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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月17日

(16)グループH スペイン×スイス

foot!
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グループG
2010/6/16 16:00 モーゼス・マビダ(ダーバン)
スペイン×スイス

天候:晴れ 気温:20度 観客:62,453人
主審:ハワード・ウェブ(イングランド)

【スペイン】
GK
1 イケル・カシージャス(C)
DF
15 セルヒオ・ラモス
3 ジェラール・ピケ
5 カルレス・プジョール
11 ジョアン・カブデビラ
MF
16 セルヒオ・ブスケッツ
14 シャビ・アロンソ
21 ダビド・シルバ
8 チャビ・エルナンデス
6 アンドレス・イニエスタ
FW
7 ダビド・ビジャ
SUB
12 ビクトル・バルデス
23 ホセ・マヌエル・レイナ
2 ラウール・アルビオル
4 カルロス・マルチェナ
17 アルバロ・アルベロア
10 セスク・ファブレガス
13 ファン・マヌエル・マタ
18 ペドロ・ロドリゲス
20 ハビ・マルティネス
22 ヘスス・ナバス
9 フェルナンド・トーレス
19 フェルナンド・ジョレンテ
監督
ビセンテ・デル・ボスケ(スペイン国籍)

(4-2‐3-1)
---------ビジャ--------
-------------------
--イニエスタ---チャビ---シルバ--
----X・アロンソ--ブスケッツ----
-------------------
-カプデビラ-プジョール--ピケ--S・ラモス-
-------------------
--------カシージャス--------

【スイス】
GK
1 ディエゴ・ベナーリオ
DF
2 シュテファン・リヒトシュタイナー
4 フィリップ・センデロス
13 シュテファン・グリヒティング
17 レト・ツィークラー
MF
7 トランキロ・バルネッタ
6 ベンヤミン・フッゲル
8 ギョクハン・インレル(C)
16 ジェルソン・フェルナンデス
FW
19 エレン・デルディヨク
10 ブライズ・エンクフォ
SUB
12 マルコ・ヴェルフリ
21 ジョニー・レオーニ
3 ルドヴィク・マニャン
5 スティーヴ・フォン・ベルゲン
22 マリオ・エッジマン
11 ヴァロン・ベーラミ(負傷)
14 マルコ・パダリーノ
15 ハカン・ヤキン
20 ピルミン・シュベクラー
23 シェルダン・シャキリ
9 アレクサンデル・フライ(負傷)
18 アルベルト・ブニャク
監督
オットマール・ヒッツフェルト(ドイツ国籍)

(4-4‐1‐1)
----------エンクフォ----------
---------------------
---------デルディヨク---------
-G・フェルナンデス-インレル-フッゲル-バルネッタ-
---------------------
-ツィークラーグリヒティング-センデロス-リヒトシュタイナー-
---------------------
---------ベナーリオ---------

【マッチレポート】
世界中が待ち望んでいた、優勝候補の大本命スペインがダーバン見参。
わざわざグループリーグ第1節の最終日に出てくる日程の妙も役者の証。
85年夏の甲子園で7日目に出てきたPL学園みたいなものか。
世界中の多くに負けを望まれているかのような雰囲気すらあるスイスも、
その守備には定評もあり、現在ワールドカップは4戦連続無失点中。
試合の構図は容易に想像できたし、実際その想像通りの展開が
ピッチ上では繰り広げられた。
スペインのシステムは4-2-3-1。ブスケッツとシャビ・アロンソがドイスボランチに入り、
その前に右からシルバ、チャビ、イニエスタ。1トップはビジャ。いやはや、超豪華。
対するスイスは4-4-1-1に近い布陣。
中盤にバルネッタ、フッゲル、インレル、G・フェルナンデスはフラット、
その前にデルディヨク、その前にエンクフォ。
序盤からややG・フェルナンデスは前への色気を見せるシーンもあったが、
大半は8枚がしっかり2ラインでブロックを築き、ゴール前を固めていく。
回る回る、ボールは回る。15分までのポゼッション率はスペイン78%。
しかし、シュートは1本も打つことができない。スイス、ここまではプラン通り。
最初のシュートは17分、シルバのミドルがGKベナーリオの腕に収まった。
24分にはセットプレー崩れから、イニエスタのスルーパスはピケの足元へ。
インテル戦でも見せた、FW以上にFWらしい完璧なフェイントで
グリヒティングをかわしてシュート、ベナーリオのファインセーブ。
ゴールにはならなかったけどピケ、それは上手過ぎるだろ。
26分、ようやくスイスはFKからツィックラーがやや弱々しいシュート。
これはスイスに記録された前半唯一のシュートとなる。
31分、ゴール中央20m強の距離からビジャのFKはカベに当たってゴール左へ。
ここからの15分あまりは、ビジャがそれまでとは違って広範囲に動き始める。
それによってスイスDFラインの背後を取るシーンも出てきたことで
硬直しかかっていたスペインに、潤滑な攻撃が取り戻されていく。
45分、そのビジャがラインの裏へ抜け出し、ループ。
ヒットせず枠には飛ばなかったが、少しゴールへの予感は生まれたような形で
前半は終わる。当然、スイスからすれば36分にセンデロスが負傷で下がり、
フォン・ベルゲンが急遽投入されるという、CB同士の予期せぬ交替が
あったということを考えても満点に近い45分間だったと言えるのではないか。

後半もスペインは飽きずに攻撃を続ける。
47分、チャビの右CKは密集を避けてマイナスに。シャビ・アロンソはフリーでミドル。
ボールはクロスバーを越えていったが、おそらく練習通りの形。
思わずデル・ボスケも悔しがる姿が映し出される。
51分も起点はショートコーナー、チャビ、イニエスタ、シャビ・アロンソのパス交換から、
イニエスタのクロスはファーでフリーのプジョールがヘディング、
シルバのシュートはヒットせず枠を外れるが、これだけ中央を固められたら
セットプレーは大きな武器になる中で、2回効果的なフィニッシュへの形を創る。
ところが、このシュートミスからのゴールキックが結果的にゲームの分岐点に。
ベナーリオのキックはデルディヨクと競ったブスケツの頭に当たって、ゴール方向へ。
拾ったエンクフォのパスはプジョールとデルディヨクのパチンコから
デルディヨクの前へこぼれる。カシージャスは手ではなく足で飛び込む。
一瞬早く触ったのはデルディヨク。ピケに当たり、デルディヨクに当たり、
拾ったG・フェルナンデスのシュートは、ピケが体でブロック、
それを再びG・フェルナンデスが押し込む。
そこかしこでどちらにボールがこぼれるか、フィフティの可能性がすべて味方した一発。
守って守って守り倒していたスイスが何とも皮肉な先制ゴールを挙げてしまった。
58分、イニエスタからビジャのシュートはGKキャッチ。
60分、チャビのCKからセルヒオ・ラモスのヘディングはバーの上へ。
61分、チャビのスルーパスにビジャが抜け出すもベナーリオが飛び出してファインセーブ。
もちろんこれだけ引かれたら崩すのが難しいのはわかる。
それでも、この日のスペインは中央中央にボールが集まり過ぎていたし、
連携も含めて、あまりに工夫が足りないようにも映る。
業を煮やしたデル・ボスケの決断は61分。
ブスケッツ、シルバOUT、トーレス、ヘスス・ナバスIN。
ポゼッションの中で“槍”が不足していた印象のスペインに
今シーズンのリーガ最高クラスの“槍”が右サイドへ加えられた。
負傷明けで試合勘に不安の残るトーレスも
68分、70分と連続してシュートを放つなど、得点への意欲を隠さない。
同じく70分、チャビのCKは23分前と同じく後方にいたシャビ・アロンソへ。
高性能中距離砲は2度同じ過ちを繰り返さない。低く抑えたミドルは枠内へ。
しかし枠内と枠外の間、すなわち“枠”であるクロスバーを直撃。スコア動かず。
72分、チャビのサイドチェンジ、ヘスス・ナバスが
トラップミスを強引に修正してフィニッシュ。
74分、チャビのFKはセルヒオ・ラモスの頭に合うも、ピケがオフサイド。
するとスイスのカウンターが再び猛威を奮う。時間は74分。
デルディヨクがエンクフォとのワンツーで抜け出す。
デルディヨク、ピケをかわす、デルディヨク、プジョールをかわす、
デルディヨク、右足アウトでシュートはカシージャスを破るも、右ポストに阻まれる。
22歳の新鋭がスペインを手玉に取るも、追加点は奪えない。
77分、負傷のイニエスタOUTでペドロIN。
あらゆるコンペティションでゴールを奪ってきた男が
世界最大の祭典でもそのツキを存分に発揮するのか。
終盤のスペインは執拗なまでにヘスス・ナバスへボールを集める。
78分、ヘスス・ナバスのミドルはわずかにゴール左へ。
85分、ヘスス・ナバスのクロスはビジャが落とすもトーレスには届かず。
87分、ヘスス・ナバスのクロスはトーレスがボレーも大きく枠外へ。
そのほかのクロスはフォン・ベルゲンとグリヒティングを中心とした
スイス守備陣が確信と最大限の集中を持って弾き返し続ける。
追加タイムは5分。本当に?
それでもスイスは耐える、耐える、ひたすら耐える。
もはや90分を6分も過ぎたラストプレー。
ヘスス・ナバスのCK、DFのクリア、チャビのボレーも枠に飛ばない。
ハワード・ウェブのホイッスル。タイムアップ。
グループリーグ第1節の最終戦にジャイアント・キリングが待っていた。
スイスはワールドカップにおける5試合連続完封で会心の勝利。
これでスペイン優勝のオッズに変化はあるのだろうか。

スペイン 0×1 スイス
【得点者】
スイス:G・フェルナンデス①(52分)
【警告/退場】
スイス:グリヒティング①(30分)、ツィークラー①(73分)ベナーリョ①(90+1分)
     ハカン・ヤキン①(90+4分)
【交替】
スペイン:ブスケッツ→トーレス(61分)
      シルバ→ヘスス・ナバス(62分)
      イニエスタ→ペドロ(77分)
スイス:センデロス→フォン・ベルゲン(36分)
     デルディヨク→ハカン・ヤキン(79分)
     バルネッタ→エッジマン(90+2分)
【AD的Man of the Match】
シュテファン・グリヒティング(スイス)

写真は、殊勲の決勝ゴールを決めたG・フェルナンデス所属の「サンテティエンヌ」
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AD土屋

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