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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年09月19日

J1第23節 湘南×川崎@平塚

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前節の敗戦を受けて、屈辱の最下位転落となった湘南と、優勝が遠のく7位転落となった川崎。お互いに3連敗同士と負のスパイラルに歯止めを欠けたい一戦は、終わってみれば「スピードと技術の差が結果に表れた試合」(湘南・反町康治監督)となってしまいました。26.1度という数字以上に秋の訪れを実感するような気候の中で始まったゲーム。まず布陣を確認すると湘南は3-4-3。「典型的な2トップに後手を踏むようなディフェンスをしていた」(反町監督)ことから、ハッキリと3バックで2トップを見るような形を採ったホームチームでしたが、その効用を確認する間もない3分で牙を剥いた川崎。左サイドからヴィトール・ジュニオールがドリブルでスルスルと持ち上がり、強烈なシュート。野澤もよく弾きましたが、詰めていたジュニーニョがあっさりプッシュ。あまりにも呆気なく先制ゴールを奪ってみせました。当然、ここ9試合勝てていないという状況の湘南にすれば「早い段階の失点で動揺があった」(村松)のは間違いなく、この後も「3バックがずっと後ろに張り付いて、ボランチの前にプレスが掛からないからディフェンディングサードまで簡単に運ばれる」(反町監督)シーンが多発。正直、川崎のやりたい放題に近い光景がピッチ上で展開されます。そして21分には、ヴィトールからパスを受けたジュニーニョが、黒津との素早いワンツーから抜け出し、確実に右スミへフィニッシュ。まるで先日カンプノウで見た、バルサ×パナシナイコスでメッシが決めた3点目のようなゴラッソ。早くも2点差が付いてしまいます。この1点目から2点目までの、真綿で首を絞められるような時間帯に関して、GKの野澤は「2失点目の前に相手のプレッシャーを感じて、その部分で立て直せなかった」と振り返り、反町監督は「残念ながらDF陣はパニックになってると思う」と述懐。湘南にとっては苦しい時間が続きます。26分にはクロスバーが、30分には野澤が阻んだものの、今日が誕生日の稲本が高精度ミドルを続けて2発お見舞いすると、たまらず反町監督も右から島村、村松、山口、小澤が並ぶ4バックにシフトしましたが、34分には3失点目を献上。阿部がボールを奪われた所から川崎のカウンターが発動。黒津が左へ送り、ヴィトールのクロスを、寄せの甘い相手の対応を嘲笑うかのように悠々と胸トラップで収めたジュニーニョは、悠々と華麗なループを左スミへ流し込み、前半だけでハットトリック達成。湘南も41分にほとんどゴールが生まれる匂いのしない状況から、寺川が強烈なミドルをねじ込んだものの、スコアは1-3。湘南には厳しい内容と結果で、45分間は経過しました。後半は頭から田原とユース所属で今日がJリーグデビュー戦だった遠藤航に替えて、ヴァウドとエメルソンを投入した湘南。「あの2人は果敢に出ていくような気持ちを出していた」とは野澤ですが、残念ながら大勢に変化なし。53分、ヴィトールのCKから黒津のヘディングが左ポストに当たると、その1分後、ジュニーニョのうまいフェイクからマイナスの戻しに、中村もワンフェイク入れて、エリア外から豪快なミドルを一刺し。1-4と再び3点差。そして、60分からの15分間はこのゲームの中で、最も川崎がかさに掛かって怒濤の攻撃を繰り出した時間帯。66分にはヴィトールのスルーパスから、抜け出したジュニーニョがうまいループ。67分にはヴィトールのCKから、こぼれ球を拾った田坂が強烈なボレー。73分には小宮山のクロスから中央でどフリーのジュニーニョがボレー。74分にはヴィトールが4回近い切り返しで対面のDFを翻弄し、受けた小宮山もワンフェイクからミドル。この4本のシュートはいずれも枠を捉えていましたが、いずれも「何があっても自分の仕事をしっかりやりたい」と言う野澤が“超”を付けてもいいようなファインセーブを繰り出し、ゴールを死守します。しかし75分、野澤を撃ち抜いたのはヴィトールの25m近い弾丸ミドル。これで1-5。77分にはヴァウド、エメルソンと繋いで、寺川が場内アナウンスもゴールと勘違いする程、強烈なシュートをサイドネットに突き刺しますが、惜しくも外側部分。そしてトドメの6点目は88分、中村の縦パスを途中出場の谷口が戻すと、小宮山はいわゆる左45度の“小宮山ゾーン”からスピードのあるコントロールショットを右スミに。湘南は今シーズン最多失点タイ、川崎は今シーズン最多得点。1-6という衝撃のスコアで、川崎が連敗を3でストップさせる結果になりました。勝った川崎は「前半の1失点が余計」(高畠勉監督)とはいえ、ほぼ満点のゲームでしょう。今後に向けて色々なパターンからのゴールが生まれたのも収穫。多数詰め掛けたサポーターにとっても大満足の夜になったのではないでしょうか。敗れた湘南は「目の前の選手に打たれて入っているゴールが何本もあった。DFの1対1の部分でも甘過ぎた」と野澤が話せば、「シュートモーションの時に誰も寄せてない。プレッシャーに行ってない部分が多かった」とは村松。確かに後半の3ゴールはその面が顕著に出た失点でした。ただ、それ以上に厳しいなと感じるのは、選手たちから気力が伝わって来ない点でしょう。個人としても、チームとしても相当差があったのは事実ですが、それだけ川崎と差があるチームはJ1にも他にいくつかあると思います。それでもここまで一方的にやられるチームはなかなかないはず。もはや気持ちが切れているなら、結末は決まってしまいます。残り11試合、チームはサポーターに何を見せてくれるでしょうか。    AD土屋




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