J1第7節　コンサドーレ札幌×川崎フロンターレ@札幌ドーム
解説：水沼貴史　実況：八塚浩

【水沼貴史氏によるマッチレビュー】
Q、ゲームの全体的な印象を教えて下さい。

札幌の初勝利が見られるかと思いましたが、
残念なことに逆転されてしまい、
貴重な体験を逃したなという気がします。
全体的に札幌も川崎も重そうだったなというのが前半で、
そんな中でも札幌はいい形から2ゴールを奪って、
相手の弱点をうまく突いた形で前半を折り返したので、
後半の戦い方がどうなのかなとは思いましたが、
後半になって明らかに川崎が"前へ"というのが出てきて、
それでDFラインを下げられて、中盤が空いて、
ラインを下げられるとボランチの選手もちょっと下がってしまうので、
川崎の3列目、ボランチの所、中村憲剛とかがフリーになって、
いいパスが供給され、走らされ、というような展開だったかなと。
あと、交替選手の質が残念ながら違ったというのも
大きなポイントだと思います。
でも、前半やったような札幌のサッカーを続けていけば、
初勝利は来るでしょう。

Q、中村憲剛の投入で一番変わったことは何だったんでしょう？

テンポと縦のパスだと思います。
憲剛をフリーにしてしまうと、
顕著なのは点を取ったのもそうですが、
2点目のPKとか、ああいうフリーな所から
長めのパスで背後にピンポイントで合わせるパスとか、
そういうのを出せる選手がそこにはいたと。
大島だとどうしてもその距離のパスは出せないんですよね。
そういう違いが出たかなという気はしました。

Q、60分前後に札幌の奈良竜樹と河合竜二が話し合っていましたが、
アレは何を相談していたのだと推測されますか？

ラインの調整だと思います。
やっぱり下げられ過ぎているので、
その辺を我慢して上げることを、たぶん忠告していたんだと思いますし、
最終ラインとボランチの距離が悪くなった所があるのかなと。
で、ボールの出し手の所に河合は絶対行くので、
その時にはプレッシャーが掛かっているんだったら
ラインをもうちょっと上げるとか、
本当に細かなことなんですけど、そういうのを連動してやっていかないと、
やっぱりスペースが十分にあったら、川崎の選手は技術が高いので、
良さが出てきたのかなという気がしましたけどね。

Q、札幌の終盤は配置を替えて、ケガ人が出て、
また配置を替えてと、バタバタした印象でした。

アレもベンチにいるメンバーの質の問題だと思います。
4バックでそのままやれればいいですけれど、
「この選手が疲れたから、この選手を入れよう」とした時に、
配置を替えるしかないという苦しさはありましたね。
前田がケガしてどうするのという時に、櫛引しかいないと。
「櫛引はセンターしかできないよね」
「じゃあ、河合を前に押し出すしかないよね」という感じになったので、
その辺の苦しさは間違いなくありましたね。

Q、前半の川崎に関してはどういう印象でしょう？

監督代行も話していましたが、ナビスコもあって、
ほとんどメンバーを替えていないという重さと、
あとは札幌だという所の精神的な緩さと、
それが重なった部分なのかなと思いましたけどね。
サイドの緩さもあったと思います。

Q、札幌が勝ち点3を取り切るには、あと何が必要でしょう？

監督も言っていた通り、
前を向いて、上を向いて進んでいくしかないでしょうね。
本当にいい所を継続して、
いい所をたくさんイメージを持ってやるしかないかなと。
特効薬はないですし、下を向いていても何も落っこちていないので、
あとはケガ人に早く戻ってきてもらうことじゃないのかなと思います。

再放送スケジュールは
4月24日（火）9：00～11：15　J SPORTS1
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい！

土屋