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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
48ポイントで順位表の一番上をキープし続けている柏。そこから離れること4ポイント差で首位を追走する甲府。23節にして訪れたJ2頂上対決にふさわしく、試合前から両ゴール裏が魅せ合います。まずは柏サポーターによる、この両チームが繰り広げてきた対戦の歴史には欠かすことのできないバレーのフラッグ披露に対して、甲府サポーターがバレーのチャントを合唱。そして柏サポーターの“柏バカ一代”に、手拍子で応える甲府サポーター。加えて「柏レイソル」コールを繰り出した甲府サポーターへ、メインスタンド、そしてバックスタンドから巻き起こる拍手。かつてないほどに素晴らしい、フットボールを愛する日本人として世界に誇れるような雰囲気の中で、ビッグマッチはそのキックオフを迎えました。ゲームが始まると、まず目に付いたのは柏のシステム。「相手に研究されているので、我々は戦術のバリエーションを持つべき」と語るネルシーニョ監督が選択したのは、中盤をダイヤモンドにした4-4-2。「相手の意表を突く意味もあったと思う」とは、いつものボランチではなく左SHに入った大谷秀和ですが、この形で自由を謳歌したのはダイヤモンドの頂点に入ったレアンドロ・ドミンゲス。5分に積極的なミドルを放つと、13分にはやはりレアンドロのスルーパスに抜け出した澤昌克の折り返しを、林陵平が左足アウトでフィニッシュ。ボールはクロスバーを越えましたが、まず最初の15分間はホームチームが圧倒的攻勢に打って出ます。15分を過ぎても、大きな流れは変わらず柏ペース。たまらず、甲府の内田一夫監督も「前半の途中からトップ下の養父(雄仁)と(3トップ左の)パウリーニョのポジションを変えて、相手のCB2枚にプレッシャーを掛けて、DFラインを下げないようにした」ものの、大枠の流れに変化をもたらすまでには至りません。攻撃面でもハーフナー・マイクはパク・ドンヒョクにほぼ完璧に封じ込まれ、前述の通り養父、途中からはパウリーニョと3トップ下に入った2人もボールを引き出せず、手詰まりに。シュート数こそ柏の6に対して甲府は4でしたが、内容では「マッチアップの隙をうまいこと突かれた」(内田監督)甲府を柏が圧倒するような形で、前半の45分間は経過しました。迎えた後半も47分にレアンドロからパスを受けた村上佑介のクロスから、最後は澤がフィニッシュを取って勢いを持続させると、54分にとうとう甲府決壊。レアンドロの左CKを林が体を伸ばして頭で折り返すと、飛び込んだ村上のヘディングはフワリと緩やかにゴール左スミへ吸い込まれます。決定力に定評のあるSBの一撃で柏が先制すると、2分後にも流れそのままに追加点。林が左に出したボール、対面にいた甲府右SB津田琢磨のアプローチがやや遅れると、1対1の主導権を握った橋本和は仕掛けてから中へ。受けた林はワントラップから素早く左足のトーキック気味にシュートを放ち、ボールは右ポストの内側を叩いて、ゴールの中へ。前節途中出場で2ゴールと結果を出して、スタメンを勝ち取ったストライカーが今日も躍動。わずか2分間で、柏のリードは2点に広がりました。さて、アウェイで小さくないビハインドを負うことになった甲府。59分にはパウリーニョのパスからハーフナーが決定的なシュートを放つも、GK菅野孝憲が顔面でストップ。点差は詰められません。内田監督は61分に大西容平とマラニョン、70分に津田と柏好文を相次いでスイッチ。空いた右SBには「スペースがあった時にボールを運べるし、ブラジル時代にやっていた」ダニエルを回し、CBには秋本倫孝を1列落として、ハーフナーの下には右から柏好文、パウリーニョ、マラニョンを並べた4-2-3-1が反攻態勢を敷く布陣になります。しかし、74分には柏に絶好機。カウンターからレアンドロが完全に抜け出し、最後は途中出場のホジェルがネットを揺らして、ジ・エンドかと思いきや、副審はオフサイドと判定。3点目とはいきません。するとその1分後、バックスタンド側でハーフナーにタックルを仕掛けた村上へ、佐藤隆治主審はイエローカードを提示。64分に1枚目をもらっていた村上はこれで退場となり、残り15分を柏は10人で戦うことになりました。ただ、ネルシーニョ監督はすぐに澤を下げて、小林祐三を投入。「クリさん(栗澤僚一)がパウリーニョにマンツーマン気味で付いて、僕と林がその穴埋めに動く」(大谷)ような、実質4-1-3-1のような形で数的不利に対応し、終盤まで決定的なピンチは創らせずに、時間を潰していきます。ところが86分に「対策の取りようがない」(大谷)飛び道具が炸裂。左サイドで右足へ持ちかえた柏好文のクロスに、競った橋本の遥か上から打ち下ろされたハーフナー砲は、ゴール左スミに見事命中。2-1。アウェイゴール裏はにわかに活気付きます。このアシストで気を良くした柏好文は、88分にも右サイドを鋭いドリブルで抜け出し、ここは佐藤主審がアドバンテージを適用しなかったために決定的なシーンを潰されてしまいますが、直後にもう一仕事をやり切ります。もはや正規の時間は経過した91分、一瞬の隙を突く養父のスルーパスに反応した柏好文は、飛び出した菅野の上を抜く右足アウトでシュート。DFが懸命にカバーしましたが、最後はハーフナーが「気持ちで」プッシュ。敗戦濃厚の窮地から甲府生還。2-2。J2首位攻防戦は両者譲らず、勝ち点1を分け合う結果になりました。甲府は90分間の大半で抑え込まれながら、終わってみれば2ゴールを挙げたハーフナーもさすがでしたが、そのハーフナーも「流れを変えてくれた」と言及した、実質2アシストの柏好文が光ります。内田監督も「持ち味のスピードを生かしてくれた」と称賛したように、果敢な姿勢が同点劇を呼び込んだのは間違いない所。追い付いてみせたメンタリティの強さに、ルーキーの活躍。甲府にとって意義の大きい勝ち点1と言えるのではないでしょうか。柏のターニングポイントは、やはり村上の退場。「11人の時は相手にチャンスを創らせなかった」とネルシーニョ監督が振り返ったように、75分までに許した決定機は1回。それだけに「少しズレが出てきたのは感じていた」と大谷の言う75分以降が悔やまれます。それでも「最終的に引き分けで、2位との差を縮められることなく首位をキープした」(ネルシーニョ)のも確か。真夏の日立台決戦は、その前評判に違わぬ好ゲームでした。 AD土屋
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