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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月02日

J1第16節 湘南×清水@平塚

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13節の京都戦には勝ったものの、ここ2試合はFC東京、名古屋に連敗。なかなか降格ゾーンから抜け出せずに苦しい戦いが続く湘南ですが、それでも中断明け以降は「まだまだ全然よくはないけど、だいぶ慣れては来た」と語る中央大学在学中の特別指定選手、永木亮太を据えたドイスボランチに、その前へ3枚を並べる4-2-3-1に変更してから、全体のバランスはよくなった印象です。対する清水は、ここ2試合こそ名古屋に3-3、C大阪に3-2とハイスコアのゲームが連続したとはいえ、特に最終ラインはメンバーが入れ替わっても、常に一定以上のパフォーマンスを披露。ここまでわずか1敗は、上位チームにふさわしい安定感と言えるでしょう。さて、ゲームは小野の強烈な30mミドルに辛うじて都築が触り、左のポストを叩いた3分のシーンが、パルちゃんがいなくても成り立つエスパルスショー開演の号砲。その1分後、ズルズルと下がってしまった湘南のDFラインを尻目に、左サイドから兵働が中へ送ると、村松ともつれながらルーズボールを拾ったヨンセンのシュートは、懸命に反応した都築の手を弾いて、ゆっくりとゴールへ吸い込まれます。勢いそのままに10分、小野が悠々と中央をドリブルで持ち上がって左に付けると、寄せ切れなかった臼井との間合いを見透かしたような、兵働の25m近いミドルがゴール右スミへ一直線に突き刺さり、早くも2点目。止まらない清水。12分、右サイドで藤本とのパス交換から市川のクロス、密集の中をヨンセンが体に当てると、岡崎が泥臭く押し込んで3点目。わずか12分間で0-3。アウェイゴール裏のオレンジ軍団を除いて、スタジアムは静まり返ります。この立ち上がりの清水はボールも回り、シュートチャレンジも積極的で、あらゆる面において湘南を圧倒。凄味すら感じさせるハイパフォーマンスでした。逆に、「失点してしまったからかはわからないが、重心が後ろに行ってしまっていた」(湘南・反町康治監督)湘南は、永木も「DFラインも引いちゃって、プレッシャーが全然掛けられなかった」と振り返ったように、ピッチ上のあらゆるポジションで後手を踏んでしまい、相手への距離を詰め切れないまま、自由にパスやドリブルを許してしまう格好に。また、今日は2トップの一角に入った中村も「はっきりファーストディフェンスが行けなかった。そこも甘さが出た」と言及。前と後ろの意識も統一しきれなかったようです。攻撃の手を緩めない清水は、18分にも太田の左クロスから、ヨンセンと岡崎が絡んで兵働のフィニッシュに繋げると、19分にも小野のヒールパスを受けた藤本がわずかに枠を逸れる惜しいシュートをお見舞い。そして26分、フリーの藤本からフリーのヨンセンへボールが渡り、エリア内で岡崎がキープしてリターン、ヨンセンは大きな切り返しから左足一閃。0-4、信じられない点数がスコアボードに浮かび上がりました。さて、圧倒的劣勢の湘南で、一人気を吐いていたのは4試合ぶりのスタメンとなった中村。やや左右のスペースに流れがちなヴァウドとのコンビに「悪くなかったけど相手のラインが浅いんで、2トップの(連携した)動きで勝負したいのはあった」という思いを抱える中、14分、17分と中央に構えて2本のフィニッシュ。そして41分にはその中村が左サイドへ流れてキープすると、SBの島村が追い越して中へ。エメルソンが右スミに流し込み、1点を返すと、2分後にもカウンター炸裂。清水のCKをクリアしたボールにエメルソンが反応。左サイドを独走してパスを出すと、後ろから全速力で飛び出した永木が山本真希をかわして折り返したボールに、中村が突っ込んでプッシュ。やや緩んだ清水の隙を見逃さずに、3分間で2点を奪取した湘南。結局2-4という、なかなか凄まじいスコアでハーフタイムに入りました。楽勝ペースから一転、2点差へ詰められた長谷川健太監督に沸き上がる怒り。「前半自分たちの何がよくなかったのか分かっているはず。集中力が切れている。(3点奪ってから2点を返された)セレッソ戦と同じことを繰り返すのか。それでは成長がない!絶対に受けに回るな!!」と喝を入れ直します。すると再びネジの締まった清水は51分、市川の低いクロスにヨンセンが二アでダイビングヘッド。自身ハットトリックとなる一撃で点差を3点に広げると、54分にはヨンセン、兵働と繋いで、最後は藤本が決して悪いポジショニングではなかった都築の頭上を華麗に破る、圧巻のループ。「後半もいい入りができた」と指揮官も納得の2発で、2-6と再び4点差。勝負は決しました。それでも湘南は終盤に一矢。86分、流れるようなパスワークで馬場、田原が絡み、永木のラストパスはエメルソンへ届くと、確実にゴール。「ボールを動かしていけてファインゴールだった」と反町監督も振り返る3点目で今シーズン最多得点を記録しましたが、同時に奪われた6失点も今シーズン最多。よりチームとしての修正力を見せ付けた清水が、「ジェットコースターのようなゲーム」(長谷川監督)を制して、次節は首位の鹿島に勝ち点差1の2位として挑みます。湘南は「かなりボールも動くようになってきた」と反町監督が話したように、攻撃面は悪くなかったと思います。エメルソンも「周りを生かしながら、かなり攻撃のテンポを創れた」(反町監督)のは間違いない所。だいぶチームにフィットしてきました。ただ、それもしっかりした守備があってこそ。今日のことは忘れた方がよさそうですね。勝った清水は「もう少し大人のサッカーをしたいが、まだまだそういう力はない。90分間力を抜かずにやることをやり続けるしか強くなる道はない」と長谷川監督。ただ、3失点こそしましたが、今シーズンスタートからは初めてアンカーに入った山本真希も、守備に軸足を置いてしっかりバランスを維持。チーム全体も守から攻への切り替えが速く、迫力ある攻撃に繋げていくスピードとパワーはJ1屈指でしょう。次節が今から楽しみですね。     AD土屋




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