お久しぶりです。AD絢です。
全国的に雪が降るほど寒い日が続いていますねぇ。
空気が乾燥しているのでカゼと火の元にはご注意ください。

さてみなさん、小さな町の小さなクラブを紹介するスモールタウンＦＣをご存知でしょうか？
水曜Foot!の前身となっているE.N.G.でも放送していた隠れた人気コーナーです！
（以前はスモールタウンスタジアムという名前でした。）

見逃してしまった方やFoot!を見れない環境にいる方のために、
今回は2月8日に放送したオールド･サロピアンＦＣを紹介したいと思います！
放送を見ていただいた方には内容が重なる部分が多々あると思いますが、
「こんなクラブだったなぁ。」と思いながらあたたかい目でみてやってください。

今回紹介するオールド・サロピアンＦＣは、
ロンドンから南西へおよそ２２０ｋｍ。シュルーズベリーにあるフットボールクラブです。
国内屈指の名門パブリック・スクール、シュルーズベリー校の卒業生によって発足されました。
シュルーズベリー校は1552年（16世紀）に創設され、
生物学者のチャールズ･ダーウィンをはじめ、多くの著名人を輩出している学校です。

（↑校内にあるダーウィン像）

シュルーズベリー校でフットボールが始まったのは19世紀初頭。学生たちが始めたそうです。
しかし、学校職員は勉学を重んじ、フットボールをすることに反対。
職員の協力を得ることが出来ない中で、学生たちは自分たちでルールを決めます。
そのため、各学校でそれぞれのルールがありました。
シュルーズベリー校はダウリング（dowling）と呼ばれるルールを独自に採用していたそうです。

ダウリングとフットボールとの違いはいくつかあるそうですが大きな違いをまとめてみました。
①手でキャッチがすることができる
（＊持って走ることはできないが、蹴られたボールを手でキャッチすることが認められていた）
②前方へのパス禁止
（＊ボールの後ろに陣取って、軍隊のように集団になって突進したそう）
③ゴールにクロスバーがなかった
（＊棒が立てられているだけでどんな高さのシュートもゴールが認められていた）

そして1856年、その後のフットボールの歴史を動かす大きな出来事がおきます。
ケンブリッジルールの制定。

シュルーズベリー校をはじめ、イートン校、ハロー校、ラグビー校、
更にケンブリッジ大学の代表者２名が一同に介し、フットボールの共通ルールを作成。
これが後にフットボール･アソシエーション･ルールの礎となりました。

共通のルールを作った理由は、学校同士で試合ができなかったから。
大学に進学しケンブリッジでフットボールをやろうとした時に「ラグビー校のルールでやろう」
「いや シュルーズベリー校のルールだ」「イートン校だ」と言い争いになったそうです。
そこで共通のルールを定めることにしました。
しかし、シュルーズベリー校はFAのルールが定まった後も校内では自分たちのルールを採用。
寮対抗の試合などは"ダウリング"ルールを使い続け他校との試合ではFAのルールを使用したそうです。

1872年には世界初となるフットボールの国際試合、
イングランド対スコットランドに代表選手を送り出すなど
フットボールにおける草分け的な存在となっていったシュルーズベリー校。
しかし20世紀に入ると、大半の学校ではメインのスポーツがフットボールからラグビーへと変化。
それでも伝統を重んじたシュルーズベリー校がフットボールから離れることはなかったそうです。

そして、フットボールのプロ化が進む中、1902年にパブリック・スクールの卒業生を対象とした大会
アーサー･ダン･カップが創設されると、
シュルーズベリー校の卒業生が正式にオールド･サロピアンＦＣ(Old Salopin FC)を発足。
その後1930年代には、アーサー･ダン･カップを4度制覇。
50年代には連覇も果し、国内でも有数の強豪クラブとなりました。

現在は、パブリック･スクールの卒業生を対象としたリーグアーサリアン･リーグのディヴィジョン１に在籍し、
およそ200年に上る歴史を胸に、フットボールの伝統を守り続けています。

今回の取材ではクラブや学校の歴史をインタビューするにあたり
貴重な資料が保存してある図書館の奥へ入れていただいたのですが、
そこにはダーウィンの「種の起源」をはじめとした貴重な資料がいっぱい！

1冊くらい魔法の書がないかと探して見ましたが見つからず･･･
でも、まぎれていても不思議ではないくらい貴重な資料があふれる場所でしたよ！
さすが、ハリー･ポッターが生まれた国、イングランド。
今後も歴史あふれるクラブを数多く紹介する予定です！次回をお楽しみに～。