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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月14日

J2第22節 千葉×熊本@フクアリ

foot!
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1-1のドロー決着となった開幕戦の再戦。現在昇格圏内の3位に入っている千葉は、再開後の4試合で1勝2分け1敗とやや足踏み状態。4位の福岡も3ポイント差とすぐそこまで迫っており、ヒリヒリした戦いが続いています。一方、千葉を5ポイント差で追い掛けるのは6位の熊本。昨シーズン崩壊した守備の整備を、高木琢也監督は就任1シーズン目で着々と推し進め、前半戦終了時点で昇格争いに食い込むまでチーム力を押し上げています。お盆開催の上位対決は10435人を集めたフクアリにて。開始55秒、櫛野亮のキックを直接受けた谷澤達也が、ワントラップボレーを枠へ飛ばしたシュートを号砲に、序盤から千葉がラッシュ。6分、千葉のカウンターは3対3、右の谷澤は左でフリーの深井正樹へ送るも、深井はトラップミスでシュートを打てず。8分、谷澤、アレックスと繋いで、佐藤勇人のシュートはDFがブロック、工藤浩平のシュートはバーの上へ。11分、ショートコーナーからアレックスが狙ったミドルは、南雄太がこぼすも何とかCKに逃れた熊本。千葉が早々にゲームの主導権を握ります。ただ、「千葉に流れが傾くのはだいたい予想できていた」とは高木監督。中でも「トップ下の谷澤をどう抑えていくか」(高木監督)というキーポイントにも関わらず、序盤は谷澤を自由に泳がせてしまったため、10分過ぎから基本は「ダブルボランチでうまく受け渡しながら」(同)、前へ出てこられた時には、CBに受け渡してケアすることを徹底。すると、押し込まれる展開は変わらないものの、徐々に危ないシーンの数は減少していきます。また、千葉の江尻篤彦監督が施した配置転換も、特に前半は結果的に奏功しなかった格好に。ここ最近は佐藤とのドイスボランチを組んでいた工藤を3トップの右へ起用し、佐藤のパートナーには7試合ぶりのスタメンとなる山口慶が起用されましたが、押し込む時間帯が長い中で、熊本の1トップ下に入った松橋章太が完全に消えていたことで、山口の特徴である守備面でのタスクもそれほど多くなかった印象です。すると、攻撃面では「監督からあまり出ていくなと言われていた」(山口)とはいえ、工藤と比較すればやはり物足りない部分は否めず、その工藤もそこまでサイドから決定的なシーンを創り出せなかったこともあり、熊本のCB福王忠世も「工藤くんはいい選手だけど、真ん中にいた方がイヤだった気はする」と振り返っていました。29分にゴール前のこぼれ球から谷澤が放った決定的なシュートも福王が体を張ったブロックで、ゴールを死守。39分には右SBに入った青木良太の左足フィードへ、斜めに走り込んでラインブレイクしたネットのダイレクトボレーは遥かバーの上へ。シュート数は11対3と圧倒的に千葉が攻め立てながら、ゲームは動かず。スコアレスで45分は経過しました。さて、動き自体は精力的だったものの、イージーなミスが目立った深井に替わって、後半開始から倉田秋が投入されると、47分にはその倉田を起点に、谷澤がファウルは取られましたが惜しいチャンスを創出。50分には佐藤の鋭いアーリークロスにネットと倉田が飛び込み、わずかに届かなかったとはいえ、やはり千葉が一層勢いを増していきます。そして51分、バイタルに潜り込んだ谷澤のスルーパス、反応したネットに南が飛び込み、ボールを押さえたかのように見えましたが、扇谷健司主審の判定はPK。「僕自身は少なくともファウルではないと思っている。アンラッキーなジャッジメント」と高木監督も言及するほどデリケートなシーンではありましたが、判定は判定。ネットが力強くゴールに突き刺し、千葉が1点をリードしました。さて、「リトリートして守っている限りは、先に失点したくなかった」(福王)熊本。53分には平木良樹を下げて西弘則を、66分には松橋を下げて藤田俊哉を投入し、変化を付けて1点を奪いに出ていきます。前半から1つポイントになっていたのは、右SBの筑城和人。28分にチーム初シュートを記録し、34分には平木、カレンと繋いで、西森正明が上げたクロスに、シュートこそ打てなかったものの果敢に飛び込み、48分にも平木、吉井孝輔、カレンと流れるようなパスワークからフィニッシュを務めるなど、積極性を打ち出します。ただ、逆に言えば4-2-3-1の前線4枚でシュート合計1本では、ゴールに迫れないのもやむなし。なかなか追い付くことができません。すると、終了間際の88分にゲームを決めるゴールが千葉へ。アレックスのFKを福王が懸命に頭で掻き出すと、ボールは熊本DFへ当たり、緩やかな軌道のままにゴール右スミへ吸い込まれます。結果、ハーフタイムに「必ず点を取って帰ってこい」と飛ばされた指揮官の檄に応える2ゴールを挙げてみせた千葉が、しぶとく勝ち点3を奪取しました。敗れた熊本は「ほぼ完璧とはいかないまでも、狙いの守備はできていた」と高木監督が話したように、守備面では劣勢の中でも集中して耐えることができていただけに、あとはやはり攻撃面。新加入のカレンもワンタッチで捌く正確なポストプレーは機能していただけに、次は彼に前を向いて勝負させる形を周囲がどう創っていくかが、得点力向上の鍵になりそうです。勝った千葉は「もう少し楽なゲーム展開にできた」と江尻監督が触れた通り、前半に1点でも入っていれば確かに余裕を持ってゲームを運べたとは思いますが、今は勝ち点3が最重要。PKにオウンゴールとはいえ、しっかりゼロに抑えて勝ち切ったことが何より次戦以降に繋がるのではないでしょうか。個人的にはFoot!でもお馴染みの西部さんが監督会見で「話せる範囲で」と尋ねた質問に、江尻監督が本当に話せる範囲のミニマムで答えたのが面白かったです。    AD土屋




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