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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年02月15日

16/17 Ben's Foot! notes Week27- 前編 -

foot!
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benFoot.png


(1)残留争いの展望:Bournemouthまで危ないぞ!
●ベンの一押しでめっちゃ面白いチームだが、何と言っても、失点し過ぎ!
「攻撃は最大の防御」というポリシーが最近、うまく行っていない。
MCI戦前の時点で、47失点がスウォンジー(54)とハル・シティ(49)に次いで3番目に多い。
そして、その失点が最近からめっちゃ増えてきた。

0001_PL順位表 下位.pngのサムネール画像

11月27日から今節のシティ戦まで、公式戦14試合36失点。
ちょうど3失点が10試合で8回あった。その後、2失点が3回、6失点が1回!

Akeがチェルシーに戻ったことがよく指摘されているが、そう簡単に片付けられる話ではない。
●Akeがそもそも起用されるようになったのは第12節のストーク戦だった。
つまり、彼が出場していた試合でも結構失点した。
●しかし、その時期は、アンカーのSurmanが怪我で居なかった。
SurmanとAkeが2人とも先発で出場できたのは第19節のスウォンジー戦のみだ。
そして、クリーンシートだった。理想的にはその調子でもっと続けたかったが、そのタイミングでAkeが戻ることに。
●そして、そのタイミングでFrancisがアーセナル戦で退場し、3試合の出場停止処分へ。
●すると、昨シーズンから加入してデビューで大怪我したMingsが15ヶ月ぶりに出場するようになったが、本来左SBなのにCBで起用セざるを得なかった。
●今季、初出場のミルウォール戦(FAカップ)ではMingsのミスから失点。
●そして、プレミアリーグで初先発を果たした、第21節のハル・シティ戦では相手Hernandezの1点目・2点目でMingsのところが突かれ、そして相手の3点目はMingsのOGだった。
●Francisが復帰した後、エヴァートン戦でFrancis・Cook・Mingsの3バックを試して使ったが、何と6失点。


チームを4部からプレミアリーグまで引っ張ってきたEddie Howe監督にはサポートが必要
●Howe監督の強みはこれまで、意外と綺麗なサッカーを以外とうまくできる、無名な選手を下部リーグから発掘して育てるところにあった。
●しかし、それ以外のところに関してはもう少しサポートが必要な気がする。
●「攻撃は最大の防御」かもしれないが、プレミアリーグでは必ずしも試合をコントロールできるとは限らない。
●守備が得意なコーチを探すべきなのでは?
●1月にCBを取らなかったのは意外だったが、プレミアリーグに昇格してからHowe監督はそもそも補強が得意ではないようだ。
●プレミアリーグに昇格するまで、クラブ市場でミリオン(百万ポンド)単位で取った選手は2人しかいなかった。
●しかし、プレミアリーグでは収入がある一方、これまでの補強・成功パターンでは足りない。
●誰も知らない選手を安く取って育てるというより、プレミアリーグのお金を賢く使う必要がある。
●昇格が決まってからの補強を見ると、ボーンマスがそれをあまりうまく出来ていないことが分かる。

pict2_2.pngのサムネール画像

●トップチームで獲得した21名のうち、11名も既に去っている。
●本当に活躍したと言えるのは、King、Ake、Wilshereぐらいしか居ない?
●お金を使ったときはあまり結果に繋がっていない。
●また、Howe監督はGradel、Grabban、Wilsonのように、既に一緒に働いたことのある選手を再び取る傾向がある。スタッフについても同じだ。
●守備改善と補強に関しては、知っている顔以外でサポートしてくれるコーチやTDが居れば良いかも。
●FWのCallum Wilsonがまた怪我したが、嫌な要素が重なって残留争いに巻き込まれそう。






(2)残留争いの展望:Leicester Cityがもう普通に弱い
●スウォンジー戦の結果を受けて、前回王者としてリーグ戦で5連敗を喫するのは1956年のチェルシー以来、61年振りのことになる。
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●また、前回王者としてリーグ戦で6試合連続の無得点というのは、1888年に創設されたイングランドのリーグ史上で初めてのことである。
●これまでの記録は110年前、1907年のリヴァプールで5試合連続の無得点だった。
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出典: 11v11.com



最後に前回王者として本格的に残留争いに巻き込まれたのは、1992/93シーズンのリーズ・ユナイテッド

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当時のリーズ監督、Howard Wilkinson氏が12日のObserver紙にてあの頃の失速を振り返った
●"It's one thing coming up on the rails in a title race, as we did in 1992, and quite another starting a season with everyone else in the league thinking: 'We're at home against the champions and they're the team to beat.' We didn't win away that following season.
「1992年にはアンダードッグとして逆転優勝を果たしたが、その翌シーズンが開幕した時点では状況が全く違っていた。相手は皆、ホームに前回王者を迎えたら勝ちたい気持ちが一番強くなる。私達は結局、優勝した後のシーズンに一度もアウェイ戦で勝利できなかった。」
●"I think some players had run the marathon when we won the title. And then when they reported back it was like someone saying to them: 'Come on, you've got to run it again.' Some just didn't have that in them. Plus we lost some of the application because a few started to think: 'We've done all that; now I'm a good player.'
「優勝に至っては、選手たちにとって長いマラソンを完走したような感じだったと思う。そして、またプレシーズンに合流したら、『よし、またスタートに戻って走り直せ』と言われたようなものだった。やはり、一部の選手たちには無理があった。そして、また一部の選手たちは『もう成功した』と思うようになり、努力しなくなってしまった。」
●https://www.theguardian.com/football/2017/feb/12/leicester-warning-title-defences-went-wrong

確かにラスボスを倒して、ゲームを完了してしまったという部分はあるかもしれない
●これ以上、超えることは無い偉業を達成した後、また一からやり直すのにモチベーションが無い、或いはメンタルの疲れが取れない、ということなら絶対あるだろう。
●サポーターでも、そんな気持ちを共有する面がある。
●ただ、最近は自信の無さが恐ろしい。先制されると何も無い。
●そして、最も大きい問題は、レスターが早めにラニエリ監督をクビにすることができなかった一方、下にあったクラブは監督を早めに交代し、結果を出すようになったことだ。






(3)残留争いの展望:Swansea City
●1月3日にスウォンジー監督に就任したPaul Clementは早速、1月の月間最優秀監督に選ばれた。
●レスターに勝利したことで、Clement監督就任が決まってからリーグ戦6試合で4勝。
Guidolin監督とBradley監督の指揮下では年末まで3勝しか挙げられなかった。
●2ヶ月半前に『Foot!』でBradley監督のスウォンジーを取り上げたが、就任してから毎試合、先発メンバーとシステムを繰り返して大幅に変更したことが非常に気になっていた。

#17の『Foot! TUESDAY』で紹介したデータ
0009_ブラッドリー前監督就任後のシステムとメン.png

●Bradley監督は明らかに選手たちを信用していなかったが、それが状況を尚更悪化させてしまった。
●そして、Bradley監督が指導できていない証にもなった。
噂によると、選手たちに練習方法が古過ぎるとのことから、「Ronald Reagan」と呼ばれていたそうだ。
●クリスタル・パレス戦(5対4)の後、そのパターンがまた続き、スパーズに5-0、ミドルスブラに3-0、ウェストハムに4-1で大敗して、守備の課題が益々悪化。Bradley監督の解任に至った。

Clement監督は就任時、CB補強を優先していたが、既存のCBが思ったより良いとのことに気づいた
●"The more the time went on, the more I worked with the centre-backs, I thought I could work with the players I've got and improve them.
「時間が経てば経つほど、そしてCBたちと働けば働くほど、既存のメンバーでいけるし、そのレベルを伸ばせると感じるようになってきた。」
●"They are hungry to improve and get better. I'm more than happy with the four I've got here.
「彼らは向上心が非常に強い。既存のCB 4人には大変満足している。」
●出典: South Wales Evening Post紙、1月30日
http://www.southwales-eveningpost.co.uk/paul-clement-the-more-i-ve-worked-with-our-centre-backs-the-more-i-think-i-can-improve-them/story-30097988-detail/story.html

0010_クレメント監督就任後のシステムとメンバー.png

●Bradley前監督の時代とは対象的にClement監督就任後は様々な意味で安定するように。
●Clement監督はあまりメンバーをいじることなく、チームの一体感を取り戻した。
●特に最終ラインは最初からNaughton・Fernandez・Mawsonの3人が定着しており、Olssonが加入してからファーストチョイスの4人が定着している。
●また、それまでOGしか決めていなかったMawsonがここ6試合で3ゴールをマークしている。
●レスター戦ではMawsonとOlssonがゴールを決めた。プレミアリーグに昇格してから、同じ試合でスウォンジーのDFが2ゴールを決めたのが初めてのことだ。
●Bradley前監督が選手たちを信用していなかった一方、Clement監督は信用することで自信を与え、そして「私の言うことを聞けば強くなれる」という信頼を得られている。
●次節の対戦相手はCHEだが、その後はBUR・HUL・BOU・MIDと残留争いの直接対決が相次ぐ。

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