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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
前々節は昇格圏内をキープし続ける千葉を2-0と撃破し、7試合ぶりの勝利を挙げたものの、前節は中位に付ける大分に1-3で敗れるなど、なかなか調子が上がってこない湘南。そろそろリーグも折り返し地点に差し掛かることを考えれば、1つ負けが先行している数字を、五分へ戻しておきたいゲームです。一方、先週の国立ではFC東京相手に5-0と大敗を喫した熊本。前半で退場者を出したとはいえ、試合後選手たちが口を揃えたのは「レベルが違った」というフレーズ。今日のゲームはメンタルのリカバリーが問われる一戦です。
7月最後の日にしては23.6度と相当涼しい中で始まったゲームは、まず熊本にチャンス。2分、「アジリティを期待して」(高木琢也監督)7試合ぶりにスタメン起用された松橋章太が右サイドで縦へ転がし、武富孝介の外を回った市村篤司がクロス。ボールは長沢駿にキッチリ合い、ボレーは当たらなかったものの、敵将の反町康治監督も「相手のストロング」と評した右サイドから形を創ります。
湘南も同じく2分には臼井幸平が右サイドからカットインミドルを枠へ飛ばし、熊本GK南雄太がセーブ。5分も湘南。永木亮太のパスを受けた高山薫が、左から切れ込んで枠の左へ外れるシュート。10分も湘南。菊池大介が思い切りよく放った30mミドルは、南が確実にセーブ。手数を繰り出すホームチーム。ただ、展開自体は「あそこまで下がってくるとは思わなかった」と高木監督が話した湘南が長いボールを多用したのに対して、繋ぐ意識の高い熊本はポゼッションで上回り、わずかに攻勢。
11分には湘南がボールロストを連発した流れから、西森正明が左足でクロスバーを越えるフィニッシュ。13分、武富のミドルは湘南CB大井健太郎の頭に当たり、高く上がるとクロスバーの上にヒット。14分、吉井孝輔のミドルは枠の右へ。ポゼッションの割にはミドルばかりが目立ったにせよ、熊本がある程度主導権を握っていたと思います。とはいえ、皮肉にもポゼッションが災いしてか、長沢と松橋の2トップにボールが入る場面は少なく、逆にシンプルな攻撃を繰り返す湘南に少しずつ流れが移行。
21分、臼井、永木、佐々木竜太と回り、坂本絋司のシュートは熊本のCBを務める福王忠世が体でブロック。25分には熊本に訪れたFKのチャンスを原田が外すと、ホームチームに決定機。29分、福王のパスを受けた西森が緩慢なターンでボールをさらすと、かっさらった永木の前には南とゴールだけ。シュートは枠の左へわずかに逸れ、スタンドからは溜め息も漏れますが、31分にも再び決定機。中盤でのガチャガチャした混線から、坂本が触ったボールを持ち出した永木は独走。今度は慎重に南もかわし、無人のゴールへ流し込んだはずのボールは、諦めずに全力で戻った35歳のエジミウソンが超スーパーブロック。「今までの我々にはあまりない、奪ってからのスピードアップ」(反町監督)で連続した絶好の先制機を生かせません。
さらに45分、菊池の左CKをニアに走り込んだ高山が頭に当てたボールは、ほとんどゴールに入りかけていましたが、ライン上にいた南が驚異的な反応を見せ、足でクリア。湘南からすれば、15分以降は狙いがハマりながらも、ゴールだけが生まれなかった展開。前半はスコアレスで終了しました。
後半はまず熊本にチャンス。49分、長沢の落としから、武富が右クロス。こぼれ球に反応した原田のミドルは、DFに当たってわずかに枠の右へ外れます。すると、ここを凌いだ湘南が歓喜の時を迎えたのは51分。菊池が左へ展開すると、佐々木はカットインしながら強烈なミドルを枠内へ。南も懸命に弾きましたが、ここに詰めていたのは高山。前半からプレーというよりも判断にキレがなく、なかなかゲームに入れていなかった“パイナップルARMY”が大仕事。ようやく湘南がリードを奪いました。
さて、「0対0だったら僕は引かせたと思う」と語った高木監督でしたが、ビハインドを負ったからには前へのパワーが求められる中、61分には松橋と西森を下げて、宇留野純と片山奨典を同時投入。さらに68分には最後のカードとして、吉井とファビオをスイッチすると、武富と長沢を2トップに据えて、その下はファビオ、右に宇留野で左に片山、アンカーにエジミウソンという配置で勝負に出ます。
73分にはエジミウソンを起点に右サイドで市村を経由し、ファビオのクロスに長沢が頭を伸ばしたものの、シュートには持ち込めず。75分前後からはエジミウソンをCBの間に落とし、原田と武富にボランチを組ませ、前線は右から宇留野、長沢、ファビオを並べた3-4-3に切り替え、何とか1点をという姿勢を打ち出しますが、「リードされたことで長いボールを頼りにしてきてくれた」とは反町監督。今日は石神直哉の出場停止を受けて、左SBにはCBもできる山口貴弘が入っていたため、前半から長沢は167センチとDFラインで最も背の低い臼井サイドへ流れていましたが、「自分たちの判断で幸平と健太郎が替わって対応していた」(反町監督)ことでカバー。加えて、176センチのCB遠藤航も10センチ以上高い長沢に堂々と競り勝つシーンも。チャンスを創らせません。
むしろ終盤は湘南に追加点のチャンスが連続。76分には熊本のミスパスから、永木、菊池、佐々木と繋がり、菊池のシュートはゴール左へ。77分、高山のラストパスから佐々木のシュートはゴール左へ。83分、菊池と永木でお膳立てしたハン・グギョンのミドルはバーの上へ。86分、菊池が右サイドから上げたクロスに、佐々木が頭で合わせたシュートは南がファインセーブ。最後までゴールへの意欲は衰えません。
90+2分、熊本のラストチャンス。矢野大輔のフィードをファビオがワントラップボレーを放つも、ボールはクロスバーの上を通過。「非常に気持ちの入ったゲームになった」と反町監督も評価した湘南が、難敵熊本から勝ち点3を奪取する結果となりました。
熊本はあらゆる手を尽くした感はありましたが、ゴールが遠いゲームになってしまいました。「負けるには惜しいなあというゲーム」と高木監督も振り返ったように、チーム力の差はほとんどなかったと思いますが、実はリーグワースト2位の15得点という数字を考えれば、「フィニッシュも含めて、アタッキングゾーンのクロスやクロスの入り方」(高木監督)には向上の余地がありそうです。
勝った湘南は、点が取れそうで取れなかった前半に集中を切らさず、守備陣が破綻をきたさなかったことが「どちらに転んでもおかしくないゲーム」(反町監督)をモノにした要因ではないでしょうか。ようやく底は脱した感があり、「ほとんど横一線」(反町監督)の昇格戦線に再び殴り込む準備は整いつつあるような印象を受けました。 元・AD土屋
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