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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月29日

(54)決勝トーナメント1回戦 ブラジル×チリ

foot!
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決勝トーナメント1回戦
2010/6/28 20:30 エリス・パーク(ヨハネスブルグ)
ブラジル×チリ

天候:晴れ時々曇り 気温:12度 観客:54,096人
主審:ハワード・ウェブ(イングランド)

【ブラジル】
GK
1 ジュリオ・セーザル
DF
2 マイコン①
3 ルシオ(C)
4 フアン■
6 ミシェウ・バストス
MF
8 ジウベルト・シウヴァ
18 ラミレス■
13 ダニエウ・アウヴェス
10 カカー
11 ロビーニョ
FW
9 ルイス・ファビアーノ■②
SUB
12 ゴメス
22 ドニ
14 ルイゾン
15 チアゴ・シウヴァ
16 ジウベルト
5 フェリペ・メロ■(負傷)
7 エラーノ②(負傷)
17 ジョズエ
19 ジュリオ・バチスタ(負傷)
20 クレベルソン
21 ニウマール
23 グラフィッチ
監督
ドゥンガ(ブラジル国籍)

(4-2‐3-1)
-------L・ファビアーノ-------
-------------------
-ロビーニョ----カカーー---D・アウヴェス-
-----ラミレス--G・シウヴァ-----
-------------------
-M・バストス--フアン--ルシオ--マイコン-
-------------------
--------J・セーザル--------

【チリ】
GK
1 クラウディオ・ブラーボ(C)
DF
18 ゴンサロ・ハラ
2 イスマエル・フエンテス
5 パブロ・コントレラス
MF
6 カルロス・カルモナ
4 マウリシオ・イスラ
8 アルトゥーロ・ビダル
15 ジャン・ボーセジュール①
FW
7 アレクシス・サンチェス
9 ウンベルト・スアソ■
11 マルク・ゴンサレス
SUB
12 ミゲル・ピント
23 ルイス・マリン
19 ゴンサロ・フィエロ
10 ホルヘ・バルディビア■
20 ロドリゴ・ミジャール①
21 ロドリゴ・テージョ
14 マティアス・フェルナンデス
16 ファビアン・オレジャナ
22 エステバン・パレデス
17 ガリー・メデル■■(警告累積による出場停止)
3 ワルド・ポンセ■■(警告累積による出場停止)
13 マルコ・エストラーダ(退場による出場停止)
監督
マルセロ・ビエルサ(アルゼンチン国籍)

(3-3-3-1)
----------スアソ----------
---------------------
-M・ゴンサレス--ボーセジュール--サンチェス-
--ビダル-----------------
-------カルモナ---イスラ------
--コントレラス--フエンテス---ハラ----
---------------------
---------ブラーボ---------

【マッチレポート】
優勝候補と目された国の中でも永遠のライバル・アルゼンチンと並んで
まったく危なげなくグループリーグを勝ち抜けてきたブラジル。
ポルトガル戦でさらに使える選手、使えない選手がハッキリした感もあり、
ここからの最大4試合に向けてますます磐石の態勢に見える。
スペインには前半からの数的不利もあって敗れたものの、
ここまでビエルサ流が大いに賞賛を集めているチリ。
南米予選では唯一勝利を挙げられなかった王国相手に
この大舞台でのリベンジを誓う。
ドゥンガはフェリペ・メロ、エラーノの負傷を受け、そのポジションに
それぞれラミレスとD・アウヴェスを起用。
一方のビエルサは最終ラインのメデル、ポンセが揃って出場停止のため、
最終ラインはハラと、共に今大会初スタメンのフエンテス、コントレラスを選択。
最前線には負傷明けのスアソが入る。
また、イスラはだいぶ中に絞った位置を取ることが多く、
数字の表記だと左右非対称の3-3-3-1といった所だろうか。
5分、D・アウヴェスの長いスルーパスに
うまく裏を取って抜け出したL・ファビアーノはシュートこそ枠を外したが、
まずは質の高い動きで、やや不安の残るチリの最終ラインを牽制する。
9分、左右で得たCKの流れからG・シウヴァが思い切ったドライブミドル、
ブラーボが掻き出したものの、専守防衛のボランチもパンチ力を見せる。
まずは押し込まれる形のチリ。テクニカルエリアで座るビエルサの胸中いかに。
13分はチリ、サンチェスの中距離スルーパスに反応したスアソが
うまくルシオの裏を取ると、ループにチャレンジ。
浮き切らずJ・セーザルに難なくキャッチされたが、ようやく1つチャンスを創出する。
15分はブラジル、初スタメンのラミレスはミドルを枠内へ。
今日のドイスボランチはゴールへの意欲も隠さない。
21分はチリ、最終ラインのハラはオーバーラップからミドル。
3バックの中でも、ここまで全試合に出場している余裕からか
イスラが中目に入る位置取りを生かして、時にはSBのように序盤からよく攻撃に絡む。
30分過ぎまではほぼ互角。むしろチリの健闘が目立つような展開に。
しかし、こういう流れでも今のブラジルにはセットプレーがある。
35分、マイコンの右CK、L・ファビアーノとルシオの間から
強いヘディングをフアンが叩き込む。これこそドゥンガセレソンの強み。
まずは先制ゴールを挙げて見せると、すぐさま追加点まで奪う。
38分、ドリブルで左サイドを駆け上がったロビーニョの横パス、
カカーはワンタッチで絶妙のスルーパス、
これに絶妙の抜け出しを見せたL・ファビアーノはGKをいとも簡単にかわし、
無人のゴールへあっさりフィニッシュ。
機を見て畳み掛け、3分間で2ゴールを奪取したブラジルが
大きなアドバンテージを得て、後半へと折り返した。

ビハインドを追い掛ける格好になったビエルサは後半開始から2枚替え。
CBのコントレラスOUTでベテランのテージョIN。
左サイドのM・ゴンサレスOUTでバルディビアIN。
左WBにいたビダルが右CBに落ちて、カルモナが中盤アンカー的に、
それより少し右前にイスラ、左前にテージョ、
中盤センターにバルディビアが入り、本来の左に回ったボーセジュールと
右のサンチェスが前半より高い位置を取り、3-3-3-1気味から
もう少し前への圧力を掛ける3-3-1-3にシフトする。
ただ、このチリの圧力にもブラジルはまったく動じない。
L・ファビアーノとカカーを除いた8枚が守備時に見せるハードワークと規律は、
もはや芸術の域に達してませんか、マリーニョさん?
攻めたいチリに攻めさせないブラジル。
試合はかなり膠着した状況になった時、
またもタレントの違いをブラジルがまざまざと見せ付ける。
59分、J・セーザルのパント、チリのクリアをハーフウェーラインで拾ったのはラミレス。
ドリブルで3人をかわすと、ラストパスをダイレクトで右スミへ蹴り込んだのはロビーニョ。
スイッチが入ればボランチも恐るべき攻撃力を露わにする。
そしてロビーニョの何と力の抜けたフィニッシュ。ブラジル強し。
残り30分で3ゴールと、正直絶望的な点差を付けられてしまったチリ。
ビエルサも62分、今大会いわゆるポリバレントさで
チームのキーマンとして重宝されたイスラを下げ、最後のカードとしてミジャールを投入。
65分にはそのミジャールの突破から得たFKをサンチェスがクイックでスタート、
バルディビアが右へ送って、ミジャールが中へ当てると、
フリーだったスアソはヒールでのパスを選択してしまい、DFがカット。
スアソの消極的なプレーに、改めてブラジルが相手に与える
有形無形の圧力を感じずにはいられない。
66分、右サイドでサンチェスが粘ってカカーを振り切り、中へ折り返すと
珍しくバイタルでバルディビアがまったくのフリー。
浮いたトラップをボレーで叩くと、ボールはわずかにバーの上へ。
劣勢のチリにおいて、バルディビアは何かを生み出せる雰囲気が漂う。
74分、もはやそこまで前には出て行かないブラジルも少ない手数で決定機へ。
自陣ハーフウェーライン付近でL・ファビアーノの横パスを
D・アウヴェスはダイレクトで縦へ、ラインをギリギリで破ったロビーニョ、
ドリブルシュートはブラーボのファインセーブに阻まれたものの、
この効率のいいカウンター精度はブラジルだからこそ為せる業か。
75分、チリも決定的なシーンを創り出す。
バルディビアが左へ大きな展開、テージョは縦へ付ける、
ボーセジュールのクロス、スアソは対峙したルシオを翻弄すると、
鋭いターンから左足シュート、J・セーザルに弾き出されたが、
南米予選得点王の片鱗を垣間見せた。
何とか一矢を報いたいチリも終盤は
イエローを持っているカカーもL・ファビアーノをベンチへと下げて、
引いたブラジルを攻め立てる。
78分、テージョのCK、スアソのダイレクトボレーはヒットしなかったことが幸いし、
枠へと飛んでいったが、クロスバーの上へ当たる。
84分、バルディビアはペナルティエリアのすぐ外をドリブルしながら
探って探ってテージョとのワンツーから、左でフリーのボーセジュールへ。
左足から繰り出されたシュートはわずかに枠の右へ。
天を仰いで悔しがるビエルサ。そしてこれはチリの今大会ラストチャンスとなった。
2002年日韓大会、母国を率いるも一敗地に塗れた“エル・ロコ”の
3年にも及ぶ海外での冒険は、ワールドカップのベスト16が終着点だった。
それでも、愚直なまでに指揮官の志向を具現化したスタイルは
見る者に衝撃を、そして感動を与えた。
本人はそれでも満足することはないかもしれないが、
8年前に負った傷が少しでも癒えたことを願いたくなるような戦いぶりだったと思う。
それにしてもブラジルは本当に強い。
カカーもようやくフィットしてきた感があり、L・ファビアーノも好調をキープ。
そもそも守備の安定は計算できていただけに、
この2人のパフォーマンスはチームにとっても計り知れない効果をもたらしている。
ベスト8で当たるオランダとの一戦は、必ずや名勝負が繰り広げられることを
歴史が証明しているだけに、今から金曜日が楽しみだなあ。

ブラジル 3×0 チリ
【得点者】
ブラジル:フアン①(35分)、L・ファビアーノ③(38分)、ロビーニョ①(59分)
【警告/退場】
ブラジル:カカ③(30分)、ラミレス②(72分)
チリ:ビダル①(47分)、フエンテス①(68分)、ミジャール①(80分)
【交替】
ブラジル:L・ファビアーノ→ニウマール(76分)
      カカ→クレベルソン(81分)
      ロビーニョ→ジウベルト(85分)
チリ:コントレラス→テージョ(46分)
   M・ゴンサレス→バルディビア(46分)
   イスラ→ミジャール(62分)
【AD的Man of the Match】
ロビーニョ(ブラジル)

《ベスト8組み合わせ》
7/2 16:00@ポートエリザベス 
オランダ×ブラジル

写真は、超レアショットシリーズから
夕暮れの「宍道湖」
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AD土屋

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