mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2011/11

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年11月06日

高校選手権東京A準決勝 関東第一×都立東大和@西が丘

mas o menos
  • Line

IMG_9559[1]kannichi.jpg第2試合は意外な顔合わせ。あと1勝に迫った初めての決勝進出へ意気上がる関東第一と、超名門校の帝京を3-1で退けて西が丘まで到達した都立東大和が激突します。春の関東大会予選、T1リーグと共に帝京を破って東京を制しながら、全国に繋がるインターハイでは準々決勝で國學院久我山に苦杯を嘗めた関東第一。チームのポテンシャルは今年の東京でもおそらく1、2を争うだけに、この全国へのチャンスを確実に生かしたい所です。一方の都立東大和は、ノーシードから地区予選やベスト8の帝京戦を含めて6連勝。東京のリーグ戦"Tリーグ"にはピラミッドの一番下に当たるT3リーグにも参入しておらず、今大会最大のサプライズと言えるでしょう。
ゲームが始まると、先に勢い良く飛び出したのは東大和。4-1-4-1のシステムを敷く中、前の5枚はかなり果敢に前からプレス。赤の殺到は関東第一の繋ぎも分断し、リズムを創らせません。2分には清水大輔(3年・FC.VIDA)の左FK、続けて清水の右CK、5分にも清水の左FKなど、セットプレーも連続で獲得。立ち上がりの流れは東大和にあったと思います。
ところが、そんなゲームを一発で動かすプレーは7分の関東第一。宇羽井アハマド(2年・FC多摩)からパスを受けた竹本佳(2年・小倉南FC)は、東大和DFラインの裏へ落とす絶妙のミドルパス。全力で走り込んだ福島翔太郎(3年・ヴェルディSSレスチ)はGKとの1対1も右スミへ確実に流し込みます。劣勢を強いられていた関東第一が1回のチャンスをモノにして、先制してみせました。
ただ、その後も全体の流れはあまり変わらず。「ボランチが自分の後ろにポジションを取られていて、ボールを運びながらも全体の意識が後ろに行っていた」とは小野貴裕監督。それもあってか、関東第一は普段のゲームでは考えられないイージーなパスミスも目立ち、なかなかリズムが生まれてきません。
逆に東大和は8分に市川真吾(3年・FC.VIDA)が強引ではあったものの、ダイレクトミドルにチャレンジ。14分には市川が左へ送ったサイドチェンジから、清水のグラウンダークロスは1トップの井上翼(3年・FC.GONA)へわずかに届かず、関東第一GK田畑里央(3年・ジュビロ磐田JY)がキャッチ。17分、近藤昌樹(3年・TFCシュトルツ)、森伸希(3年・久留米FC)と繋いで、井上のポストから森が狙ったループは枠の右へ。東大和がチャンスを連続して創ります。
しかし、次の得点も関東第一に。24分、カウンターを発動させると左サイドで宇羽井から勝負パス。谷中隆太(3年・ナサロットFC)は不利な体勢も深く潜ってマーカーと入れ替わり、冷静に2点目。さらに27分には左サイドから竹本が上げたクロスに、「横からのボールにもしっかり合わせられる」と小野監督も評した大津風輝(3年・トリプレッタ)がヘディングを沈めて3点目。一気に点差が広がりました。
こうなると「なかなか上げられなかった」(小野監督)DFラインも押し上がり、ボールも回り出した関東第一が猛ラッシュ。28分、沓掛元気(3年・ヴィヴァイオ船橋)の必殺スルーパスに反応した竹本のシュートは東大和GK矢内将洋(3年・昭島清泉中)がストップ。こぼれを狙った宇羽井のシュートはわずかに枠の左へ。32分、宇羽井のリターンを受けた谷中が完全に1人で抜け出すも、フィニッシュは枠の左へ。そして35分、竹本のスルーパスに抜け出した沓掛が放ったシュートは矢内が止めるも、こぼれを谷中がプッシュして4点目。39分には「カードの累積が怖かったので」(小野監督)、左SBの村岡翔太(3年・コンソルテ)と福島を同時に下げる采配も。ハーフタイムに入った時点で、事実上ゲームの行方は決してしまいました。
後半も関東第一のアタックショーは継続。48分、星清太(2年・フレンドリー)のパスから谷中が右へ送ると、大津は左足で左スミに流し込み5点目。さらに49分、51分と共に沓掛のCKから長谷澪杜(3年・FC湘南)が掴んだ決定機はいずれも枠外でしたが、攻勢を緩めません。
一方、53分には東大和に今日最大の得点チャンス。積極的なドリブルで数少ない脅威となっていた清水が、3人のDFを翻弄して左クロス。しかし、後半開始から投入された小橋堅太(3年・府中第十中)のボレーは枠を捉え切れず。1点が遠い東大和。
すると再び始まる関東第一の猛攻。60分、もはやノープレッシャーに近い状況で自由を謳歌していた沓掛が鋭いスルーパスを右へ。伊東礼央(3年・FC多摩)の完璧なグラウンダークロスを谷中が詰めてチーム6点目と同時に、西が丘でのハットトリックを完成させます。
63分、沓掛から宇羽井に渡り、谷中のシュートは枠の右へ。67分、宇羽井、竹本と繋がり、沓掛のダイレクトパスから、竹本のミドルループは枠の右へ。69分、またも沓掛から最高のフィードが左サイドでフリーだった大村俊道(2年・コンソルテ)に渡り、ワントラップシュートは枠へ収め切れず。72分、沓掛が完璧なミドルレンジのスルーパスを繰り出すと、飛び出した伊東は矢内との1対1を難なく右スミへ制して7点目。もはやスタンドからは溜め息すら漏れる関東第一の強さ。
1点は返したい東大和も最後の反撃。81分、大石明翔夢(3年・FC.VIGORE)の左CKはフリーになった市川の足元へこぼれるも、シュートはバーの上へ。84分、またも大石の左CKから市川がヘディングで狙ったシュートもわずかにバーの上へ。終わってみれば、準々決勝の8ゴールに続いて、今日も7ゴールと攻撃陣が爆発した関東第一が力の差を見せ付ける格好で、選手権では初めてとなるファイナル進出を決める結果となりました。
関東第一は昨年の準決勝で帝京にシュート1本と抑え込まれて完敗。小野監督も「アレは本当に悔しかった」と語る敗北から1年。春の、そしてT1の覇者として迎えた今大会は、風格すら感じさせる勝ち上がり方で念願の決勝まで辿り着きました。東久留米総合とのラストバトルは、今年の東京ナンバーワンを決めるにふさわしい好カード。「こういう舞台でやらせてあげたかった」と小野監督も話した西が丘で、全国へと繋がる"2勝目"を手に入れることはできるでしょうか。長かった今シーズンも、あとわずか1試合ですべての決着が付けられます。     土屋

  • Line