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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月18日

(21)グループD ドイツ×セルビア

foot!
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グループD
2010/6/18 13:30 ネルソン・マンデラ・ベイ(ポートエリザベス)
ドイツ×セルビア

天候:晴れ 気温:15度 観客:38,294人
主審:アルベルト・ウンディアーノ・マジェンコ(スペイン)

【ドイツ】
GK
1 マヌエル・ノイアー
DF
16 フィリップ・ラーム(C)
17 ペア・メルテザッカー
3 アルネ・フリードリッヒ
14 ホルガー・バドシュトゥバー
MF
6 サミ・ケディラ
7 バスティアン・シュヴァインシュタイガー
13 トーマス・ミュラー①
8 メスト・エジル■
10 ルーカス・ポドルスキ①
FW
11 ミロスラフ・クローゼ①
SUB
12 ティム・ヴィーゼ
22 ハンス・ヨルク・ブット
4 デニス・アオゴ
5 セルダル・タスキ
20 イェロメ・ボアテンク
2 マルセル・ヤンゼン
15 ピオトル・トロホウスキ
18 トニ・クロース
21 マルコ・マリン
9 シュテファン・キースリンク
19 カカウ①■
23 マリオ・ゴメス
監督
ヨアヒム・レーヴ(ドイツ国籍)

(4-2-3-1)
--------クローゼ--------
-------------------
-ポドルスキ---エジル---ミュラー-
--シュヴァインシュタイガー-ケディラ----
-------------------
バドシュトゥバー-フリードリッヒ-メルテザッカー-ラーム-
-------------------
--------ノイアー--------

【セルビア】
GK
1 ウラジミール・ストイコヴィッチ
DF
6 ブラニスラフ・イヴァノヴィッチ
5 ネマニャ・ヴィディッチ
20 ネヴェン・スボティッチ
3 アレクサンダル・コラロフ
MF
10 デヤン・スタンコヴィッチ(C)
22 ズドラフコ・クズマノヴィッチ■
18 ミロシュ・ニンコヴィッチ
FW
17 ミロシュ・クラシッチ
15 ニコラ・ジギッチ■
14 ミラン・ヨヴァノヴィッチ
SUB
12 ボヤン・イサイロヴィッチ
23 アンジェリコ・ジュリチッチ
2 アントニオ・ルカヴィナ
16 イヴァン・オブラドヴィッチ
4 ゴイコ・カチャル
7 ゾラン・トシッチ
11 ネナド・ミリヤシュ
19 ラドサフ・ペトロヴィッチ
8 ダンコ・ラゾヴィッチ
9 マルコ・パンテリッチ
21 ドラガン・ムルジャ
13 アレクサンダル・ルコヴィッチ(前節退場により出場停止)
監督
ラドミール・アンティッチ(セルビア国籍)

(4-3-3)
---------ジギッチ---------
-ヨヴァノヴィッチ----------クラシッチ-
-------------------
---ニンコヴィッチ---ークズマノヴィッチ---
-------スタンコヴィッチ----
-コラロフ-スポヴィッチ-ヴィディッチ-イヴァノヴィッチ-
-------------------
-------ストイコヴィッチ-------

【マッチレポート】
おそらく優勝候補の中で最もいいスタートを切ったと言えるドイツと、
ダークホースの中で最も失望を誘うスタートとなってしまったセルビア。
その評価をより高めるか、そして覆せるか、
当時はユーゴスラヴィアだったものの、
90年、98年と両者はグループリーグでよく当たっている印象。
98年のストイコヴィッチ、魂のゴールは懐かしい。
もはや後のなくなったセルビアはジギッチを中央に
右のクラシッチ、左のヨヴァノヴィッチを3トップ的な配置に。
司令塔のスタンコヴィッチがアンカーで、
その前にクズマノヴィッチ、ニンコヴィッチを置く4-3‐3で背水の陣に臨む。
開始34秒、クズマノヴィッチの高い右アーリー、
ジギッチが落として、ヨヴァノヴィッチがヘディング。
2分にはクズマノヴィッチが強引なミドル。いずれも枠は外れたものの
このゲームへの強い意欲が感じられる入り方を見せた。
一方、メンバーも布陣も初戦とまったく同様のドイツは
7分にミュラーのクロス、ヴィディッチのクリアをポドルスキがダイレクトボレー。
わずかゴール左に逸れたが、やはり一瞬でギアが入る攻撃の迫力は強烈だ。
11分、セルビアはクラシッチのクロスをニンコヴィッチがボレーで狙う。
初戦で最悪に近かったクラシッチが、ようやく目覚めたのか
右にボールを呼び込み、縦への突破をしきりに図っていく。
1つ気になったのはイエローカードの多さ。
12分クローゼ、18分イヴァノヴィッチ、19分コラロフ、22分ケディラ、
ちょっと出し過ぎじゃないのと思ったら、やっぱりウンディアーノ・マジェンコ!
さて、ゲームが中盤にさしかかってもなかなかドイツがシュートを打てない。
大きな要因はセルビアが徹底して掛けたミッドフィールドでのフィルター。
基本は受け渡しをするものの、ゾーンに一度入ってきた選手には
そこからマンツーマンに近い形でしつこく付いて行く。
特に初戦勝利の立役者エジルはスタンコヴィッチの監視下に置かれ、
自由を許してもらえない時間が続く。
すると、やっぱりゲームを動かしたのはウンディアーノ・マジェンコ!
37分、クローゼが背後からプレッシャーに行くと、足が掛かる。
注意でもよさそうなファウルに、躊躇なく2枚目のイエローカードを出すマジェンコ。
まあ、この日の基準ならイエローかもしれないけど、基準そのものがねえ…
これで数的優位を得たセルビアがあっという間にチャンスを生かす。
38分、クズマノヴィッチが右サイドで素早いターンからのスルーパス、
この時間帯はすっかり消されていたクラシッチの右クロス、
ジギッチにラームとメルテザッカーが付くも、その上から打ち下ろされる。
ヨヴァノヴィッチのワントラップボレーはゴール前約3m。外しようがない。
先制は11人のセルビア。10人になった途端、ドイツがビハインドを背負う。
45+1分、ドイツに大きな同点機。エジルの右CKはショート気味、
シュヴァインシュタイガーのリターンをエジルが中へ、
DFのクリア、右足を振り抜いたケディラのシュートはクロスバーにぶち当たる。
メルテザッカーのヘディングを、ミュラーのオーバーヘッドはコラロフがライン上でクリア、
判定はミュラーのオフェンスファウルになったが、見応えある攻防。
最後に冷や汗をかかされたセルビアが前半は数的優位とリードを得る形で
ハーフタイムへと折り返した。

後半はスタートから人数の少なさを感じさせないドイツが圧倒的攻勢。
エジルがなかなか流れに入って来れない中で、右SHのミュラーが
うまくサイドで基点を作って、攻撃にリズムを生み出す。
そしてこのサイドのSBラームも積極的に前へ前へ。
54分、ラームがロングレンジのスルーパス、シュヴァインシュタイガーが走るも、
ヴィディッチが懸命に足を伸ばしてカット、再び拾ったミュラーの折り返しを
シュヴァインシュタイガーが強烈なミドルを放ち、GKストイコヴィッチは
まるでバレーボールのレシーブを思わせるセーブで凌ぐ。
エジルもようやく切れ味を取り戻し、57分は長いスルーパス、
59分にはノールックワンタッチパスと、共に決定的なシーンを演出するが、
共にポドルスキは枠に飛ばすことができない。
しかし直後にまるで初戦のデジャヴのようなシーンが。
ポドルスキが蹴った左からのクロスにエリア内、
後方には誰もいなかったが、ヴィディッチは両腕を伸ばす。
ボールは右手に当たってしまい、当然主審の判定はハンドでPK。ヴィディッチ、何で?
キッカーは直前に2本の決定機を逃していたポドルスキ。
右を狙ったキックを、しかしストイコヴィッチは完全に読み切って弾き出す。
セルビアは安堵の輪。ポドルスキは痛過ぎる3連続決定機逸。
これ以上なかった同点のチャンスをドイツは生かし切れない。
まるで人数の多さを活用できないセルビアは、
もはやブロックを作ってカウンターに活路を見い出す、守備的な態勢を敷く。
67分にはそのセルビアに追加点のチャンスが。
クラシッチが独力で右サイドからカットイン、
受けたヨヴァノヴィッチのシュートは左ポストに阻まれ、ゲームは決まらない。
レーヴは70分に2枚替え。エジルとミュラー、初戦勝利の立役者2人を下げ、
カカウとマリンを投入して、機動力にテコを入れる。
74分のセルビア、クラシッチのクロスに202センチが合わせるも、
クロスバーが弾き、ゲームは決まらない。
さらに77分には左SBのバドシュトゥバーに替えて、FWのゴメスが入り、
残ったDFが3バック、カカウ&ゴメスの元シュトゥットガルトコンビを2トップに
覚悟を決めた3-4-2で、ゲルマン魂の発露に賭ける。
アンティッチも守備に奔走していた中盤のニンコヴィッチとクズマノヴィッチを、
カチャルとペトロヴィッチに替えて、なりふり構わず1点を守りに入る。
84分、ポドルスキのミドルは力が入りゴール右へ。
それでも折れずにチャレンジし続けるメンタルの強さは見習うべきものがある。
89分、とうとうメルテザッカーも最前線に上がる。実質2バックで凄まじい圧力。
92分、パワープレー、ゴール前のこぼれ球にケディラ、
飛び込んだスボティッチがブロック。集中は途切れない。
セルビアからすれば待ちに待ったホイッスル。ストイコヴィッチ咆哮。
これだからサッカーはわからない。審判、PKなどなど様々な要素が作用しあい、
戦前では考えにくかったセルビアの勝ち点3獲得で、
グループDはやはり死のグループへと90分でその姿を変えた。

ドイツ 0×1 セルビア
【得点者】
セルビア:ヨヴァノヴィッチ①(38分)
【警告/退場】
ドイツ:クローゼ①(12分)②(37分)→退場、ケディラ①(22分)、ラーム①(32分)
    シュヴァインシュタイガー①(73分)
セルビア:イヴァノヴィッチ①(18分)、コラロフ①(19分)、スポティッチ①(57分)
      ヴィディッチ①(59分)
【交替】
ドイツ:エジル→カカウ(70分)
    ミュラー→マリン(70分)
    バドシュトゥバー→ゴメス(77分)
セルビア:ニンコヴィッチ→カチャル(70分)
      クズマノヴィッチ→ペトロヴィッチ(75分)
      ヨヴァノヴィッチ→ラゾヴィッチ(79分)
【AD的Man of the Match】
ミロシュ・クラシッチ(セルビア)

写真は、PKをストップしたストイコヴィチが所属する「ウィガン」
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AD土屋

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