デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2010/07

S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年07月30日

第34回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会準決勝 名古屋U18×柏U-18@ニッパ球

foot!
  • Line

夏の高校サッカー部がインターハイなら、夏のクラブユースは“クラ選”。そう、Jの下部組織も街クラブも全部ひっくるめた夏の祭典が、このクラブユース選手権という訳です。40分ハーフのグループリーグ3試合と準々決勝までは福島のJヴィレッジで行われ、準決勝が行われる今日から会場を三ツ沢に移して、真夏の王者を決することになります。第1試合は、グループリーグでも既に対戦していた名古屋U18と柏U-18の再戦。5日前に行われたファーストラウンドでは、柏が2-1で勝利。リベンジか、はたまた返り討ちか、興味深いカードです。名古屋はU-17日本代表の高原幹(2年・名古屋U-15)に、奥村駿(3年・岐阜VAMOS)と前線の軸を共に負傷で欠きながら、ここまでの4試合で15ゴールと攻撃は破壊力抜群。中学3年の北川柊斗(庄野ジュニアSC)が、ここまですべて途中出場ながら4ゴールとラッキーボーイになっています。対する柏は、4試合中3試合が1点差の勝利。チームが挙げた6ゴールの内、5ゴールを山嵜駿(3年・柏U-15)が挙げており、注目が集まります。名古屋は中盤ボックスの4-4-2、柏はユース定番の4-3-3でスタートしたゲームは、共にDFラインでのポゼッションに時間を掛けますが、攻撃に移るアプローチは対照的。まずサイドに付けて、そこからショートパスやドリブルを繰り出す名古屋に対し、「立ち上がりはあんまりリスクを負わずに」という下平隆宏監督の意図を汲んでか、単純に山嵜を走らせるような長いボールを放り込んだ柏。両者はなかなか噛み合わず、9分に小幡元輝(3年・名古屋U-15)が強烈なミドルを枠に飛ばし、柏GK増川翔太(3年・柏U-15)にファインセーブを強いたシーン以外は、ほとんどチャンスらしいチャンスが生まれない展開に。この流れを一変させたのは1本のFK。26分、左サイドはゴールまで20m強の位置から山中亮輔(2年・柏U-15)が直接狙ったボールはクロスバーの上をなめて外れましたが、ここから柏がラッシュ。28分には山嵜の落としから、仲間隼斗(3年・柏U-15)が放ったシュートはDFに当たってバーの上へ。さらにそのCK、キッカーの熊谷達也(3年・柏U-15)はゴール前の密集を外してマイナスへ蹴ると、相馬大士(3年・柏U-15)はワントラップから力の抜けたボレーをクロスバーにぶつけます。先制ゴールこそ入らなかったものの、これでようやく落ち着いた柏は少しずつボールも繋がり始め、40分にも仲間がエリア内で1人かわして惜しいシュートを放つなど、完全にペースを掌握。対する名古屋は小幡に入った時こそチャンスの萌芽も窺えますが、それ以外に有効な手立てが見えず、可能性を感じさせたのは40分に近藤洋史(3年・シルフィードFC)の正確なフィードへ、飛び込んだ加藤翼(2年・名古屋U-15)がわずかに届かなかったシーンくらい。柏がいいリズムを掴んで、前半は終了しました。後半はかなり膠着した時間が続きます。名古屋は59分、川村啓輔(2年・名古屋U-15)のパスを小幡がミドルレンジからダイレクトで狙い、増川にキャッチされましたが、これが後にも先にも後半唯一のシュート。60分に川村と替わって投入された186センチの長身FWの大西勇輝(3年・FC岐阜JY)も、その5分後に小幡からのパスで抜け出しかけたものの、柏DFの素晴らしいカバーリングでシュートまで至らず。76分には満を持して北川が登場しても、流れは変わりません。では、柏がそんな名古屋を尻目に一方的な攻勢の時間帯を創ったのかと言えば、決してそんなこともなく、なかなか観客が思わず腰を浮かせるようなシーンのないまま、時間ばかりが経過していったというのが実情です。それでも下平監督も次々とカードを切り、77分には右からのクロスがエリア内で混戦になった所を、途中投入された蓮沼翔太(2年・柏U-15)がGKの飛び出したゴールへ蹴り込みますが、カバーに入った名古屋DFがクリア。87分には山嵜がうまく抜け出してGK古川真大(3年・名古屋U-15)と1対1を迎えましたが、ここは古川が立ちはだかり、ゴールを許しません。90分で決着付かず。ファイナル進出の行方は10分ハーフの延長戦に委ねられます。延長は完全な柏ペース。94分、途中出場の杉田祐希也(2年・柏U-15)、山中と繋いで、持ち込んだ山嵜のシュートは古川がストップ。99分にも杉田からのパスを、こちらも途中出場の峯勇斗(3年・柏U-15)が枠に飛ばします。延長後半に入って102分、セットプレーの流れから、杉田、蓮沼と回り、最後はCBとしてチームを引き締めていた秋野央樹(1年・柏U-15)が至近距離から狙いましたが、ここも古川が驚異的なファインセーブ。109分、ルーズボールに飛び出した古川のクリアが小さく、熊谷ががら空きのゴールへ頭で流し込むと、これは奥山政幸(3年・名古屋U-15)が懸命に戻ってクリア。チャンスは与えてもゴールは与えないとばかりに、必死のディフェンスを続ける名古屋。もはやPK戦濃厚。サッカーの神様も名古屋に根負けかと思われた110分、しかし神様は最後の最後に劇的なドラマを用意していました。柏は右SB斉藤陽太(3年・柏U-15)がクロスを送り、エリア内で山嵜が胸トラップから横に落とすと、そこにいたのは「前に行きたがっていたので、前に行かせた」(下平監督)とポジションを変えていた相馬。ボールがゴールネットを揺らしたのは、まさに109分59秒。ミラクルレイソル、三ツ沢に降臨。土壇場で先制ゴールを奪った柏が、粘る名古屋を振り切り、2年ぶりとなる決勝の舞台へ歩みを進める結果になりました。就任1年目でいきなり全国制覇に王手を懸けた下平監督。「僕も緊張して今朝は5時半に起きたら寝られなくなっちゃって」と笑う指揮官は、「プリンスに参加できなかったので、ここまでがっぷり四つっていう試合はなかったから、どんどん選手が成長している」と手応え十分。栄冠まではあと1つです。    AD土屋


  • Line