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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年08月23日

高校選手権東京都第3地区予選決勝 東京朝鮮×駿台学園@赤羽スポーツの森

foot!
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冬の風物詩とも言える“センシュケン”。しかし、参加校の多い都道府県では真夏のこの時期から地区大会などがスタートしています。東京も今月中旬から都大会進出を懸けた地区予選が開幕。既に冬にはおろか、秋にまでも届くことを許されなかった多くの敗者が生まれているんです。今日のゲームは、地区代表を決定する決勝戦。カードも東京朝鮮×駿台学園と、共に違うブロックながらT-2で上位に付ける実力校同士の激突。会場は、炎天下の赤羽スポーツの森運動公園球技場です。ゲームが始まると、まず東京朝鮮がロングボールを多用し、フィジカルを前面に押し出してラッシュ。駿台を自陣へ釘付けにさせます。ただ、「こういう試合なのである程度ロングボールを蹴られるのは仕方ないかなと思っていた」とは駿台の浦田尚希監督。選手たちも最初の5分間を懸命に耐えると、キャプテンの鈴木俊匡(3年)が鋭いドリブルからFKを獲得。この好機に山口隼人(2年)が蹴ったボールは、ニアに飛び込んだ中島健太(2年)の頭にドンピシャ。劣勢だった駿台が、6分のファーストチャンスで見事に先制ゴールを奪ってみせました。さて、逆に押し込む中で失点を喫した東京朝鮮は、ロングボールを放り込むスタイル継続。セカンドホールを拾ったドイスボランチのリ・リョンス(3年)とハン・ホチョル(3年)がミドルレンジから果敢にシュートチャレンジを見せるなど、攻撃的な姿勢は崩しません。20分にはGKパク・シンサン(3年)のキックにキャプテンの左SBホ・リャン(3年)が反応して決定的なシーンを迎えますが、ここは駿台GK若目田新(3年)がファインセーブで立ちはだかり、同点とはいきません。相手の長いボールになかなか自分たちでボールを持つ時間を創れない駿台も、徐々に鈴木と中島の両ワイドに収めて、サイドから仕掛ける意識は窺え、26分には中島のクロスにCFの井出大貴(3年)が長い滞空時間から、コースを狙ったヘディング。これはパク・シンサンがファインセーブで逃れ、スコアは動かず。34分には再び東京朝鮮に決定機。裏へのボールから完全に抜け出したカン・グァン(2年)がGKと1対1になったものの、ここも若目田が素晴らしい反応でシュートストップ。全体的には東京朝鮮が押し気味ながら、駿台が1点をリードして35分間は終了しました。後半開始から東京朝鮮は大きく動きます。左SHのユ・タク(3年)に替えて、キム・スンチョル(3年)を左SBに投入。両SBのキム・ミョンソン(3年)とホ・リャンが2トップに入り、FWだったカン・グァンが右SBへスライド。高さというより、馬力を持った前線で勝負に出ます。それでも「偵察していたので布陣変更も予想はしていた」と浦田監督。47分にはリ・リョンスのFKが伸びて、何とか若目田が掻き出したシーンや、53分には途中出場のオン・ソンテが惜しいコントロールシュートを放ったシーンはあったものの、2トップにはCBの新井優太(3年)を中心に粘り強い守備で自由を許しません。すると55分、ラインの裏に出たパスを小出が執念でヘディング。ボールはGKの手を弾いて、ゆっくりとゴールネットへ到達。その後で繰り出した10点満点のバク宙を見てもわかるように、高い身体能力を誇るCFの追加点。駿台がリードを広げました。追い込まれた東京朝鮮の反撃は63分。ピッチ中央でホ・リャンからのパスを、リ・リョンスは左足アウトでDFの頭上に浮かす巧みなラストパス。キム・ミョンソンがボレーで豪快に叩き込み、ようやく1点を返します。残された時間は7分。ここからは勢いを得た東京朝鮮の猛攻。65分、右サイドから途中出場のリ・トンジュン(2年)が上げたクロスに、オン・ソンテがダイビングヘッドもゴール左へ。66分にも、キム・ミョンソンの横パスから、ホ・リャンのミドルは枠の左へ。水際で踏みとどまる駿台も、苦しい時間が続くとはいえ、運動量は衰えません。もはや規定のフルタイムも超えた72分、東京朝鮮のラストチャンス。後方からのフィードにキム・プンドク(3年)がフリーで抜け出し、若目田と1対1。スタジアム中が息を飲んだ次の瞬間、勝負に勝ったのは若目田。「東京でも上位のチームとの対戦なので、ベスト8やベスト4を懸けた試合のような気持ちで臨んだ」(浦田監督)駿台がリードを最後まで守り切り、堂々地区代表の切符を勝ち取りました。駿台は1人1人の技術も高く、中盤でボールを動かすこともでき、守備面でも球際に強く行ける、よく鍛えられたチーム。浦田監督は「この勝利は嬉しいですけど、目標は東京代表ですから」と力強く話してくれるなど志も高く、都大会にも注目したいと思います。まだまだ残暑も厳しく完全に日焼けしましたが、それでも足を運んだ甲斐のあった、讃えられるべき熱戦でした。     AD土屋


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