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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年11月11日

J1第28節 湘南×大宮@平塚

foot!
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台風の接近に伴って延期されていた第28節の9試合目は、残留争いを繰り広げる18位湘南と14位大宮の対戦。置かれている立場こそ微妙に違えど、共に負けられないゲームなのは間違いなく一緒。特に湘南は平日のナイトゲームにも関わらず、チームをサポートしようとスタジアムへ足を運んだ多くの人たちに戦う姿勢を見せる義務があります。やや冷え込みも厳しくなった11月の仕切り直しは、気温14度の中でキックオフを迎えました。湘南はスタメンを見ても少しシステムが予想しにくい中、ゲームが始まってみると反町康治監督の選択は3-4-2-1。田原の下には、シャドー気味に三平とエメルソン。中盤4枚は右に臼井、左に古林で、中央が田村と坂本。3バックは右から村松、遠藤、山口という並び。最終ラインのセンターには、何と17歳が入ります。ただ、「サイドに1回入った時にちょっと下がり過ぎちゃった」とは遠藤ですが、立ち上がりから概ねうまく守備陣をコントロール。イ・チョンス、ラファエルの大宮が誇る強力2トップにも確実に対応し、まずは立ち上がりの15分を凌ぎ切ります。ところが、その直後に落し穴。中盤でのビルドアップ、チャンスになりかけた所で山口はボールが足に着きません。奪った大宮のカウンターから、ラファエルが村松に倒されFKに。やや右、ゴールまで約25mの距離から金久保の右足が繰り出したキックは綺麗な弧を描き、都築は一歩も動けず。「金久保の直接FKは資料になかったのでちょっと想定外」と苦笑したのは反町監督。「繋ぎの所でミスが出てしまった」と都築。ある程度いい立ち上がりを見せていた湘南でしたが、「つまらないミス」(反町監督)から先制を許す展開になってしまいました。さて、大宮からすれば「湘南とシステムが違って、最初は守備の所でズレがあり、捕まえづらかった」と鈴木淳監督が振り返ったように、やや難しいゲームの入り方となった大宮でしたが、リードを奪うとある程度守備に軸足を置きながら、様子を見るような格好に。32分には、その少し前から勢いが出始めていた湘南に決定機。田原からのパスを受けたエメルソンは左へスルーパス。走り込んだ古林のシュートは、しかし枠を捉えられません。すると迎えた33分、イ・チョンスからのリターンをもらったラファエルは「考える時間はなかったが、わずかだけどコースはあったので」迷わずミドル。これがDFに当たって少しコースが変わると、ゴール右スミへ吸い込まれていきます。内容にそれほど差はなかったものの、前半が終わった時点でのスコアは0-2。今シーズンで複数得点を挙げたのはわずか6試合の湘南。「0-1で折り返せば風向きはこっちに来ると思っていた」という指揮官の思惑も儚く霧散し、手痛いビハインドを負ってハーフタイムへ折り返しました。攻めるしかなくなった反町監督は、後半開始から決断。田村を下げてハン・グギョンを送り込み、攻めの姿勢を鮮明に。「しっかりポゼッションはできていた」と遠藤が振り返れば、「前節よりも攻める内容はよかった」と都築。決して悪くなかった湘南は、56分にこそイ・チョンスに決定的なシーンを創られながらも何とか凌ぐと、60分には三平に替えて、「やりきることが少なかったので、それを意識した」という阿部を投入。より前への意識を打ち出します。64分には、中盤でエメルソンがボールカット。田原とのワンツーからエリア内へ侵入するも、切り返して放った左足シュートは弱く、GK北野がキャッチ。68分にも坂本、エメルソンと繋いで、田原のミドルはバーの上へ。2点が重くのしかかります。そして70分にゲームは決着。右サイドから金久保が入れたFK、湘南ディフェンスのクリアは高く舞い上がり、こぼれ球を藤本がうまいボレー。これが左ポストに当たった跳ね返りを深谷が体で押し込みます。「大宮は36%セットプレーから点を取っている」(反町監督)と十分警戒しながらも、結局「セットプレーとロングシュートにやられた」(遠藤)結果に。0-3。緑と青の勇者を信じるサポーターには、辛い展開となってしまいました。ホームチームがようやく一矢を報いたのは90分。左サイドからエメルソンが蹴ったボールを、バックヘッド気味にゴールへ流し込んだのは、「ジャーンと2つのゴールを約束していた」という阿部。その約束の半分は果たしたものの、反撃もそこまで。「我々に多大な貢献をしてくれたジャーンを、いい形で送り出そうという話をした」とは反町監督ですが、4年間DFラインを牽引し続けたJ1昇格の功労者とのお別れは、何とも寂しい幕切れとなってしまいました。大宮は序盤こそ少し混乱したとはいえ、先制後はうまくゲームをコントロール。前節の山形戦に続き、残留に向けて大きな大きな勝ち点3を獲得しました。「2勝したのがどう出るかは予断を許さない状況」と鈴木監督は気を引き締めますが、これで15位FC東京、16位神戸との勝ち点差は5。わずかながら有利な立場に躍り出たと言えるでしょう。一方、ゲーム終了後にはゴール裏のサポーターから「プライド見せろ」コールを浴びてしまった湘南。11シーズンぶりに帰還したJ1からの降格は、早ければ次節に決まってしまいます。「やろうとしている気持ちは変わらない」と都築。「プライドを持って戦うしかない」と反町監督。“プライド”という何とも抽象的なモノが、今この状況だからこそ問われています。    AD土屋




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