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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2011年04月16日

TM 横浜FC×草津@西が丘

foot!
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201104161546000[1]nishigaoka.jpg昨日、バルサTVチャンピオンズリーグの収録でJ SPORTSにいらっしゃった平畠さんに教えて頂き、今日は西が丘へ行ってきました。当初のスケジュールではまさに今日の15時キックオフ@正田醤油スタジアムでJ2第7節として開催されるはずだったカード。横浜FCと草津のトレーニングマッチです。この対戦が西が丘で実現するというのは、おそらく今後もまずないと思うので、そういう意味でも非常に貴重なゲームだと言えるでしょう。また、いよいよ再開幕が1週間後に迫ったタイミングとしては、より公式戦に近い意識でのゲームとなるはず。コンコースでも募金活動が行なわれる中、今回の震災で亡くなられた方々へ黙祷が捧げられ、キックオフを迎えました。
横浜FCのスタメンはGKが関憲太郎。DFが右から柳沢将之、パク・テホン、飯尾和也、宮崎智彦。中盤はドイスボランチがルーキーの佐藤謙介と藤田優人で、右SHが寺田紳一、左SHが高地系治。FWは西田剛と藤田祥史です。一方の草津はGKが橋田聡司。DFは右から古林将太、中村英之、有薗真吾、永田拓也。ドイスボランチが松下裕樹と戸田和幸。SHは右が林勇介で、左が熊林親吾。2トップは萬代宏樹とアレックスが並びます。
序盤はまず草津がラッシュ。前線からの積極的なプレスが功を奏し、横浜を押し込みます。6分には左サイド、ゴールまで約30m弱の位置から松下が狙ったFKはカベに当たってゴール左へ。そのCKを熊林が蹴ると、中村の枠へ飛ばしたヘディングは横浜DFが何とかクリア。13分には鮮やかなボール回しから、右へ流れた松下のクロスを熊林がヒールで落とし、萬代がシュート。ボールはクロスバーを越えますが、このシーンにも顔を出した熊林と松下がボールの収め所となり、中盤を掌握した草津は17分にもアレックス、林、アレックスと繋いで、最後は松下の左足ミドルが関を強襲。「15分くらいまではよかった」と松下も話したように、仕上がりの良さを感じさせるプレーを披露します。ただ、先制ゴールを挙げたのは逆に15分くらいまで防戦一方だった横浜。19分、宮崎のドリブル突破から得たCK。高地の蹴ったボールをファーでパク・テホンが叩くと、橋田もよく弾きましたが、こぼれ球を佐藤がプッシュ。ファーストシュートを結果に結び付けました。
最初のピンチで失点を喫した草津も、21分には戸田の縦パスを萬代が落とし、アレックスのミドルは枠を捉えるも、関がファインセーブ。反発力を見せましたが、以降は中盤での優位性をなかなかフィニッシュまで繋げることができずに、少しずつトーンも下がってしまいます。すると、次のゴールを決めたのも横浜。36分、中盤でボールを持った高地はラインの裏へ絶妙なフィード。走った藤田祥史はマーカーを切り返しで軽くいなすと、得意の左足で冷静に流し込むファインゴール。2-0と点差が開きます。ここからは勢いを得た横浜が逆にラッシュ。41分、左から藤田優人の上げたクロスを、ファーで藤田祥史が折り返し、宮崎のシュートは橋田がキャッチ。44分、宮崎のパスを左サイドで受けた寺田がカットインミドルを枠の左へ。45分、佐藤のダイレクトパスから高地のミドルはゴール右へ。藤田祥史へのクサビへ、2列目の寺田と高地や3列目の佐藤がうまく絡んでいく形でリズムを掴んだ横浜が、2点のアドバンテージを得て、1本目は終了しました。
迎えた2本目。横浜は寺田に替えて、ルーキーの荒堀謙次を送り込み、中盤の配置も高地と藤田優人がボランチで、右に荒堀、左に佐藤へシフトします。先にチャンスを創ったのは、ハーフタイムにかなり副島博志監督から檄を飛ばされたという草津。48分、アレックスのスルーパスに抜け出し、GKと1対1を迎えたのは林。ところがシュートを打つタイミングを逸すると右へ流れてしまい、中への折り返しもDFがクリア。最高の決定機もモノにできません。57分も再び草津。何度か積極的なオーバーラップを見せていた古林のクロスがこぼれると、エリア右でボールを拾ったのは林。中央にフリーの味方が控え、ファーサイドも空いていましたが、林の選択は強引なシュート。対峙した飯尾が腹部でブロックし、ここもゴールとはいきません。林は盛岡商業で選手権優勝を経験し、浦和に加入したものの3年間で公式戦出場は6試合にとどまり、今シーズンから完全移籍で加入した21歳。左利き独特のリズムもあり、チャンスにはしっかり顔を出しているだけに、今後実戦経験を積めば草津にとっても強力な武器となりそうな印象を受けました。
さて、前半終盤のいい流れから再び停滞してしまった感のある横浜は62分に選手交替。西田に替わってピッチへ飛び出したのは背番号11。この男の登場には、スタンドも敵味方関係なく大歓声。西が丘も一層華やいだ雰囲気を纏います。すると、直後に横浜が追加点。64分、柳沢の縦パスをゴールラインギリギリで追い付いた荒堀が中へ折り返すと、待っていた佐藤が豪快にゴール右スミへ。開幕スタメンを勝ち取ったルーキーの今日2点目で、スコアは3-0となりました。
決して少なくないサポーターも詰め掛ける中、このままでは終われない草津もようやく66分に反撃。左サイドからロングスローが入ると、こぼれを収めた林がショートパス。これを熊林が難しいタイミングにも拘らず、ダイレクトで右足を振り抜くと、ボールはゴール右上ギリギリをピンポイントで捕獲します。これには草津サポーターも大きな拍手。ようやく紺と黄色の歓喜が広がりました。このゴールも素晴らしかったですが、やはり草津の攻撃における熊林の存在感は絶大。長短のパスを駆使して攻勢劣勢問わず、常に局面を打開する力を発揮していました。ちなみに熊林は試合後、なぜか流れで平畠さんと私に缶コーヒーをおごってくれました。だからという訳じゃないですけど、頑張って欲しいですね。
終盤は両チームとも少しずつメンバーを入れ替えたこともあって、コンビネーションというよりは個での打開が多くなっていきます。68分は草津。フィードのこぼれを拾った萬代のミドルは、鋭い弾道でわずかに枠の左。75分も草津。高地のパスミスをかっさらったリンコンのミドルは関がファインセーブで阻止。なお、リンコンは68分に投入されたばかりでしたが、このシュートで足を痛めて負傷退場。わずか10分弱の西が丘となってしまいました。84分は横浜。中央右からのFK。カズが動かし、高地が止めて、再びカズが狙ったシュートはバーの上へ。87分も横浜。ショートコーナーから野崎陽介のうまく巻いたロングシュートはわずかにバーの上へ。結局、これ以上スコアは動かず、2本目は1対1で終了しました。
3本目は共に大幅なメンバー変更。横浜はGKがシュナイダー潤之介。DFが右から5番の練習生①、森本良、中野洋司、井手口正昭。中盤はボランチが7番の練習生②と14番の練習生③のコンビで、SHは右が荒堀、左が野崎。前線はカズと20番の練習生④。草津はGKが北一真で、114分から伊藤拓真。DFは右から佐田聡太郎、田中淳、御厨貴文、ルーキーの星野悟。ドイスボランチは同じくルーキーの山本啓人と髪を伸ばした櫻田和樹。右SHにU-23所属の横山輝佳、左SHに前田雅文。2トップは山田晃平が少し下がりめに入り、U-23所属の吹田諒と並びます。ゲームは開始早々の92分、右サイドから横浜が崩し、最後は練習生③が豪快にゴール。109分にも横浜がいい形で崩し切り、枠は捉えられませんでしたがカズのシュートへ繋げます。草津は123分、6分前に投入されたU-23所属の白井拓路が上げた左クロスから、前田を経由して、山田のシュートはバーの上へ。131分は横浜。練習生④のパスを受けたカズがシュート。DFの跳ね返りを野崎が狙うも、伊藤がファインセーブ。3本トータルでの結果は4-1で、横浜が勝利を収める結果となりました。
草津は結構メンバーが入れ替わった印象です。昨シーズン終盤に怒涛の4連勝を飾った時の、4試合目の相手が横浜でしたが、「そのゲームと今日の両方でスタメンだったのは俺とクマ(熊林)とアレックスだけですよ」と松下。特にサイドプレーヤーは古林、永田、林といずれも90年代生まれと、かなり若返りました。現状では課題も見え隠れするものの、前述の古林と永田は年代別日本代表も経験していますし、林も含めてポジションをしっかり確保すれば大ブレイクする可能性は十分に秘めています。そしてその3人を初めとした若手の成長が、チームの躍進にとって必要不可欠な要素であるのは間違いありません。

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