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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
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その他の試合レポート 2013年01月01日

高校選手権1回戦 創造学園×香川西@フクアリ

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fukuari0101.jpg関東各地で一斉に開催された1回戦。フクダ電子アリーナの第2試合は、創部と同時に監督に就任、8年目にして待望の選手権初出場を手にした勝沢勝監督率いる創造学園(長野)と、近年、前橋育英や市立船橋の強豪校を2回戦で退けるなどし全国にインパクトを残してきた、7年連続出場を果たしている大浦恭敬監督率いる香川西(香川)の一戦。
創造学園はJ2松本に入団が内定しているキャプテンFW宮下周歩(3年・アザリー飯田FC)が1トップに入る4‐2‐3‐1の布陣。香川西は、前線に得点能力の高いFW近藤義剛(3年・新居浜南中)と、阪本翔一朗(2年・Soleil堺FC)が2トップに入り、左右のMFには香川西を象徴とするサイド攻撃に欠かせないMF金沢裕平(3年・川上FC)、箱崎裕也(3年・高槻FC)が入る伝統の4-4-2で戦う。
試合は5分を過ぎたあたりから香川西が徐々にペースを握り始める。トーナメントの戦いとなる事から「立ち上がり15分くらいはリスクを背負わず行こう」と伝えていた大浦監督の言葉を胸にピッチに立った選手達は、序盤の勢いを切らさずに17分に先制点を生んだ。香川西のセットプレーが一度崩れるも、そこからボールを失わずに細かく繋ぎ、金沢からのスルーパスに抜け出した近藤が「GK鈴木政宗(3年・長野東北中)の動きを冷静に見る事が出来た」と試合後に話した、1対1の勝負どころで、右サイドネットにきっちり流し込み1-0とする。
一方、宮下を最大限にいかしていきたい創造学園は、「自分自身はポストに入りボールを受けたかったが、DF陣との意思が合っていなかったように感じた」と宮下は前半を振り返り、創造学園は決定機を作れずにいた。そんな前半終了間際の39分。創造学園MF北原賢介(3年・豊科南中)が、敵陣高い位置で強引に突破を試みFKを獲得。このFKには、宮下、DF桾澤海(3年・グランセナ新潟)、DF高木智也(3年・豊科南中)がセットされたボールを囲み、桾澤が走り込んだ高木の前にボールを流し、香川西・大浦監督も「スーパーゴール」と振り返った左足の豪快なFKが、創造学園の記念すべき選手権初ゴールとなった。
前半のうちに1-1とした創造学園は、ハーフタイムに攻撃の形を選手間で確認し、後半へ臨んだ。後半開始序盤は、戦い方を明確にした創造学園が、監督の息子でもあるMF勝沢拓斗(3年・松本山雅FC U-15)を中心に積極的にボールを動かし、ペースを握る。この時間帯に追加点が期待された創造学園だったが、58分右サイドで香川西・金沢にドリブル突破を許し、1点のビハインドを再び負う事となった。
その後も67分には、近藤のシュートをGK鈴木がストップするも、そのこぼれ球から2本、3本、4本とゴール前での波状攻撃を受け、さらなる失点が心配される時間帯もあった。しかし創造学園の選手達は、メンタル面でも大きく成長をしたところを見せ、苦しい場面ではしっかり我慢し、全員で得点の機会を伺い、70分には一気に攻め込みエースに同点ゴールが生まれる。左右でボールを持てるようになった創造学園は、スローインから右サイドを攻め込み、相手DFのボールキープが緩くなったところを狙い、ゴール前にいた勝沢へボールが渡りシュート。GK田中が弾いたボールをキャプテンの宮下が押し込み同点に持ち込む粘り強さを見せた。
残り10分、両チーム共にさらに積極的な攻撃に出る。宮下のゴールから4分後、追加点は選手権の出場経験で上回っていた香川西に訪れた。後半途中から阪本に代わりFWに入った藤岡航世(1年・帝人SS)がゴール前に抜け出し、DFを振り切り左足でシュート。これをGK鈴木が一度は弾くも、詰めていた近藤が今日2ゴール目となる決勝ゴールで試合を決めた。
創造学園・勝沢監督は試合後、0-1、1-2の場面から2度も同点に追いつく戦いぶりを見せた選手達を褒めていた。選手権県予選でも多くのゴールを記録、夏の高校総体では4ゴールを記録し得点ランキング3位に入った創造学園・宮下。記念すべき選手権初戦は、香川西を相手に2-3で敗戦となったが、宮下自身はしっかり得点者に名を連ねている。チーム全体の事を考えまとめられるだけのキャプテンでは無く、結果も残す事の出来る宮下。卒業後はJリーグというプロの道へ進む予定だが、今日の敗戦で得た物もたくさんあったのではないかとも思う。「3年間本当に最高でした。できるならもう1回1年生からやりたいですね」と3年間を振り返った宮下。今後の活躍に期待したい選手である。
3年ぶりの初戦突破となった香川西。前線選手の個性が強く、1年次から選手権に出場してきた現3年生も複数かかえる強みもあり、2回戦も好ゲームを期待したい。2回戦では小嶺総監督と国見選手時代には選手権優勝を経験している定方監督が率いる長崎総科大附(長崎)。1年生ながら攻撃の中心となっているFW安藤や堀、吉岡、宗中といった個性の強い前線が同じく揃っているだけに、1月2日に行われる2回戦も非常に楽しみとなる。1月5日の準々決勝まで勝ち上がり、このフクアリに戻ってくるのはどちらの学校か。1月2日の2回戦、フクアリでは第1試合に八千代(千葉)-立正大淞南(島根)戦、第2試合は旭川実(北海道)-米子北(鳥取)戦が組まれている。            矢野

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