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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年06月06日

J2第16節 千葉×愛媛@フクアリ

foot!
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前節、水戸にスコアこそ0-1ながら、内容でもほとんどいい所なく「腑甲斐ない試合」(江尻篤彦監督)で敗れた千葉。ネットの出場停止を受けて、1トップには3節の徳島戦以来、12試合ぶりのスタメンとなる巻誠一郎を起用。右FWにも今シーズン初スタメンの太田圭輔を配し、中盤の構成も逆三角形から、米倉恒貴を頂点に置いた“順”三角形にシフトするなど、少しやり方を変えてきました。一方の愛媛は、前節の甲府戦こそ2失点を喫して敗れましたが、ここまで14試合でリーグ3位の少なさを誇る9失点と、守備の安定感が目を引きます。両者の特徴や現状を考えると、スコアの動きにくいゲームが予想されましたが、しかし最初のゴールが生まれたのは開始直後。右サイドから太田のアーリークロスに、愛媛ディフェンスはうまく対応できず、ボールはファーへ。収めた倉田秋が中にステップしてシュートを放つと、愛媛GK山本浩正は味方がブラインドになっていたのか弾き出すことができず、ボールはゴールの中に転がり、キックオフの笛から1分も経たない内に千葉が先手を取りました。その後もペースはリードを奪ったホームチーム。「少しスタイルを変えながら戦うゲーム」と江尻篤彦監督も話したように、ある程度「ここ数試合は見られなかったランニング」(江尻監督)を生かすような縦に速いアタックを試みるなど、シンプルに“蹴る”ことを選択するシーンも。ただ、最も目に付いたのは積極的なハイプレス。巻や米倉から始まる激しいチェイスをまともに受けた愛媛は、後方からのビルドアップもままならず、「前からの激しいプレスに萎縮した」と青野慎也コーチが話せば、中盤ダイヤモンドのアンカーに入った渡邊一仁も「前半は相手の圧力で完全に押し込まれた」と渋い顔。すると18分にも、倉田の左クロスを逆サイドで拾った太田のパスに、DFもよく足を出しましたが、こぼれに反応した佐藤勇人はうまくボレーで中へラストパス。ニアに走り込んだ米倉がスライディングしながら流し込み、リードは2点に広がりました。なおもゲームを支配し続ける千葉は38分にも追加点。右サイドのハーフウェーライン付近でボールを持った和田拓三は、突如かつ絶妙のアーリークロスを中へ。「練習からどんどん飛び出せって言われてた」という米倉は、アライールの死角から裏へ完全にフリーで抜け出すと、飛び出したGKの鼻先を越えるうまいヘディング。3-0、完璧なゲーム運びを目の前にして、フクアリは早くも最高の雰囲気が充満します。愛媛からしてみれば、2トップ下の持留新作、右SHの赤井秀一、左SHの杉浦恭平と技術の高い選手が中盤にいたものの、相手のボールアプローチの速さに苦しんだことを考えると、「もっと簡単に蹴っちゃってセカンドを狙ってもよかった」(持留)「割り切って裏に出せば相手もプレスに来れなかったのかなと思う」(渡邊)と中盤の2人が口を揃えたように、早めの長いボールを徹底して、相手のラインを押し下げるような工夫が求められていたような気がします。45分間の大半が千葉ペースで進み、3点の差が付いて前半は終了しました。「何かを変えないと点は取れない」と青野コーチは後半開始から2枚替え。内田健太と赤井を下げて、ジョジマールと田森大己を送り込み、中盤も「米倉の運動量が多くて、渡邊が引っ張られることでCBの前が空いてしまったので、中盤は4枚で相手の3枚を見る形」(青野コーチ)と、持留を右に出して、渡邊と田森のドイスボランチにシフトします。すると、3点リードという点は考慮の余地がありそうですが、プレスも含めた千葉の勢いも減退し、後半は愛媛が攻勢の時間帯を掴みます。ただ、右サイドに移ってからはボールタッチも増え、攻撃のリズムを創っていた持留も「決定的なシーンは創れてないんで」と話した通り、なかなかエリア内へいい形で侵入していくようなシーンは生まれず、57分に中盤でいい形のボール奪取から、右サイドの持留がいいクロスを上げましたが、ジョジマールのヘディングはパワー不足でGKへ。74分にジョジマールの左クロスに福田健二が飛び込むも、千葉DFが一歩先にクリア。1点を奪えません。最大のチャンスは78分。左SBの高杉亮太が、ここしかないという対角線のスルーパス。走り込んで受けた右SBの関根永悟はGKと1対1に。しかし、飛び出した櫛野亮が完璧なシュートブロック。両SBで生み出した決定機もモノにできず、万事休す。「理想とはちょっと離れていたかもしれませんが、今日はいい方向に転んだ」と江尻監督が評した千葉が、5試合ぶりの無失点で勝ち点3を手に入れました。愛媛は青野コーチが語った「前半の入りがものすごく悪かったのがすべて。すべてにおいて完敗」という言葉がすべて。今シーズン初の3失点と守備が崩壊し、難しいゲームになってしまいました。勝った千葉は、「久しぶりに試合に出た選手がいい働きをしてくれた」と言及したように、巻と米倉の貢献度はかなり高かったと思います。「久々のゲームで不安もあり、個人的には難しい試合だった」という巻のプレスとポストプレーはやはり計算できる武器。終盤は疲れたものの、米倉の幅広い動きも愛媛にダメージを与えていました。谷澤達也、青木孝太、深井正樹が途中から出てくる層の厚さも十分にプラス材料。とりあえず今日は1万人を超えた観客に、いいプレゼントができたと言ってよさそうです。     AD土屋




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