デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2010/06

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月23日

(37)グループC スロヴェニア×イングランド

foot!
  • Line

グループC
2010/6/23 16:00 ネルソン・マンデラ・ベイ(ポートエリザベス)
スロヴェニア×イングランド

天候:晴れ 気温:19度 観客:36,893人
主審:ヴォルフガング・シュタルク(ドイツ)

【スロヴェニア】
GK
1 サミール・ハンダノヴィッチ
DF
2 ミショ・ブレツコ
4 マルコ・シュレル■
5 ボシュティヤン・チェサル■
13 ボヤン・ヨキッチ■
MF
10 ヴァルテル・ビルサ①
18 アレクサンデル・ラドサフリェヴィッチ■
8 ロベルト・コレン(C)①
17 アンドラス・キルム■
FW
11 ミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチ
9 ズラタン・リュビヤンキッチ①
SUB
12 ヤスミン・ハンダノヴィッチ
16 アレクサンデル・セリガ
3 エルヴェディン・ジニッチ
6 ブランコ・イリッチ
19 スアド・フィレコヴィッチ
22 マテイ・マヴリッチ
15 レネ・クーリン
20 アンドレイ・コマッチ■
21 ダリボル・ステヴァノヴィッチ
7 ネイチ・ペツニク
14 ズラトコ・デディッチ
23 ティム・マタフツ
監督
マチャジュ・ケク(スロヴェニア国籍)

(4-4-2)
--リュビヤンキッチ--ノヴァコヴィッチ---
-------------------
--キルム-----------ビルサ--
-----コレン--ラドサフリェヴィッチ---
------------------
-ヨキッチ--チェサル--スレル--ブレツコ-
-------------------
-------ハンダノヴィッチ-------

【イングランド】
GK
1 デイヴィッド・ジェームズ
DF
2 グレン・ジョンソン
6 ジョン・テリー
15 マシュー・アップソン
3 アシュリー・コール
MF
16 ジェームズ・ミルナー■
8 フランク・ランパード
14 ギャレス・バリー
4 スティーヴン・ジェラード(C)①■
FW
10 ウェイン・ルーニー
19 ジャーメイン・デフォー
SUB
12 ロバート・グリーン
23 ジョー・ハート
5 マイケル・ドーソン
13 スティーブン・ウォーノック
20 レドリー・キング(負傷)
7 アーロン・レノン
11 ジョー・コール
17 ショーン・ライト・フィリップス
22 マイケル・キャリック
9 ピーター・クラウチ
21 エミール・ヘスキー
18 ジェイミー・キャラガー■■(警告累積による出場停止)
監督
ファビオ・カペッロ(イタリア国籍)

(4-4-2)
----ルーニー---デフォー----
------------------
--ジェラード---------ミルナーー-
------バリー--ランパード------
-------------------
-A・コール-アップソン-テリー-ジョンソン-
-------------------
--------ジェームズ--------

【マッチレポート】
追い込まれたイングランド。2試合続けてのドローで勝ち点は2。
思った以上にグリーンのミスが高く付いている印象があるが、
それ以上になかなか機能してこない攻撃は深刻だ。
現在グループ首位を走るスロヴェニアは1勝1分けで勝ち点4。
他会場の展開次第では負けでも突破の可能性はあるため、
まずはある程度守備に重点を置いた戦いが予想される。
カペッロはキングを負傷で、キャラガーを出場停止で欠いたCBにアップソンを起用。
さらに、右SHには初戦31分間で交替させたミルナーを、
ルーニーのパートナーにはデフォーをそれぞれ使い、必勝態勢で臨む。
ケクが選択したスタメン、布陣はアメリカ戦とまったく同様だった。
スロヴェニアはやはり慎重な立ち上がり。過去2戦のように、まずは2ラインが
しっかりブロックを作って、守備から入っていく形でゲームに入る。
イングランドもなかなかアタッキングエリアには侵入できない。
まずファーストシュートはスロヴェニア。7分、ビルサがカウンターからミドル。
ジェームズがキャッチしたが、今日もスロヴェニアの指揮はこの男が執る。
10分、イングランドに初めてのチャンス。
ジョンソンの素晴らしいサイドチェンジ、ルーニーの左クロスはファーへ走り込んだ
ジェラードの手前でヨキッチが頭を伸ばしてクリア。シュートには至らない。
イングランド最初の枠内シュートは14分のFK、
ランパードの35m近いキックは無回転でドライブがかかるもハンダノヴィッチがキャッチ。
18分、アップソンが粘ってドリブルはルーニー、
右でジェラードがフリーも、強引にシュートを放ちヨキッチのブロックに遭う。
さらにこの流れからのCK、バリーのキックにテリーのヘディングはDFに当たって枠外へ。
この時間帯、過去2試合はやや低調だったルーニーがよくボールに絡む。
決定機とまではいかないものの、イングランドの攻める意志がようやく表出する。
20分はスロヴェニア、A・コールの中途半端なクリアがリュビアンキッチへ、
エリア内にハイってのシュートはテリーが滑ってブロック。
これで得たビルサのCK、ニアでノヴァコヴィッチ、DFのクリアを
コレンがダイレクトボレー、チェサルがコースを変えるもジェームズがキャッチ。
ちょっと嫌な流れから連続してピンチを迎えたイングランド。
しかし、カペッロも拳を握り締めて喜ぶシーンは23分に訪れる。
バリーが右に展開したボールを、ミルナーが抜き切らずに上げたクロス、
シュレルの一歩前に入ったデフォーは右足のスネでシュート、
ハンダノヴィッチも至近距離では正面でも防ぎ切れない。
まさにデフォーの真骨頂。スタメン起用に結果で応えてみせる。
27分、またもミルナーのアーリークロス、ハンダノヴィッチがデフォーの前で弾くと、
反応したランパードは、やや難しいバウンドのボレーを枠に飛ばせない。
さらに30分、ジェラードのラストパスからデフォーのシュートは
ハンダノヴィッチセーブ、こぼれをジェラードは頭で左へ、
ルーニーは3人に囲まれながら冷徹なソフトパスをジェラードへ届ける。
コースを狙ったシュートは、今日何度目か、ハンダノヴィッチのビッグセーブ。
追加点は奪えなかったが、今大会初めてと言っていいくらいのラッシュを見せた。
追いかけるスロヴェニアは、そこまで前掛かって攻める訳ではなく、
1点のビハインドもやむなしといった風情で、ハーフタイムまでの時間を消費。
イングランドがリードして最初の45分間は終了した。

後半開始15秒でスロヴェニアのクリアミスが2つ重なってイングランドのCK。
飛び出したハンダノヴィッチが戻りきる前にルーニーは中へ、
ばたつくディフェンス陣の中、バリーのヘディングをデフォーは
回し蹴り敵にフィニッシュ、ゴール右へ外れるがいきなり決定機を掴む。
その後も横幅をうまく使って攻めるイングランドが圧倒。
57分にはバリーのCK、テリーのヘディングはハンダノヴィッチが驚異的なセーブ。
そのCKから、DFのクリアを拾ったランパードはロブでラインの裏へ、
オフサイドギリギリで抜け出したルーニーはトラップから素早くシュート。
しかしこれは左のポストを叩く。スローで見るとこれもハンダノヴィッチは触っていた。
いやはや、もう賞賛する言葉も見つからない。とにかく凄いGKだ。
かなり劣勢に立たされていたスロヴェニアだが、
この時点でプレトリアのゲームはスコアレス。
ケクも難しい決断を迫られる中、1枚目のカードはFW同士の交替。
62分、リュビヤンキッチOUTでデディッチIN。
すると、ここからしばらくはスロヴェニアが攻勢に出る。
65分、バリーのコントロールミスをラドサフリェヴィッチがかっさらって前へ、
ビルサのシュートはアップソンの股間を抜くも、ジェームズがキャッチ。
そして68分、大きな大きな決定機が到来する。
キルムの左クロス、デディッチはアップソンに競り勝って落としたボール、
反転したノヴァコヴィッチのシュートは一度振られながらもテリーがブロック、
拾ったデディッチのシュートはジョンソンがブロック、
拾ったビルサのシュートはゴール右へ。
ここで特筆すべきはデディッチのシュートに対するテリーの反応。
ノヴァコヴィッチのシュートをブロックし、さらにすぐさま反転して
手を折りたたみながら頭から全身でボールにダイブする。
こんな離れ業、頭で考えてたらできるはずがない。まさに本能。
執念のダイブにおそらく世界中が驚嘆し、感動したのではないか。
72分、カペッロはルーニーを下げてJ・コールを送り込む。
システムも4-2-3-1に変更し、少し相手の勢いに押されたチームに
攻守両面で活力を注入する。
ここからイングランドは攻めもできないが、攻められもしない。
まずはリスク回避。あと15分を守り切れば、間違いなくグループは通過できる。
疲労感を隠せないスロヴェニアも70分以降は
ほとんどチャンスらしいチャンスを創り出せない。79分にはキルムOUTで、マタフツIN。
今シーズン、エールディビジで13ゴールを挙げた21歳が投入される。
残り10分、まだプレトリアは0-0。ジリジリとした時間が経過していく。
85分、カペッロ2枚目のカードはデフォーOUTで、ヘスキーIN。
言ってみれば明らかに前線からの守備を重視した用兵。1点を守りに入る。
90分、ハンダノヴィッチからのキック、コレンの縦パスを
マタフツがヒール、デディッチにはジョンソンが滑る、
再びマタフツの足元に入り掛けたボールをアップソンが懸命にクリア。
ワールドカップデビューを果たした31歳も集中を途切れさせない。
もうなりふり構っていられないイングランド。
右サイドでミルナーとJ・コールがプレミアではほとんど見られない、
露骨なまでの時間稼ぎを敢行。ここにもワールドカップを感じさせられる。
2人で都合2分あまりを使い切ると、シュタルク主審のホイッスル。
カペッロとベッカムがハイタッチ。苦しんだイングランドが、
結果的には1勝2分けで何とか次のステージへ進出する。
そして試合終了と同時に、プレトリアが動く。アメリカ先制。
スロヴェニアは一瞬で2位から3位に転落する。
プレトリアが終わる。勝ったのはアメリカ。
ポートエリザベスの悲劇。スロヴェニアはほとんど開いていたはずだった
新しい歴史への扉を最後の最後で閉ざされてしまった。

スロヴェニア 0×1 イングランド
【得点者】
イングランド:デフォー①(23分)
【警告/退場】
スロヴェニア:ヨキッチ②(40分)、ビルサ①(79分)、デディッチ①(81分)
イングランド:ジョンソン①(48分)
【交替】
スロヴェニア:リュビヤンキッチ→デディッチ(62分)
        キルム→マタフツ(79分)
イングランド:ルーニー→J・コール(72分)
        デフォー→ヘスキー(79分)
【AD的Man of the Match】
ジェームズ・ミルナー(イングランド)

《グループC最終順位表》
①アメリカ 5(1勝2分け・4得点3失点)
②イングランド 5(1勝2分け・2得点1失点)
------------------  
③スロヴェニア 4(1勝1分け1敗・3得点3失点)
④アルジェリア 1(1分け2敗・0得点2失点)

写真は、デフォーの本拠地「トテナム」
013spurs.jpg
AD土屋

  • Line