかったし、
小さい頃から自分との小さな約束を守ることで、
ここまでサッカーを続けてきているという風に思ってきたので、
この自分との約束を破る訳にはいかないというのが1つあります」


何とも北嶋秀朗らしい理由ですね。


②なぜ岐阜戦を"この試合"に選んだのか?
池谷さんの一発目の試合だったからということでした。
熊本に誘ってくれた池谷さんが監督代行となった初戦で、
スタメンに使ってくれたという背景も含めてだと。


「『この試合で点が取れなかったらお前はもう終わりだぞ』って
思って試合に行ったので、だから終わりなんですって感じです」


これも実に北嶋秀朗らしい理由だと思います。


③このタイミングでの会見となった理由
「今日は嫁さんの誕生日で、嫁さんとも話をして相談した結果、
『そういうのもいいんじゃない?』って言ってくれて、
今日という日を選ばせてもらいました」


本人は会見後に「ホントは今日は仏滅だったんだけどさ」と笑ってました。
その後、ちゃんとケーキも買いに行ったようです(笑)


④ご家族にはどういうタイミングで、どう話されたのか
北嶋選手のお子さんは、彼のことを"ぴったん"と呼びます。
2週間ほど前に「ぴったんはもうサッカーをやめるんだよ」
「今後はまだわからないけど、サッカー選手じゃなくなるんだ」と伝えたそうです。
これに対して長男は、「ぴったんが叶えられなかった夢を俺が叶えるよ」と。
メチャ頼もしいですね!北嶋選手も凄く心に来たとのことでした。


⑤印象に残っている対戦相手と、
チームメイトとしていいパートナーだったなと思える選手

これは私がどうしても聞いておきたい質問でした。
「誰ですかねえ...」
10秒くらい黙考された後、印象に残った対戦相手として
名前が出たのは横浜FMの中村俊輔選手。


「高校選手権の決勝から対戦してきて、彼が海外に行って、
今もあの年齢であのプレーを見せているってことを考えると、
彼の頑張りは、そんなにしょっちゅう連絡を取るわけじゃないですけど、
会った時にはお互い『頑張ってんな』みたいなことを感じていました。
彼の頑張りは自分にはものすごく大きな励みになっていた」
とのことでした。


パートナーに関してはさらに長いこと熟考されて、口を突いたのは
「まあマニアック、マニアックじゃないですけど...」


マニアック??


「僕が柏の時に一緒にやっていた選手で、
大野敏隆っていうのが自分と同い年のヤツでいるんですけど」


来ました!


「今は引退していますけど、彼のパスというのは自分の中では最高級だと思っていて、
またアイツのパスを受けてサッカーをしたいなと思ったことが何度もあります。
彼の優しいパスは、すごく印象的ですね」


いただきました!(笑)


⑥指導者へのビジョン
ライセンス取得への意欲もあり、指導者への道も念頭にあるとのことですが、
「例えば指導者を目指すとなっても、
性格的に11人選べないんじゃないかとか、
GMとかになったとしても、
そのチームは100人ぐらいになっちゃうんじゃないかとか(笑)」


そのチームはヤバい(笑)


ただ、「何が正しいのかわからないなというのが正直あるけど、
今までサッカーで生きてきたので、
これからも何かしらサッカーに生きていきたいという思いは強いですし、
今まで色んな人に支えられたサッカーに恩返しできるのは、
サッカーに生きることだという風に思っていますので、
そこだけは絶対約束できます」
とのことです。


⑦息子さんが叶えてくれると言った、
北嶋選手が叶えられなかった夢というのは?

「海外でプレーすることです。
自分の夢は海外でプレーすることとか、
日本代表でワールドカップを戦うことだったんだよっていうことをずっと伝えていて、
多分そのことを指していて。
だから『ぴったんが叶えられなかった夢を叶えるよ』って言った後に、
『バルセロナに行って、サントスに行って、日本代表になって、
レイソルでプレーしてロアッソでプレーする!』って言ってたんで(笑)」


素晴らし過ぎる野望ですね!
お父さんにとって最高のメッセージだと思います。


⑧残り6試合で自分の中で課すこと
「ゴールですね。ここでゴールを決めて、カッコ良くやめようぜっていうのはあるんで。
引退するから試合に出たいとか、引退するから来年のことを考えて試合に出ないとか、
そういうことじゃなくて、今もそうですけど、
今この時に自分が必要がどうかで判断してほしいということは池谷監督にも伝えましたし、
今のこの状況の競争とか戦いに勝って試合に出たいというのはあって、
そこからは今まで通り逃げたくないです。
ダメなら出ないというのが普通だと思うので、その中でポジションを勝ち取って、
ゴールを決めて、『じゃあ、やめるよ!』って言ってやめたいなと思います」


時間にして32分40秒。
全23問の質問へ真摯に、時折笑いも交えながら答えてくれました。


【14:37 フォトセッション】
会場にディスプレイされたのはロアッソ、レイソル、エスパルスのユニフォーム。
その前でにこやかにポーズを取る北嶋選手。
改めて積み重ねてきた17年間の重みを実感した瞬間でした。


【14:40 最後の挨拶】
「最初にも申し上げましたが、今日は本当にお忙しい中、
お集まり頂きましてありがとうございました」


"おあつまり"クリア!


「皆さんのおかげで、皆さんがサッカー選手・北嶋秀朗という人を
多くのサポーターの方に伝えてくれたおかげで、
大した成績も残してこなかったのに、たくさんのサポーターの方たちにリスペクトを受け、
愛され、今までサッカーをしてくることができました。
今後はまずは残り6試合を頑張って、そのあとまたメディアの皆さんが
北嶋秀朗という男を書きたくなるような、そんな生き様を見せていけたらなと
思っていきま...、いますので」


そこで?(笑)


「今後ともよろしくお願いします。今日はありがとうございました」


【14:41 終了】
何とも北嶋選手らしい、爽やかで、清々しい会見だったと思います。
涙なんて見せることなく、柔らかく、しなやかに、
それでいて、サッカーへの情熱に溢れた口調で話す姿が本当に印象的でした。
会見場の後方では、盟友とも言うべき南雄太選手も見守っていたそうです。


「この6試合で北嶋をしっかり見せたいという思いが強いですし、
まだ6試合でサッカー選手として成長できると思っている」と言い切った北嶋選手。
残された6試合で、彼ならきっと"成長"した姿を見せてくれると確信しています。
kitajima1018.JPG
土屋

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