J1第7節　
湘南ベルマーレ×大分トリニータ@Shonan BMWスタジアム平塚
解説：玉乃淳　実況：下田恒幸　インタビュアー：桑原学

【大分トリニータ 田坂和昭督インタビュー（試合後・中継内）】
Q、90分間を振り返っていただけますか？

A、昇格組同士の試合なので、
お互いに内容よりも勝ち点を取りたい試合になるというのは
初めからわかっていましたし、そういうことが一瞬の隙だったり、
勝敗を分けるポイントになるかなと思っていたんですけど、
我々が得点を取った形は良かったのに対して、
どうしても今は良くない形で失点を取られていますので、
それが今日も出てしまったなということですね。

Q、かなり相手が前からプレッシャーを掛けてきて、
ショートカウンターを受けるシーンだったり、
後ろから創っていくシーンをなかなか創らせてもらえなかった
印象を受けましたが、そのあたりはいかがでしょう？

A、それは我々のやり方であって、
しっかりとボールを動かしたりだとか、
足元と背後というトレーニングをやっていますので、
今日はスリッピーな中でロストからショートカウンターを
食らったシーンがあったんですけど、
それも引き続きトレーニングしていくしかないでしょう。
けれど、もう1回根本からやり直さなくてはいけない部分もあります。

Q、前半の途中でワイドの選手を替えたり、
3バックの並びを替えるシーンもありましたが、狙いを教えて下さい。

A、1つは試合に入れていない選手が何人も見受けられました。
こういう緊迫したゲームで試合に入れないということは、
選手としてもチームとしてもまだまだ甘いなという所は感じましたので、
そういう所で少し引き締めるために、配置を替えました。

Q、チームに足りていないもの、プラスしていこうというものは何でしょう？

A、すべての面で向上しなくては勝てないでしょうし、
下を向いていてもしょうがないので、
やり続けてしかないですね。

【湘南ベルマーレ チョウ・キジェ監督インタビュー（試合後・中継内）】
Q、まずは今日のゲームを振り返って頂けますか？

A、リーグ戦でなかなか勝ち点3が取れない中で、
我々のいい所を前節の浦和戦で教えて頂いたと思っていたので、
今週は自分たちのスタイルを磨くための練習のみをして、今日は臨みました。
多少天候とかピッチの問題もあって
全部出せたかといったらわからない所もありますけど、
選手が自分たちの良さを生かしてやってくれたので、
本当に選手たちに感謝したいと思います。

Q、守備面では手応えをどのように感じてらっしゃいますか？

A、やっぱりJ1に上がってきたということで、
当然技量も判断のレベルもJ2より高いというのは間違いないんですけど、
そこに「最初から取れないだろう」と寄せに行かなかったりだとか、
最初から待ってしまうようなプレーが最近は増えていたので、
そのへんのことを映像を見ながら話をして、
我々の良さというのは前へのエネルギーだということで、
後ろに引っくり返されるのを怖がらずに、
コンパクトにやっていこうと今週ずっと言ってきたので、
その部分は良かったかなと思います。

Q、攻撃面はいかがでしょうか？

A、まだボールが入った時のサポートのアングルとか、
飛び出すタイミングとか、最後の精度には課題があるんですけど、
今までの試合よりはそういう量的なものは
増えてきたかなと思っているので、
そこから質が伴うような形にしていかなくてはいけないなと思っています。

Q、今まで終盤に勝ち点を落とすゲームもありましたが、
こういう成功体験は大きいのではないでしょうか？

A、勝ったからすべていい訳ではないので。
勝ちからも負けからも学ばなくてはいけないものがあると思っているので、
引き分け、負け、勝ちのどれかしかない所で
いつも自分たちのスタイルとして
常に前を向くようなチームづくりをやっていきたいと思っているので、
ただ、そういう苦しい期間を選手たちと一緒に1つ乗り越えられたのは、
今後に繋がるのかなと思っています。

【玉乃淳氏のレビュー】
（湘南）
格上とやる時もこれくらいで行った方がいいと思います。
自分たちの良さを出さない限り、勝つのは難しいというのは
これまでの戦いでわかったと思うので、
自分たちの良さをぶつけて負ける分にはいいじゃないかと、
そんな気持ちで行けば十分勝ち点を拾えるのではないかと、
今日の湘南のポテンシャルを見て感じました。

ガンガン行った後にやられてしまうのは
ある意味しょうがなくて、まずは先に前へ行って考えようと。
引いて守っていても必ず失点はしてしまうので、
まったくやり方は間違っていないと思いますね。

勝っている状況で残り時間がない中、
ペナルティエリアの中へ4人が入っていったシーンも印象的ですよね。
それをサポーターも望んでいると思いますし、まだまだやれると。
まだまだ上に行って残留するんだという気持ちが感じられましたよね。
個々の選手の能力ももっともっと見てみたいなという選手が何人もいたので、
Jリーグを盛り上げてくれる1つのチームになるのではないかと思いました。

戦力的にはJ1に上がったばかりで充実度というのは低いと思うので、
信念であったり、まとまりであったりというのが
J1で勝てる大きな要素になってくると思います。
あと、永木は何より好青年ですね。
凄い爽やかで良い印象を持ちました。

（大分）
田坂監督はかなり厳しいメッセージを
ポジションチェンジの中で選手に送っていましたよね。
メンタルの強そうな選手が揃っていると思うのですが、
僕の目で見る限りでは、
やりたいことがそれぞれの選手で違った風に見えましたね。
意図がズレていたので、勝手にストレスがたまって
足が動かなくなるという状況が生まれているのかなと思いました。

児玉、高木、阪田がボールを持った時に
パスの出し所がないんですよね。
松本怜と辻尾は下がってゲームメイクをするというタイプではないので、
それでも中盤が少し下がって受ける展開がないと、
ああやってキリノに詰められてしまうような展開もやむを得ないというか、
一概にディフェンダーだけのせいにできないなというのが僕の印象です。
前に選手が入り過ぎると、相手のディフェンスラインに吸収されてしまって、
後ろの選手はどこへ出せばいいんだと。
J1レベルの選手として無理には蹴りたくないので、その葛藤があると。
気持ちの部分だけではないような気がしますね。

先ほども言ったように知らぬ間にストレスになってしまっているのが
このちぐはぐなサッカーになってしまっているのが
原因かなと思います。

再放送スケジュールは
4月21日（日）8：00～10：15　J SPORTS 3
4月22日（月）13：00～15：15　J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい！

土屋