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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年11月23日

Jユ-スカップ決勝トーナメント2回戦 柏U-18×千葉U-18@日立台

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写真[1]hitachi.jpgクラブユースのチームにとってはシーズンの最後を飾る大会がやってきました。最上級生からすれば3年間、あるいは6年間やそれ以上の時を過ごしてきたアカデミーでの集大成。数々のドラマが生まれる要素満載のビッグタイトルがこのJユースカップです。今日行われるのは2回戦。その中から引いたカードは、柏レイソルU-18とジェフユナイテッド市原・千葉U-18の激突。今シーズン、トップチームのリーグ戦では実現しなかった、ユース版千葉ダービーは雨の日立台です。
立ち上がりからペースを掴んだのは千葉。4分、佐藤祥(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)のパスから、井出遥也(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15習志野)が放ったシュートは、DFに当たってゴール右へ。8分と9分には、長野祐希(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15習志野)がそれぞれミドルと直接FKでゴールを狙うなど、いい流れでゲームに入ります。
千葉は後ろからキッチリと繋ぐスタイル。中盤に位置する井出と長野が、柏のアンカーを務める小林祐介(2年・柏レイソルU-15)の両脇も含めたバイタルでしきりにボールを受け、はたいてはたいてリズムを創出。また、守備面でも「他のチームとは違ったプレッシャーのかけ方ををしてきたので戸惑った」と秋野央樹(2年・柏レイソルU-15)も振り返ったように、ハイプレスを敢行する千葉を前にして、柏はいつもの小気味いいパスワークがなかなか出てきません。
ところが11分、先にゴールを奪ったのはホームチーム。千葉のパスが乱れた所から柏のカウンター発動。川島章示(2年・柏レイソルU-15)が左へ振ると、「トップチームではSBをやってなかったので」(下平隆宏監督)左ウイングに入っていた、普段はトップに帯同している山中亮輔(3年・柏レイソルU-15)が絶妙の折り返し。荒木大吾(3年・柏レイソルU-15)は丁寧にトラップしてから、冷静にフィニッシュ。劣勢の柏がファーストシュートで先制しました。
ただ、このゴールもゲームの流れを変えるまでには至らず。19分には千葉が素晴らしい形から決定機。井出のクサビをCFの今関耕平(2年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)が落とし、左SBの豊川功治(2年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15習志野)は右SBの吉永哲也(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)へ。吉永の絶妙クロスがファーへ詰めていた仁平貴大(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)まで届き、シュートは枠を捉えられませんでしたが、完全に柏ディフェンスを崩します。
さらに23分、仁平が相手陣内深くでプレスを掛けてボール奪取。ゴールラインと平行にドリブルして、折り返したパスは中と合わず。29分にも長野が中盤で力強いドリブルから3人を置き去り、右へ展開。佐藤遵樹(2年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)のクロスは、柏GK中村航輔(2年・柏レイソルU-15)が何とかキャッチしたものの、ドリブルからもチャンスを創り出す千葉。攻勢が続きます。
リードしていながら苦しい展開を強いられた柏は、「相手のプレスはわかってたので、山中を使うなど裏を突いてシンプルにやりたかった」(下平監督)という狙いを差し引いても、中盤でのイージーミスが目立ち、崩す局面まで持ち込めず。「相手は守備がオーガナイズされていて、"外"からしか行けないような感じだった」とは秋野。その"外"も深い位置までは侵入できずに、シュートが打てません。
すると、千葉にビッグチャンスが訪れたのは32分。左サイドから今関が斜めに出したスルーパス。反応した佐藤遵樹は飛び出す中村をかわし、あとは枠へ流し込むだけでしたが、ボールはわずかにゴール右へ。結局前半はビハインドで終えたとはいえ、「相手がうまくて、ずっとボールを保持されていた」と秋野も認めたように、ポゼッションでも圧倒した千葉ペースで最初の45分間は終了しました。
後半も先にチャンスを迎えたのは千葉。50分、右サイドからカットインした佐藤遵樹の枠内シュートは中村がファインセーブ。決定的なシーンを創ると、そのCKから動いたスコア。ショートで始めた流れから、長野が右へ回すと、吉永のアーリークロスはゴール方向へ。しかし、GKがまさかのファンブルでボールをこぼすと、見逃さなかった長野はすかさずシュート。これはクロスバーに当たるも、今関が頭で押し込んだボールはゴールネットへ到達。実に10本目のシュートが結実し、千葉がようやく攻勢をスコアへ反映させました。
勢いそのままに千葉のターゲットは逆転弾。55分、吉永の縦パスを受けて、エリア内へ切り込んだ佐藤遵樹が粘って粘って枠へ飛ばしたシュートは、中村が足でビッグセーブ。56分、左サイドから井出がショートコーナー。長野のクロスを佐藤祥がフリーで放ったヘディングはゴール右へ。59分、佐藤遵樹が粘って獲得したCK。長野が蹴ったボールを、今関が合わせたヘッドは枠の左へ。一気呵成に攻め立てます。
先に動いたのは下平監督。56分、蓮沼翔太(3年・柏レイソルU-15)に替えて、伊藤光輝(2年・柏レイソルU-15)をそのまま前目の中盤へ投入すると、62分には「トレーニングでも良くて使いたかった」という指揮官の期待によく応えていた中学3年生の左SB麦倉捺木(柏レイソルU-12)と平久将土(2年・柏レイソルU-15)を入れ替え、山中が左SBへスライドし、平久は山中がいた左ウイングへ送り込まれます。
68分には荒木、小林、中川寛斗(2年・柏レイソルU-15)と細かく繋ぎ、山中がミドルレンジからシュートを放つなど、ようやく本来のリズムが少しずつ戻ってきた柏。「アレは続かないと思っていた」と下平監督も話したように、足を攣る選手が増えてきた千葉の運動量低下に伴い、ボールの回りはよくなりますが、肝心のフィニッシュまでは繋げ切れません。
71分は千葉。佐藤祥、今関と繋ぎ、井出のスルーパスから仁平の上げたクロスはDFが何とかクリア。82分も千葉。中盤で相手のミスパスを奪った仁平は、ドリブルで左へ流れながらシュートを放つと、ボールはわずかにゴール右へ。惜しい手数は千葉。
終盤には柏もラッシュ。87分、ゴール前での細かい繋ぎから荒木のラストパスを、伊藤が狙ったシュートはゴール左へ。88分、3枚目のカードとしてピッチに入った宮澤弘(1年・柏レイソルU-15)の横パスを、山中が繰り出したミドルはバーの上へ。90+2分、小林の枠内ミドルは千葉GK白川純也(3年・ジェフユナイテッド市原・千葉U-15辰巳台)がしっかりキャッチ。90+4分、秋野の右CKに平久が頭から飛び込むも、白川のキャッチ。ダービーは両者譲らず。熱戦にもう20分が継ぎ足されました。
一層雨足の強まった延長は、明らかに余力で優った柏ペース。99分、鈴木達也(3年・柏レイソルU-15)、荒木、伊藤と回り、荒木のシュートは白川キャッチ。109分、宮澤と小林を経由して、荒木が反転から前を向いてチャレンジしたシュートはバーの上へ。110分、小林のスルーパスを山中が左クロス。宮澤のヘディングはDFクリア。雨中の110分間は決着付かずドロー。刈谷へのチケットはPK戦で奪い合うことになりました。
「ここでやれるのは特別。今週は今までで一番良いトレーニングができたと思う」と話したのは秋野。このメンバーで戦う最後の日立台。4人目までが全員決めた後攻の柏に対して、2人目がクロスバーに当ててしまった先攻の千葉。5人目はキャプテンの佐藤が沈め、柏のキッカーも2年生キャプテンの秋野。「仙台戦も試合中に外し、昨日の練習でも2回外してた」という17歳が蹴ったボールは左スミに吸い込まれます。「前回対戦した時よりも格段に力が上がってたんで、正直驚いた」と敵将も唸った千葉の勇戦及ばず。柏が薄氷を渡りながら、ベスト8へと駒を進める結果となりました。
千葉はかなり完成度の高いチームでした。特に佐藤祥、長野、井出で組んだ3人の中盤は、基本的にポゼッションで相手を下回ることはほとんどない柏を相手にしても、まったく遜色のない構成力を披露。むしろショートパスでの崩しに関しては柏を凌駕していた印象で、2回戦で散るには惜しい好チームだったと思います。
一方、辛勝となった柏は、「相手のプレッシングがうまくて狙い所をハメられ、なかなか剥がせなかった」と下平監督。ただ、苦しみながらも後半途中から主導権を奪い返すなど、力のある所もしっかりと見せてくれました。「3年生に花を持たせたいし、シモさんにタイトルを獲らせたい」と秋野。一度も獲得したことのない冬のタイトルまでは、あと3勝です。      土屋

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