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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
決勝トーナメント1回戦
2010/6/29 20:30 グリーン・ポイント(ケープタウン)
スペイン×ポルトガル
天候:晴れ時々曇り 気温:13度 観客:62,955人
主審:エクトル・バルダッシ(アルゼンチン)
【スペイン】
GK
1 イケル・カシージャス(C)
DF
15 セルヒオ・ラモス
3 ジェラール・ピケ
5 カルレス・プジョール
11 ジョアン・カブデビラ
MF
16 セルヒオ・ブスケッツ
14 シャビ・アロンソ
8 チャビ・エルナンデス
FW
6 アンドレス・イニエスタ①
9 フェルナンド・トーレス
7 ダビド・ビジャ③
SUB
12 ビクトル・バルデス
23 ホセ・マヌエル・レイナ
2 ラウール・アルビオル
4 カルロス・マルチェナ
17 アルバロ・アルベロア
10 セスク・ファブレガス
13 ファン・マヌエル・マタ
18 ペドロ・ロドリゲス
20 ハビ・マルティネス
21 ダビド・シルバ
22 ヘスス・ナバス
19 フェルナンド・ジョレンテ
監督
ビセンテ・デル・ボスケ(スペイン国籍)
(4-3‐3)
---------トーレス--------
--ビジャ----------イニエスタ--
---------チャビ---------
-----X・アロンソ--ブスケッツ-----
-------------------
-カプデビラ-プジョール--ピケ--S・ラモス-
-------------------
--------カシージャス--------
【ポルトガル】
GK
1 エドゥアルド
DF
21 リカルド・コスタ
6 リカルド・カルバーリョ
2 ブルーノ・アウヴェス
23 ファビオ・コエントラン■
MF
15 ペペ■
19 チアゴ②■
16 ラウール・メイレレス①
FW
7 クリスティアーノ・ロナウド(C)①■
18 ウーゴ・アウメイダ①■
11 シモン・サブロサ①
SUB
12 ベト
22 ダニエウ・フェルナンデス
3 パウロ・フェレイラ
4 ロランド
5 ドゥダ■(負傷)
13 ミゲウ
8 ペドロ・メンデス■
14 ミゲウ・ヴェローゾ
20 デコ
9 リエジソン①
10 ダニー
17 ルーベン・アモリム(負傷)
監督
カルロス・ケイロス(ポルトガル国籍)
(4-3-3)
-------H・アウメイダ-------
--シモン-----------ロナウド--
--------------------
----R・メイレレス----チアゴ----
---------ペペ----------
F・コエントラン-R・カルバーリョ-B・アウヴェス-R・コスタ-
-------------------
--------エドゥアルド--------
【マッチレポート】
イベリア半島の雄によるワールドカップでの直接対決。
グループリーグでは優勝候補の名にふさわしい戦いができたかと考えれば
正直胸を張ってできたと言えるようなゲームはなかったはずのスペイン。
試合を殺してまで勝ち進んできた決勝トーナメントでこそ真価が問われる。
歴史を振り返ると、今までのチームとはやや趣を異にし、
ここまで3試合無失点と、堅い守備がグループリーグ突破の
原動力となってきたポルトガル。前回を上回る4位以上の成績を挙げるためには
ここが最初にして最大の難関だ。
デル・ボスケはチリ戦同様、自信を持って現状のベストメンバーを送り出す。
そしてケイロスは右SBと中盤アンカーに
最初の2試合で使っていたP・フェレイラとP・メンデスではなく、
ブラジル戦が初出場となったR・コスタとペペをそのまま起用。
前線には右からロナウド、H・アウメイダ、シモンと
北朝鮮から7ゴールを奪ったゲームのトリオを並べてきた。
スペインのファーストシュートは開始わずか58秒。
左サイドからカットインしてきたトーレスのコントロールシュートは
エドゥアルドが弾き出したが、いきなり9番が大会初ゴールへの執念を発露させる。
3分もスペイン、これも左サイドでボールを受けたビジャは
30m近いミドルを枠内へ、エドゥアルドがパンチングで対応する。
7分もスペイン、やはり左サイドからカットインしてきたビジャが
角度のない所からニアサイドに強烈なシュート、
エドゥアルドもしっかりセーブし、先制ゴールには至らなかったが
まずはスペインが左サイドから3回のチャンスを創出した。
この時間帯、スペインは右からイニエスタ、トーレス、ビジャの3トップが
基本布陣ではあったものの、イニエスタが中央の低い位置に落ちていくシーンが多く、
トーレスがビジャとのポジションチェンジから左へ、
またイニエスタが落ちた時には右へ、とうまくサイドに流れて
チャンスに絡んでいく姿勢が目立っていた。
さて、立ち上がりこそスペインのラッシュに防戦一方となったポルトガルは、
徐々にボールこそ持たれている中でも、
ブラジル戦のようにしっかりブロックを作って、カウンターを狙う姿勢を徹底。
20分には左SBに入った、今大会絶好調のF・コエントランがドリブル、
R・メイレレスが繋いで、チアゴのミドルはカシージャスの手を大きく弾き、
浮いたこぼれ球にH・アウメイダが詰めるも、再びカシージャスが右手で掻き出す。
この一瞬のアタックはスペインにも十分冷や汗をかかせるレベル。
25分はスペイン、左サイドでビジャがチャビへ、
チャビはビジャを狙ったピンポイントのスルーパス、
わずかにビジャは受け取れなかったが、これもスペインの大きな得点パターン。
しかし、結果的にこれが“無敵艦隊”にとって前半最後のチャンスとなる。
28分はロナウド、左37mのFKは最初の軌道から明らかに逆へ揺れて、しかも落ちる。
カシージャスはアタックNo,1ばりのレシーブで対抗。
クラブのチームメイトに直接ゴールは許さない。
39分のポルトガル、左へ流れたR・メイレレスは右足でクロス、
飛び込んだH・アウメイダが頭から飛び込むも、当たりが薄く枠へは飛ばせない。
43分もポルトガル、F・コエントランのクロスに
2列目から入って来たチアゴのヘディングはゴール左へ。
逆にこの時間帯は中盤のR・メイレレスとチアゴも前へと出てきて
効果的なアタックを何度も繰り返したのはポルトガル。
ロナウドまでが守備の意識を見せる相手に対して、30分以降は攻めあぐねたスペイン。
ポゼッションは62%と圧倒したものの、狙い通りにスコアレスで折り返した
ポルトガルペースとも言えるような展開で、45分間は終了した。
後半も大勢は変わらない。ポルトガルのアンカーに入ったペペも、
侵入してくるイニエスタやチャビへうまく対応し、
バイタルを自由に泳がせないための防波堤として機能する。
52分はポルトガルのカウンター、
左サイドでH・アウメイダはピケとの競走をぶっち切り、
中へクロスを送ると、対面したプジョールのブロックはスペインゴールに向かい、
わずかに枠を外れたものの、あわやオウンゴール。
しかし、H・アウメイダってあんなに足が速かったんだ。ビックリしたなあ。
なかなかフィニッシュまで取り切れないチームに58分、デル・ボスケが動く。
トーレスに替えて、今大会初出場のジョレンテを投入。
中央でしっかりと基点を作りたい思惑が見て取れる。
ケイロスも同じタイミングでH・アウメイダをダニーへスイッチ。
3トップは右からシモン、ロナウド、ダニーにシフトされる。
すると60分、S・ラモスの右アーリークロス、R・カルバーリョとB・アウヴェスの間から
195センチの弾丸がダイビングヘッド、エドゥアルドが驚異的な反応で
弾き出したが、早速ジョレンテが自身の存在価値をアピールして見せると、
その流れのまま、左サイドのビジャはエリアやや外から、
わずかにゴール右へと外れる鋭いミドル。一気にリズムを引き寄せる。
そして63分、この大きなうねりをスペインは見逃さない。
ピケのサイドチェンジ、ビジャ、X・アロンソ、チャビ、X・アロンソのクサビ、イニエスタ、
DFが足を出すも拾ったイニエスタは狭いスペースへ、
チャビがヒール気味のアウトで流すと、裏を取ったビジャのシュート、
ここもエドゥアルドが一旦は防いだが、
リバウンドをビジャがクロスバーに当てながらねじ込む。
真っ先にビジャへと抱きついたのはビブスを着たレイナ。
ベンチメンバーの大半も含めた歓喜の輪ができる。
これがスペイン、これがスペイン。世界がこれを待っていた。
4試合目にしてようやく飛び出した、流れるようなパスワークからのゴール。
ポルトガルは大会初失点を喫した。ダメージは大きいか。
ノッてきたスペイン。70分、自陣で狭い所を繋いで繋いで局面打開。
イニエスタが右へ、上がって来たS・ラモスはエリアまで入ると、
切り返しから強烈な左足シュート、エドゥアルドが触り、
枠の左へわずかに外れていったが、完全に勢いを得る。
苦しくなってきたポルトガル。ケイロスは72分に2枚のカードを同時投入。
ペペとシモンOUTで、P・メンデスとリエジソンIN。2人ともそのままの位置に入る。
77分、左サイドからビジャの強烈なミドルはエドゥアルドセーブ。
攻めたいのに攻められないポルトガル。
交替策もゲームの流れを劇的に変えるまでには至らない。
圧倒的な攻撃こそ、圧倒的なパスワークこそ、最大の防御。
強いスペインがようやく帰ってきた。
85分、B・アウヴェスのサイドチェンジ、トラップでロナウドが抜け出しかけると、
カプデビラは明らかに手でプッシュしてピンチを阻止しようとしたが、
副審のフラッグは上がらない。ツキもないか。
ただ、ここのカバーにビジャが帰っていた事実は見逃せない。
87分、ビジャの左アーリークロス、ジョレンテのヘディングはゴールわずか右へ。
自身のゴールこそなかったが、この25歳が停滞した流れを吹き飛ばしたのは間違いない。
グイサではなく、自分がメンバーに選出された意味を30分で証明してみせた。
88分、ポルトガルのラストチャンス、F・コエントランのアーリークロス、
チアゴとブスケッツが競ったボールはダニーの足下へこぼれる。
ダニーのシュートは、しかしカプデビラが懸命に足を伸ばしてブロック。
ギリギリの攻防はスペインが凌ぎ切る。
直後、R・コスタがカプデビラへのラフプレーという判定で一発レッド。万事休す。
ポルトガルも今大会で見せてきた守備的なアプローチは
その大半で機能していたが、一瞬見せた相手の煌きに屈した格好に。
それでも冷静に実力を推し測れば、小さくない差は確かに存在していた。
スペインはパーフェクトではないかもしれないが、
ここに来ていわゆる“らしさ”をようやく披露する機会を得た。
この勝利がすべてを一変させるか。初の頂点まではあと3つ。
スペイン 1×0 ポルトガル
【得点者】
スペイン:ビジャ④(63分)
【警告/退場】
スペイン:X・アロンソ①(74分)
ポルトガル:チアゴ②(80分)、R・コスタ(89分・退場)
【交替】
スペイン:トーレス→ジョレンテ(58分)
ビジャ→ペドロ(88分)
X・アロンソ→マルチェナ(90+3分)
ポルトガル:H・アウメイダ→ダニー(58分)
ペペ→P・メンデス(72分)
シモン→リエジソン(72分)
【AD的Man of the Match】
ダビド・ビジャ(スペイン)
《ベスト8組み合わせ》
7/3 20:30@ヨハネスブルグ(エリス・パーク)
パラグアイ×スペイン
写真は、日本最大の半島「紀伊半島」
AD土屋
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