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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2012年04月14日

J1第6節 柏×仙台マッチレビュー

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J1第6節 柏レイソル×べガルタ仙台@日立柏サッカー場
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:野村明弘

kashiwa 3.jpg


【玉乃淳氏によるマッチレビュー】
Q、ゲームの全体的な印象を教えて下さい。
相当楽しみにしていたゲームで数多く友人もいる中、
ここまでエキサイティングな試合になるとは思いませんでした。
期待を大幅に上回る試合内容だったので、ムチャクチャ楽しかったです。


Q、特に前半は両チームともピッチコンディションに苦しんでいた印象です。


柏の方は自ら苦しんでましたよね。
ピッチを気にし過ぎてロングボールが多かったですし、
もう少し酒井やジョルジ・ワグネルを基点に展開できればよかったんですけど、
縦、縦になってしまったなと。
それに対して仙台は、あまり気にせずどっしり構えていましたね。
そのお互いの差は、前半で終わるかなと思っていたんですけど、
1試合通してそれが見られたので、
手倉森監督がインタビューの中で
「我々の方が少しだけ落ち着いていたかな」と話したのが凄く印象的で、
本当にその通りだなと思いました。
レフェリーのジャッジに異議があったり、コンディションが悪かったりという中でも、
常に冷静だったのは仙台だったかなという気がします。


Q、その"落ち着き"の差は、ここまでの結果が影響してると思いますか?


それもそうですし、
仙台にとっては早い段階で先制点が取れたということと、
首位にいながらチャレンジャー精神を忘れていないというのも、
自信になっているのかなと思いました。


Q、玉乃さんが解説された3節の大宮戦と、
 今日の仙台に何か違いはありましたか?


よりアグレッシブになってるなと思いました。
ラインも高かったですし、柏をよく研究してるなというのもありましたね。
レアンドロ・ドミンゲスを、中盤の3人とCBの上本で
イエロー覚悟で徹底的に潰しに行っていました。
それで、レアンドロ・ドミンゲスを退場に追い込むくらいイライラさせたと。
仙台は試合を重ねるごとに色々なプランを見られるから面白いですよ。


Q、角田の出場停止でボランチに入った松下のパフォーマンスはどう見ましたか?


90分間通じてまったく角田の不在を感じさせない十分な働きをしていましたし、
角田にはない攻撃的なセンスであったり、
キックの精度やサイドチェンジも見せてくれました。
なので、角田のバックアッパーというよりも
1つのオプションになることを、松下はこの試合で証明できたと思います。
そういう意味でも収穫は大きいですよね。


Q、一方、柏の中盤に関してはどういう印象ですか?


柏はレアンドロ・ドミンゲスに自由を与え過ぎて、
逆に行き場に困ってたというか、
柏から見て動きが凄く制限されるような試合になっていたので、
まんまとやられちゃったなという感じですよね。
前節の試合を見て、仙台がよく研究したなという印象です。


Q、4-2-3-1という布陣についてはどうでしたか?


ネルシーニョ監督は4-3-3だっておっしゃってましたね。
あのやり方をやるなら、後半は数回見られたんですけど、
サイドハーフだった工藤なりジョルジ・ワグネルが
レアンドロ・ドミンゲスが引いてもらった位置に絡む形を
もう少し増やしていかないと難しいかなと。
ジョルジ・ワグネルと工藤が、もう少し自分で持ち出して、
レアンドロ・ドミンゲスを使って
自分がゴールへ向かっていくようなことをしていかないと厳しいのではないでしょうか。
今はとりあえずレアンドロ・ドミンゲスに預けて回りが動く感じですけど、
彼をもっと使ってあげて負担を減らしていかない限り、
崩しからの得点は少し難しいかもしれないですね。
それぐらい研究されていると思います。
要はあの位置にレアンドロ・ドミンゲスを置くと、
彼のためのチームになってしまうんですよね。
だから、彼を完全に抑えられてしまうと、
柏の攻撃が止まってしまう危機に陥りやすいフォーメーションだと思います。
その辺りをどう使い分けていくか、ネルシーニョの手腕が楽しみですね。


Q、レアンドロ・ドミンゲスと1トップとの連携もうまくいっていなかった印象です。


前半は田中順也が孤立してましたね。
やっぱりレアンドロ・ドミンゲスと一番相性が良いのは酒井なのかなと。
彼と組んだ時に一番ビッグチャンスが生まれていますし。
だから、今後チームとして
酒井とレアンドロ・ドミンゲスの関係を
うまく構築していくことが必要だと思います。
確かに2点は取りましたけど、
今日の仙台みたいに複数でガンガン来られると、
いかにレアンドロ・ドミンゲスでもキツくなってくると思うので。
ただ、研究されてストロングポイントを消されるっていうのは王者の宿命ですよね。
それをどう変えていくか。
まだシーズンは始まったばかりなので、十分に改善の余地はあると思います。


Q、ネルシーニョ監督も後半はかなり怒りを露わにするシーンが見られました。


とにかく「前へ行け」と。「バックパスするな」と。
ピッチコンディションも考えてなんでしょうけど。
で、レアンドロ・ドミンゲスを探せっていうイメージだったので、
1試合通して急ぎ過ぎている感じが、
監督のジェスチャーだったり、言葉だったりを聞いていてわかるような試合内容でした。
焦ってしまった、勝ち急いでしまったのが結果に出てしまったと思います。
それが少し残念というか、上から見ていて少し予想ができてしまったんです。
やはり仙台の方が試合巧者だった印象はありました。


Q、仙台は攻撃にバリエーションの幅があるように見えます。


サイドハーフとフォワードの4人が全員基点になれるので、
4人の誰かがボールを持った時にどんどん追い越していける信頼が
共通理解としてあるように見受けられます。
それはかなり武器ですよね。
4人の誰がボールを持っても追い越して、
最後にセンタリングが入った時は必ず中に3枚いる形ができているのが、
今の仙台の強みかなと思います。


Q、仙台の強さは、もう"勢い"という感じではないですね。


やりたいことに対して体がしっかり動いているという印象です。
手倉森監督も話していましたが、
今やっているサッカーは、1人1人が動ければ間違いなく強いので、
夏場に向けてローテーションであったり、選手層であったり、
ケガであったり、サブの選手のモチベーションであったりというのをうまくやっていければ、
夏場を克服してこのまま行ける可能性は十分に秘めていると思います。


Q、個人的にはロースコアを予想していたんですが。


僕は逆にハイスコアを予想していて、
順位を見ると柏はホームだし絶対に勝たなきゃいけないですよね。
それに対して、仙台のストロングポイントであるカウンターは絶対に生きてくるし、
点の取り合いになるなというのは試合前から予想していたので、
0-0というイメージはまったくなかったですね。
1-1になっても、2-2になっても次に入りそうな感じもずっとしていたので、
両チームが良さを出した試合になったんじゃないかなと思います。


再放送スケジュールは
4月19日(木)14:15~16:30 J SPORTS1
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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