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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年10月14日

第48回全国社会人サッカー選手権大会1回戦 レイジェンド滋賀FC×東邦チタニウム@駒沢陸上

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komazawa1013②.jpg第2試合は新興勢力と古豪の対戦。こういうカードが組まれるのも、全社が持つ醍醐味の1つでしょうか。2005年に滋賀FCとして活動開始。ここ5年は関西リーグ内での昇降格を繰り返し、現在は2部に在籍しているレイジェンド滋賀FC。この大会で存在感を発揮して、今シーズンから始まる"湖の伝説"の第一章を華々しく飾りたい所でしょう。
対するは1955年に企業チームとして創部。1983年に初昇格したJSL2部に8年間在籍した実績を持つ東邦チタニウム。名前の響きで覚えている方も少なくないのではないでしょうか。関東リーグ1部では9位に沈み、2部降格が決まっているだけに、このラストチャンスに一発逆転を懸けて戦います。25.2度という非常に暖かいコンディションの中、東邦チタニウムのキックオフでゲームはスタートしました。
先にチャンスを創ったのは東邦チタニウム。右から志村優(24・羽黒高)が上げたクロスを、貞清祐樹(26・アビスパ福岡U-18)は拾って中へ。川浦洋平(25・前橋工業)のシュートは弱く、滋賀GK内野勝彦(26・FC TOJITSU SHIGA)にキャッチされましたが、まずは決定機を掴むと、8分にも好機。今度は貞清が左から入れたクロスが、ファーでフリーの志村へ届くもDFがブロック。先制とはいきません。
東邦チタニウムはサイドからの崩しに特徴があり、中盤のワイドに開いた志村と貞清がいいクロスを連発。19分にも川浦を起点に貞清が右へ。志村の折り返しを和田直樹(27・神奈川大)が押し込んだシュートは、GKを破るも滋賀のCB石橋勇二(22・びわこ成蹊スポーツ大)がライン上でクリア。またもサイドを崩し切ります。
ところが、先にゴールを奪ったのは滋賀。24分、左からキャプテンの宇野和人(27・FC TOJITSU SHIGA)が蹴ったFKを、今村虹陽(23・阪南大)はダイレクトボレーにチャレンジ。左足で押し出されたボールはゴール左スミへフワリ。やや押されていた滋賀が2本目のシュートを結果に繋げ、アドバンテージを握りました。
さて、ビハインドを追い掛ける東邦チタニウムも、衰えない前への意欲。27分には和田のスルーパスから川浦がエリア内へ踏み込み、フィニッシュは内野に阻まれたものの、すぐさま反撃に出ると、程なくして生まれた同点弾。29分、右SB杉山拓也(27・中央大)のフィードは左でフリーになっていた川浦へ。ドリブルで運び、GKの正面から放ったシュートはゴールネットに到達。2分前の借りを川浦が返した格好で、スコアは振り出しに戻りました。
31分には滋賀にチャンス。フィード1本に宇野がフリーで抜け出しましたが、浮かせてかわしにかかったボールを東邦チタニウムGK樫浦翔(25・日本ウェルネススポーツ専門学校)が懸命に手を伸ばしてキャッチ。40+2分は東邦チタニウム。土方康平(24・武相高)のパスから貞清がエリア内へ潜り込み、マーカーを外して放ったシュートは内野がセーブ。手数は東邦チタニウムが多いものの、ほとんど互角の40分間はタイスコアでハーフタイムへ入りました。
後半のファーストシュートは43分、岩田尚記(29・三菱水島FC)のチャレンジが枠を越えましたが、機先を制した滋賀。すると勢いはそのまま成果へ。45分、右から出口司(26・MIOびわこ草津)が上げたアーリークロスを、岩田がボレーで叩いたボールはゴール左スミへ吸い込まれます。岩田の"2本目"は貴重な勝ち越し弾。滋賀が再び一歩前へ出ました。
以降はお互いにシュートまで結び付かない時間帯。東邦チタニウムは52分に羽生一郎(29・関東学院大)、60分に高瀬智哉(19・厚木北高)を相次いで送り込み、志村を最前線に置いて圧力を掛けるも、滋賀にうまくサイドを消されてしまい停滞。63分には滋賀に決定機。出口のシュートはDFに当たると、フリーになっていた石倉淳(28・FC TOJITSU SHIGA)の目の前へ。ここは樫浦がファインセーブで阻みましたが、滋賀がうまく時計の針を進めていくような展開になっていきます。
何とか追い付きたい東邦チタニウムは66分、ゴールまで約25mの距離から杉山が直接狙ったFKはわずかにバーの上へ。68分にも右から佐々木一磨(23・ベガルタ仙台ユース)の上げたアーリークロスを、志村が懸命に頭へ当てたボールは、こちらもわずかに枠の右へ。遠い"あと少し"。72分には志村に替えて加藤厚樹(20・相洋高)を3枚目のカードとして送り込み、最後の勝負に出ました。
75分、ロングスローから杉山が狙ったシュートは石橋が足でブロック。80分、杉山のクロスを和田が頭で触り、ルーズボールに反応した杉山のミドルは枠の左へ。もはや9割方は勝負が付きかけていた81分、古豪の炎は消えず。右サイドで高瀬が裏へ落とすと、羽生は柔らかいクロスを中へ。落下点で待ち受けていた加藤のボレーは、GKを破ってゴールネットに到達します。交替で投入された3人が絡んでの劇的な同点弾。土壇場で東邦チタニウムが追い付き、そのままタイムアップ。2回戦を巡る切符の争奪戦は、10分ハーフの延長戦へ委ねられることになりました。
迎えたエクストラタイムを支配したのは、追い付かれた滋賀。開始早々の81分、細かいパスワークを経て、今村がスルーパスを通すと藤原昭(30・TDK SC)はフリーで抜け出すも、フィニッシュは枠の右へ。83分にも岩田のラストパスから、石倉はカットインシュートを放つも、ボールはわずかに枠の上へ。
85分、ここも岩田のラストパスから福島涼太(24・ホクセツFC)がエリア内へ入り込むも、東邦チタニウムのCB浅原健太(28・東海大)が間一髪でクリア。ジワジワと相手を侵食していく滋賀。87分には東邦チタニウムも、杉山の左CKがニアでDFに当たると、ボールは左のポストにヒット。あわや逆転というシーンが訪れます。
しかし、最後に笑ったのは延長までしっかり走り切ってみせた滋賀。93分、右サイドを全力で駆け抜けた石倉のドリブルに、対応した東邦チタニウムのDFはたまらずファウル。主審はペナルティスポットを指し示します。キッカーは石倉。自らが得たPKを冷静に、かつ正確に沈めたゴールは、このゲームで最後に生まれた1点。滋賀が粘る東邦チタニウムを苦しみながら退け、サバイバルマッチを制する結果となりました。        土屋

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