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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2009年12月24日

インカレ準々決勝 中央大×福岡大@江戸川

foot!
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東海を2位で抜けてきた中京大との初戦を危なげなく制した前回大会の王者・中央大。夏の全国制覇で「どこのチームも必死に当たってくるようになった」(福岡大・乾真寛監督)難しさを初戦で体感した福岡大。先日発表されたイエメン戦に臨む日本代表に永井謙佑(3年・九州国際大付)が選出された影響もあって、観客もメディアも多数訪れたゲームは「総力戦と呼ぶにふさわしい壮絶な試合」(乾監督)となりました。立ち上がりは非常に動きの少ない静かな展開。中盤に技術の高い選手を揃える中大がキープでは上回るものの、フィニッシュへと結び付くまでの効果的な攻撃は繰り出せず。19分には関東得点王の鈴木寛一(4年・浦和東)がワンチャンスをモノにして先制しますが、前半の中大は本当にワンチャンス。一方の福岡も、20分にカウンターから前山恭平(4年・佐賀北)が中大GK小野博信(4年・水戸内定・韮崎)にファインセーブを強いたのと、43分に中盤で永井が奪ったボールを起点に、藤田直之(4年・東海第五)のシュートがGKを破りながら、中大DF新井辰也(4年・名古屋内定・都立日野台)のスーパーカバーを引き出した2回が数少ない見せ場。前半は中大リードで折り返しました。「あまりにも前半はウチの出来が悪かった」と嘆いた乾監督は、後半開始から切り札の高橋祐太郎(4年・三潴)を早くも投入。永井との2トップにシフトすると途端に「中盤をフラットにして、最終ラインも高めにして、一気に戦い方を変えた」(乾監督)福岡がペース奪還。50分にはその高橋がフィードを収めて絶妙なスルーパス。受けた前山はGKをかわしながら、シュートを枠外へ。62分には末吉隼也(4年・東海第五)のFKを高橋がとんでもない打点からクロスバーにぶち当てる、凄まじいヘディング。一気に勢い付く福岡。そして68分、とうとう中大ゴールをこじ開けます。フィードに当然の如く高橋が競り勝つと、岸田翔平(1年・大分U-18)が中へ折り返し、藤田が左スミへ流し込む冷静なフィニッシュ。同点に追い付きました。90分では決着が付かず、迎えた延長もペースは福岡。すると94分、左サイドをSBの福井諒司(4年・C大阪U-18)が鋭いキックフェイントで突破。マイナスの折り返しを藤田がエリア外からダイレクトで叩くと、これが勝ち越し弾に。1-2、攻勢の福岡がこのゲーム初めてリードすることになりました。展開、流れから考えるともはや決着は付いたと誰もが思ったはず。しかし連覇への執念。108分、セットプレーの流れから永木亮太(3年・川崎U-18)が上げたロブ、山田佑介(4年・川崎U-18)が競り勝ち、拾った村田翔(4年・水戸内定・FC東京U-18)は最高のトラップで縦へ持ち出して右足を振り抜くとボールはサイドネットへ一直線。中大は死なず。2-2、同点。終わらないドラマ。109分、縦へのフィード、フィフティのボールを永井がキープ、キープ。右にはフリーの岸田。出した永井。受けた岸田。思い切り右足で打ち抜いたボールは右のポストを叩いて、左のサイドネットへ。「前半45分で替えるつもりだったが勢いがあったので」(乾監督)109分間ピッチに立ち続けた1年生が大仕事。2-3、これで打ち止め。あまりに峻烈で、あまりに劇的なゲームは福岡に凱歌が上がりました。最後に力尽きた中大。それでも敗北で、この110分間の価値が色褪せることは微塵もありません。前回王者の名に恥じることのない、堂々とした散り際だったと思います。勝った福岡は、1回戦に続いて高橋の投入がゲームの流れを大きく変えました。乾監督も言及していましたが、ほぼ100%に近い勝率を誇る競り合いの高さは、大学の先輩・田代有三クラス。永井に注目が集まる中で、しっかりと自分の仕事をまっとうする姿も含めて、非常に印象に残る選手です。各メディアには永井の話題と結果が数行掲載されるだけでしょうが、それで終わらせるにはあまりに勿体ない、珠玉の名勝負だったと思います。   AD土屋




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