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このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2016年12月07日

16/17 Ben's Foot! notes ~Week 17~

foot!
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benFoot.png

Week 17 - Manchester City 1-3 Chelsea

(1)マンチェスターで勝てなくなった、マンチェスター勢

マンチェスター・シティはホームのリーグ戦で9月中旬以来、勝利なし
●第5節、9月17日、MCI 4-0 BOU
第8節、10月15日、MCI 1-1 EVE
第9節、10月23日、MCI 1-1 SOU
第11節、11月5日、MCI 1-1 MID
第14節、12月3日、MCI 1-3 CHE

●最後にホームのリーグ戦で勝ったのはほぼ3ヶ月前のボーンマス戦。それ以来は3分1敗。

各節、マンチェスター勢のうち1つがホームでプレーするが、これで8節連続、マンチェスター勢がホームで勝っていない
●第6節、9月24日、MUN 4-1 LEI
第7節、10月2日、MUN 1-1 STK
第8節、10月15日、MCI 1-1 EVE
第9節、10月23日、MCI 1-1 SOU
第10節、10月29日、MUN 0-0 BUR
第11節、11月5日、MCI 1-1 MID
第12節、11月19日、MUN 1-1 ARS
第13節、11月27日、MUN 1-1 WHU
第14節、12月3日、MCI 1-3 CHE

●最後にマンチェスター勢がマンチェスター開催のリーグ戦で勝ったのは、第6節だ。

●それ以降、相手も含めてどこもマンチェスター開催のリーグ戦で勝っていなかった。(つまり、7節連続引き分けだった)




(2)ペップが選んだ、チェルシー対策:3-4-3のマッチアップ

黒板:この3-4-3のミラーゲームを、4つのゾーンに分けて分析したいと思う

●WBゾーン: 両サイド、それぞれの1対1

●MCIの攻撃ゾーン: Silva・Aguero・De BruyneとCHEのCB3人という3対3

●CHEの攻撃ゾーン: Hazard・Costa・PedroとMCIのCB3人という3対3

●中盤ゾーン: 中盤の2対2(と、意外と広いスペース)




(3)マンチェスター・シティの攻撃はワイドな位置から

黒板ポイント
●WBゾーン:SaneとNavasは攻撃的な選手だが、比較的な低い位置を取り、相手WBを前へ誘う。

●MCIの攻撃ゾーン:MCIは攻撃の重点をすぐにワイドな位置に置く。特に右サイドではDe Bruyneはワイドな位置を取り、Alonsoの裏を狙うのとともに、相手CBを釣り出してスペースを作る。


MCIのアプローチ。SaneとNavasは攻撃的な選手だが、比較的な低い位置を取り、相手WBを誘う
4:15
チェルシー攻撃のとき、SaneとNavasが最終ラインまで戻り、5バック。

11:45
Fabregasが斜めのロングフィードでAlonsoへ。Navasが最終ラインまで戻っており、Alonsoの攻撃参加にケアする。Alonsoの攻撃参加を、MCIはチャンスとして見ているのでは。

12:15
CHEの攻撃が続く。SaneとNavasが最終ラインまで戻り、5バック。そしてMCIがボールを奪うと、まずAlonsoのサイドでDe Bruyneがワイドな位置で攻め、相手CBを釣り出して崩そうとする。


MCIのアプローチ。攻撃の重点はすぐに(右)ワイドな位置に置く。相手WBの裏を狙い、CBを釣り出す。
3:05
De Bruyneがタッチラインまで流れて、Cahillを釣り出す。CHEは枚数が足りているので、クロスは無事に出来るが、早い時間帯からDe BruyneがAlonsoの裏のスペースを狙うということが分かる。

5:05
サイドのバトル。NavasがAlonsoにケアしてから、右サイドまで流れたSilvaへ。既にCahillとLuizの裏を取っているので、逆サイドにものすごく広いスペースが開く。Azpilicuetaが頑張って対応。
(5:10に広いスペースが開く。その時点で何とかボールを横に送れたらDe Bruyneに大チャンス。)

8:50
AlonsoとLuizが上がったところで、FernandinhoがNavas・Agueroの右サイドにロングフィード。Azpilicuetaがまた必死に逆サイドからケアしに行くが、パスが成功していればスペースが広かった。

12:15
CHEの攻撃が続く。SaneとNavasが最終ラインまで戻り、5バック。そしてMCIがボールを奪うと、まずAlonsoのサイドでDe Bruyneがワイドな位置で攻め、相手CBを釣り出して崩そうとする。

30:20
Navasが右側で素早く前へ。Azpilicuetaがまた逆サイドから釣り出される。Luizがクロスをクリア。

37:05
Agueroが左のワイドでMosesの裏を取り、CKを獲得。CHEの最終ラインはまた形が崩れている。

42:50
Navas・De Bruyneが右サイドでAlonsoの裏へ。Cahillも交わされるので、CHEは中央で人数が足りなくなる。Kanteが戻って、Navasのクロスを受けたGundoganにタックル。


前半途中からMCIはやっと左サイドも活かすようになる。CHEは片方だけではなく両サイドを守らないと
19:45-55
Saneはずっと左サイドのタッチラインでフリーだが、ボールが来ない。(30分まで、なかなか来ない。)

33:30
Saneが左のワイドな位置で待機してから、急に動き出してMosesの外・裏を取る。Silvaがそれを見て、正確な斜めフィードを送る。最終的にAzpilicuetaがAgueroのシュートをブロックする。


CHEが両サイドの守備を意識するようになってから、MCIから右サイドからクロスしやすくなる→先制点
23:50
De Bruyneは時間とスペースを与えられ、右サイドからクロス。CHEは枚数が足りているが、待ち構える。David Luizがクロスをブロックするが、セカンドボールからMCIはFKを獲得。

34:20
Navasが外側から低いコースのクロス。David Luizがスライディングでブロック。

34:32
NavasがまたAlonsoの裏を取り、低いコースのクロス。Cahillがブロック。

42:08
FernandinhoからNavasへサイドチェンジ。NavasとDe BruyneがAlonsoを相手に2対1となり、クロス。Mosesのプレッシャーもある中、Agueroのヘディングが枠の外へ。

42:50
Navas・De Bruyneが右サイドでAlonsoの裏へ。Cahillも交わされるので、CHEは中央で人数が足りなくなる。Kanteが戻って、Navasのクロスを受けたGundoganにタックル。

1-0 GOAL
右サイドのスペースに入ったNavasがボールを受ける。逆サイドでの対応から、Alonsoがまだ中へ絞っていたので、時間とスペースがある。右サイドからクロス。Cahillが左足でクリアすれば良かったが、右足からオウンゴール。




(4)シティが攻め続けると、チェルシーの攻撃ルートが開ける

後半の序盤、CHEは反撃を図るが、それによってMCIは相手MFとD. Luizの裏を取り、益々攻勢へ
46:40
De BruyneからNavasへ。右で裏を取る。低いコースのクロスをDavid LuizがブロックしてCKへ。

47:45
CHEは前半よりも前へ人数をかけるようになっている。Saneがルースボールを拾うと、Silvaとのパスワークで高い位置まで上がったFabregas・Kanteを交わして、いきなり3対3のカウンターへ。Azpilicuetaが最終ラインから飛び出しするも失敗して3対2へ。De Bruyneのシュートが阻まれる。

56:25
ハーフウェイ付近、Aguero・Gundogan・SilvaのパスワークでKante・Fabregas・Luizを交わしてまた3対3へ。Navasが低いコースのクロス。オープンゴールだが、De Bruyneはクロスバーに直撃。

だが、同点ゴールの30秒前に警告の兆し。MCIが攻勢になり過ぎると、CHEにスペースを与えてしまう
58:20
MCIは前掛かりとなり、Willianの前に広いスペースが開く。チェルシーにカウンターのチャンス。

黒板ポイント
●中盤ゾーン:中盤の広いスペースの底、CHEのパサーが余裕を持ったところからロングフィードを。

●CHEの攻撃ゾーン:そのロングフィードを前線3人が中央で受け、素早く3対3の場面にする。或いは、サイドを使う場合はWBがオーバーラップ。

CHEの守→攻の切り替え。前半から中盤のスペース(余裕)を活かし、ロングフィードが起点となる。
3:30
中盤はオープンだから、CHEは割りと簡単に守備から攻撃へ切り替える。Kante→Moses、Hazardへサイドチェンジ、Stonesにブロックされる。

7:50
中盤にまた広いスペースがあり、CHEの守備→攻撃の切り替えに繋がる。

11:45
Fabregasが斜めのロングフィードでAlonsoへ。Navasが最終ラインまで戻っており、Alonsoの攻撃参加にケアする。

14:00
D. Luizのロングフィードから直接、前線のCostaへ。3対3の場面へ。Hazardがシュート(枠外)。

18:45
MCIは右サイドでカウンターを図る。Pedroは素晴らしい運動量でそれを止めてから、CHEが前線へ直接ボールを送って逆カウンターを図る。どちらも成功しないが、意図ははっきりしている。

25:25
Fabregasのロングフィードから左チャンネルのHazardへ。Bravoを交わすも、Stonesのリカバリーが気になってシュートはしない。(打てば良いのに!)

35:10
Mosesへ非常に長いパス。Saneの裏で胸トラップして、スローインを獲得。

39:55
Saneの攻撃から、AlonsoがCostaへのロングフィードでカウンターを図るが、ボールが長い。

1-1 GOAL
Fabregasの前に広いスペースがある。時間とスペースを与えられた中、綺麗なロングパスを送ることが出来る。Otamendiの外側でCostaが胸トラップし、内側を取る。
(なお、Otamendiのポジショニングに疑問が残る。MCIは30秒前の攻撃からまたラインを引き上げようとしているが、Otamendiだけが中途半端になり、Costaが気になってまたすぐ1人で戻る。)

60分以降、シティの前掛かり+Costaのポストプレー+Willianのドリブル=CHEの勝ち越し・追加点
62:45
Costaが低めな位置でビルドアップに参加し、Willianのドリブルへ。

63:15
右サイドでスペースを作り、Willianがクロス。

64:00
Azpilicueta がSaneにタックルし、Willian がGundoganを交わしてAzpilicuetaへ。CHE がサイドのスペースを活かすようになった。

65:55
同点に追い付かれたMCIは攻撃に多くの人数をかける。Otamendiまで攻撃参加。Silva→De Bruyneのクロス、Agueroの前でMosesがうまくインターセプト。そこから66:04、Alonsoがクリアし、Costaが走ってBravoにプレッシャーをかける。CHEはまた前線へのフィードで切り替える。

68:35
MCIはSaneに代わってClichyを投入し、Willianのサイドに対して守備を固めようとするが...

1-2 GOAL
Gundoganが左中央から飛び出しするもサポートが居ない。チェルシーがカウンターして、HazardがCostaへ縦パス。必死に行き過ぎたOtamendiを交わして、右サイドで裏を取ったWillianへ。
この流れでチェルシーが中盤の広いスペース、得意なパサー(Hazard)、Costaのポストプレー、そしてWillianのドリブルを活かして勝ち越しゴールを決める。

1-3 GOAL
MCIは前掛かりになるが、チェルシーの守備を崩せない。Chalobahがインターセプトし、Alonsoがロングフィードを相手CBの裏へ送る。Hazardがそれを受け、決める。




(5)小さなことが積み重なり、少しずつヒートアップし、大喧嘩に

小さなことの連続でシティのフラストレーションが高まり、最終的にあんな展開に。

12:40
CahillのファウルでAgueroが痛い思い。しかし、イエローは出なくて、Guardiola監督とMCIがAnthony Taylor主審に対して不満を抱き始める。その流れから12:53、Fernandinho がMosesに対してファウル.

16:00
Otamendi が足を伸ばしてCostaにタックルするが、イエローへ。Guardiolaが判定に不満。ボールを触ったのでは?これで次節のレスター戦は出場停止へ。

22:45
Aguero がPedro の踵に踏み出す。 22:50のスローで、接触するように若干足を動かせるか?

29:00 (36:40 replay)
De BruyneからMCIがカウンターし、David LuizとAgueroの接触。ファウルだったらレッドも出るだろうが、審判は流す。29:55、Guardiolaの反応。

31:10
David Luiz がボールを触ると大ブーイングを浴びる。

43:50
Costa がKolarovにファウル。カードは出ない。サポーターは怒る。

前半終了
MCIのサポーターはDavid Luizに対して「cheat=ずる」とチャントし、審判に対してブーイング

54:09
CK時、AgueroがD. Luizとぶつかってまた痛い思い。わざとじゃないだろうしD. Luizは謝るが...

56:20
David Luiz がAguero の背中を押す

68:12
De Bruyne がCahillとぶつかって、FKを求めるが、逆にCHEのFKへ

71:43
Kolarov がWillianとぶつかる。ノーファウルだが、Willianが倒れたままだからプレーが止められて、MCIは攻撃の勢いを失ってイライラする。

77:20
AlonsoがNavasを蹴ってしまう(Navasは貰いに行く部分あり?)。PKは無し。

78:05
Kolarov とHazardがぶつかり合う。CHEのFKで、MCIがまたイライラ。

80:25
平常心を失った(?)Fernandinho はKanteに対してファウル。イエローも出なくてラッキー。

80:55
Navas がHazardのシャツを引っ張ってイエロー。

83:18
Costa が倒れてプレーが止まる。シティがまたイライラする。

86:00
Kolarov がHazardに対してファウル。タッチラインでGuardiola 監督がイライラする。第4審判のMike Deanとずっと話している(86:27)。

87:35
今回はMCIに有利なジャッジ。Guardiolaが皮肉って大喜びを見せる。

95:20
Agueroのタッチが長い。D. Luizが激しくクリアしに行き、Agueroのファウルが大喧嘩のきっかけに。

試合終了後
Guardiola がFabregas の挨拶を無視? (或いは、自分の選手たちをコントロールしたかった?)


Guardiola v Fabregas (出典:Marca紙)

●Marca紙によると、Fabregasが2011年にバルセロナへ戻ってからGuardiolaとの関係が悪化したという。元々、Tito Vilanovaや同じカンテラ出身のLionel MessiとGerard PiqueがFabregasの復帰を強く求めていたが、Guardiola監督はそこまで高く評価しなかったという。

●そして、FabregasがGuardiolaの最大のライバル、Jose Mourinhoが率いるチェルシーに移籍したとき、Guardiolaとの関係が更に悪化したという。


Agueroは今季2度目の出場停止処分とのことで4試合。Fernandinhoは3試合。

●第15節、12月10日、LEI v MCI (2人とも出場停止)
第16節、12月14日、MCI v WAT (2人とも出場停止)
第17節、12月18日、MCI v ARS (2人とも出場停止)
第18節、12月26日、HUL v MCI (Fernandinhoは復帰できる。Agueroは出場停止。)
第19節、12月31日、LIV v MCI (Agueroは復帰できる。)
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Paul Wilson記者、The Guardian紙 (LINK)
●見出し:Manchester City's lack of mental edge exposed in Pep Guardiola challenge
「ペップ・グアルディオラがチャレンジした試合でマンチェスター・シティはメンタルの足りないところが暴露された」

●Pep Guardiola said this would be a good test of Manchester City's level and so it was. In football terms they are right up there with Chelsea, almost identical for an hour or so, but when it comes to temperament they are lacking. City ... are not as good at closing out games or hauling themselves back into them as their opponents.
「ペップ・グアルディオラ監督はこの試合がマンチェスター・シティのレベルを確認する上で良いテストになると言っていた。やはり、その通りだった。フットボールに関しては、チェルシーとはレベルがほぼ同じで、1時間強は全く同じレベルだった。しかし、メンタルに関してはシティは下回っている。試合に勝ち切ることや、劣勢を跳ね返すことが、チェルシーほど得意ではないことが分かった。」

●They are not as good at keeping their cool either, which is why they ended up with nine men following a bad-tempered fracas at the end occasioned by Sergio Agüero's blatant and petulant foul on David Luiz.
「平常心を保つことも、チェルシーほど得意ではない。だから、終盤にSergio Agüeroが短気にDavid Luizに対してあからさまなファウルをしてしまったし、その行為がもたらした喧嘩の末、シティが9人に終わってしまった。」

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