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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
“苦しい時こそ俺達川崎は共にアツく支えます!!!”。ゴール裏に掲げられた横断幕のメッセージに共感するフットボールファミリーが、公式戦さながらの15241人も詰め掛けた等々力。今日は川崎と横浜FCのチャリティートレーニングマッチに行ってきました。この両チームで等々力といえば、昨年の天皇杯でも延長にもつれ込む激闘を繰り広げた好カード。しかも45分3本というレギュレーションも、色々な選手を見たいという観点からは絶好の機会。今回の震災で亡くなられた方々へ黙祷が捧げられ、キックオフを迎えました。
川崎はGKが杉山。DFは右から田中裕介、井川、横山、小宮山。中盤はドイスボランチが柴崎と稲本で、右に登里、左に中村。2トップには楠神と矢島が並びます。一方の横浜はGKがシュナイダー潤之介。DFは右から藤田優人、森本良、飯尾、宮崎。ボランチはファビーニョと高地で、SHは右が寺田で左がエデル。前線はカイオと藤田祥史のコンビです。ゲームは9分に早くもエデルが負傷交替となり、井手口正昭が入るなど少しフワフワした立ち上がりとなりますが、この雰囲気を切り裂いたのは、開幕戦でもスタメンに抜擢されるなど相馬監督の信頼も厚い登里。10分、中央から左へドリブルで突き進む彼を、横浜はファウルで止めるのが精一杯。川崎がFKを獲得します。キッカーは中村。中央左寄り、ゴールまで25m弱の距離から14番が気持ちを乗せたボールは、右スミギリギリのネットを完璧な軌道で捕獲。GKは一歩も動けないファインゴール。等々力が1ヵ月ぶりの歓喜に包まれました。
畳み掛ける川崎。14分、中村の鋭いスルーパスを右サイドの深い位置で受けた楠神がエリア内へ侵入すると、藤田優人はたまらずファウル。このPKを矢島がGKの逆を突いてキッチリ沈め、2点に差が広がります。以降もチャンスは川崎に多く、攻勢の時間が続く中で、目立っていたのは登里の積極性。1点目に結び付いたようなドリブルはもちろん、17分には田中裕介の横パスをスルーして、そのまま縦に走り、中村からのダイレクトパスをシュートに持ち込むなど、幅広い動きを披露。さらにその登里と、中村、矢島、楠神の4人が流動的に前線を泳ぎ、常にスペースを創って潜ってを繰り返すと、横浜は後手を踏み続ける格好で、一方的な展開となってしまいます。加えて41分には中村のパスを矢島がダイレクトではたいたパスに、後方から走り込んで来たのはボランチの柴崎。バランスも取れて、前へも飛び出せる柴崎の加入は、中村を攻撃的なポジションで使える点においても、大きな効果を発揮していると言えそうです。結局45分間を終えたスコアはそのまま2-0となりました。
2本目の川崎はGKが相澤。DFが右から田中裕介、菊池、横山、小宮山。ボランチが田坂と柴崎。右SHには静岡学園から加入したルーキーの大島僚太で、左SHが楠神。山瀬と久木野に2トップを組ませます。一方の横浜は右SBに柳沢、左SBに中野、左SHに開幕スタメンを勝ち取った中央大出身のルーキー佐藤謙介と3人を投入してきました。メンバーが入れ替わったこともあってか、お互いになかなか攻撃の形が創れない流れの中で、目を引いたのは川崎の大島。昨年の高円宮杯で初めて見た時にも強いインパクトを受けた選手でしたが、57分にはオフサイドとなったものの山瀬に巧みなスルーパスを通すなど、持ち前のセンスを発揮。自然とコールする機会の多くなったサポーターにも、名前を印象付けるようなパフォーマンスを見せていたと思います。
64分には川崎が3人同時投入。伊藤が右SBに、関西大から加入した大学界ナンバーワン左SBの田中雄大が当然左SBに、吉田がボランチに入ります。そしてスタジアム全体が最高潮と言っていい盛り上がりを見せたのは67分。登場したのは4日前、日本中に、そして世界中に存在するフットボールファミリーの魂を激しく揺さぶるゴールを決めたばかりのカズ。スタンドに向けて手を振る役者ぶりに、川崎サポーターからも巻き起こる「♪カズカズカズカズゴ〜ル」のチャント。これにはさすがのカズも「フロンターレの選手に悪いなと思いました」と苦笑いを浮かべましたが、やはり“キング”の存在感は絶大でした。
68分、相馬監督は前線に駒澤大から加入したルーキーの棗佑喜、CBに薗田と、さらに2枚を入れ替えます。この辺りから川崎がややペースを掴み始めると、次のゴールを挙げたのもホームチーム。82分、大島が左サイドからグラスカットの絶妙なパスを送り、最後は山瀬がエリアやや外から豪快なミドルを一刺し。酉年コンビで追加点を奪った川崎が3-0とリードを広げて、2本目は終了しました。
普段なかなか公式戦では見るチャンスの少ない選手が見られるので、個人的にはかなり楽しみにしていた3本目が、実は一番エンターテイメント性に富んでいた45分間。川崎はGKがウズベキスタン遠征から帰国したばかりのU-22日本代表の安藤駿介。DFが右から同じくU-22日本代表候補のルーキー實藤友紀、薗田、伊藤、田中雄大。中盤はボランチに吉田と、桐光学園から加入したルーキーの福森晃斗。右SHが田坂で、左SHが山瀬。FWは棗と、こちらは米子北から加入したルーキー谷尾昴也となりました。横浜はGKが関。DFは右から柳沢、藤田優人、中野、宮崎。中盤は底に佐藤と井手口の大卒コンビで、右が田中雄大と高校の同級生で、同志社大から加入した荒堀謙司。左が野崎。2トップはカズと西田です。
まず先に相手ゴールを脅かしたのは18歳の福森。97分、中央から強烈なミドルを枠へ飛ばすと、直後のCKでも田坂のキックに頭で合わせるなど、CBからボランチへコンバートされた中でシュートへの強い意識を打ち出します。ところが次にゴールが記録されたのは横浜。104分、佐藤のFKはゴール前の密集を抜けると、そのまま右スミへ吸い込まれます。実際はシュートを狙ったわけではなかったと思いますが、SHにボランチと2つのポジションで好パフォーマンスを見せた佐藤へのご褒美ということなら、納得できるようなゴールだったのではないでしょうか。
109分、川崎が2枚替え。再登場の大島と一緒に投入されたのは、U-18に所属する小口大貴。すると左SHに送り込まれたこの16歳は、柔らかいボールタッチと積極的な仕掛けで、大観衆を前に堂々としたプレーを見せ、スタンドを沸かせます。121分には實藤の縦パスに抜け出した棗が、自ら獲得したPKを沈めて点差を再び3点に広げ、こちらもユース所属の萩間大樹が右SBに投入された直後、124分には小口に見せ場。左サイドでボールを持つと、スルスルとドリブルで中へカットインしながら思い切りよくシュート。ボールはクロスバーを大きく越えましたが、その積極性にサポーターからも小口コール。4月29日から始まる関東プリンス2部に向けて、また楽しみが1つ増えました。なお、ゲームは129分、柳沢の右クロスを荒堀が二アでうまく合わせたゴールで打ち止め。4-2で川崎が勝利を収めています。
しかしやはり週末にサッカーがあるというのは、本当にありがたいことですね。カズが「15000人も集まってくれて本当にありがたいし、サッカーはやっぱりいいなとしみじみ感じました」と語った言葉が強く印象に残りました。
AD土屋
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