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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
ここまで積み重ねられた試合数は48。8ヵ月にも及ぶ長く険しい戦いをくぐり抜け、4位と3位として対峙する甲府と湘南。今日までに獲得してきた勝ち点は共に91。得失点の差もわずかに1。2009年シーズンのJ2は、49試合目に大舞台を用意していました。甲府出身のルーキー小池悠貴がマイクパフォーマンスで盛り上げ、歌声と手拍子で溢れるスタジアム。数で圧倒する甲府サポーターはワインレッドと青。精鋭が駆け付けた湘南サポーターは青と黄緑。スタンドが360度コレオグラフィで埋め尽くされ、最高の雰囲気の中で大一番はキックオフを迎えました。まず1分、大西容平のFKをファーでフリーになったキム・シンヨンが合わせるも、GK野澤洋輔が足で弾き出すと、4分には田原豊からパスを受けたアジエルの右足シュートが右のポストを直撃。立ち上がりからフルスロットルの両チーム。すると6分で早くもスコアに変動。湘南の素早いカウンター、収めた田原が左へ。追い越してきた中村祐也は、スピードに乗ったドリブルから完璧なシュートを右隅へ。アウェイチームが先制します。さらに10分、中村とのワンツーで左サイドを抜け出した寺川能人のクロス、アジエルが落とすと走り込んだ臼井幸平は思い切り良く右足一閃。ボールはサイドネットを揺らし、いきなり湘南が2点をリードする展開となりました。さて、「ボールの取られ方が悪く、対応もうまくできなかった」(甲府・秋本倫孝)ことで失点を重ねた甲府。山本英臣、ダニエルという不動のCB2枚を出場停止で欠き、慣れない顔触れで組まれた久々の4バックがいきなり攻撃時におけるリスク管理の甘さを突かれ、劣勢に立たされますが、「25分を過ぎてしまえば相手の足が止まるのはわかっていた」と甲府・安間貴義監督。実際に20分を過ぎると、「点を取られてからは、よりシンプルに」(秋本)右サイドを中心にアーリークロスやドリブルでの仕掛けなどが目立ち始めた甲府が攻勢に。そして25分、やはり右サイドに流れたマラニョンがクロスを送ると、ジャーンがなんと空振り。キムが冷静に流し込み、1点差に詰め寄りました。その後も急ぎ過ぎるくらいに、前へ前へとボールを運ぶ甲府の中で目立ったのは、ダイヤモンド気味の中盤で頂点に入った藤田健。「前に突っ張ってくれてればいいけど、下がって受けたりしていた」と湘南のアンカー・田村雄三が話したように、自在なポジショニングでピッチを浮遊しながら、要所で顔を出すタイミングも絶妙。甲府優勢でハーフタイムを迎えました。後半も流れは変わらず。ただ、甲府が繰り出すサイド攻撃の比重が左多用に。SBに入った吉田豊もオーバーラップを繰り返し、チャンスを窺います。60分、小瀬鳴動。CBの秋本がドリブルからシュート、DFに当たったルーズボールはエリア内に。いち早く反応した大西と島村毅が接触すると、かなり微妙な場面でしたが西村雄一主審は迷わずPKを宣告。マラニョンのキックは左、野澤も左に跳んだものの、揺れたゴールネット。2-2、意地と意地の激突は壮絶を極めていきます。先に動いたのは反町康治監督。68分、先制ゴールの中村に替えて、前節のヒーロー・阿部吉朗を投入。76分、安間監督も決断。大西を下げて、片桐淳至を2トップ下へと送り込みます。80分、上がっていた杉山のシュートは野澤ファインセーブ。82分、自らが蹴ったCKの流れから再び片桐がクロス、林健太郎の決定的なヘディングはバーの上へ。83分、片桐の左クロス、マラニョンのヘディングもバーの上へ。「7割くらい向こうが攻めていた」(田村)「6、7割方は向こうに転んでる可能性が高かった」(反町監督)と2人が口を揃えた、後半劣勢の湘南。しかし、ここから今シーズン何度も繰り広げられてきたドラマの最終幕が上がります。88分、アジエルのスルーパスから臼井が抜け出し、GKに阻まれるも惜しいシュート。91分、アジエルの右クロス、途中出場の永田亮太が決定的なシーンもボールは枠外に。そして93分、アジエルのFK、「ロスタイムだから行かなくちゃって思いが強過ぎた」GK阿部謙作は飛び出すも触れず、ジャーンがヘディング。クロスバーに当たり、跳ね返ったボールは「直前の2つの決定機でもしかしたらという雰囲気は出た。何となく自分の前にこぼれてくるような気がしていた」という坂本紘司の前へ。落ち着いて得意の左足から放たれたシュートは、ゴール右隅へと吸い込まれます。湘南在籍9年目の最古参。Jリーグ通算出場364試合はすべてJ2。「ベルマーレでJ1に行きたい」という“ミスターベルマーレ”の決勝弾。「全力を出して負けた。警戒していてもセットプレーでやられたというのは、湘南の勝負強さの方が一枚上手だった」と安間監督。「どっちに転んでもおかしくなかった」(反町監督)魂が交差する一戦は湘南に凱歌が上がりました。敗れた甲府は4-4-2も機能し、大半の時間で押し込んでいただけに、序盤の2失点が惜しまれます。それでも「僕たちが諦めたらリーグは終わってしまう。諦めの悪い人間なんで諦めていない。残り2試合、最後の最後までベストを尽くすことをお願いした」と安間監督は語りました。勝った湘南は、今シーズン10回目となるロスタイム弾での劇的な幕切れ。「最後の笛がなるまで湘南のサッカーをしよう」という指揮官の言葉を、見事に選手たちが体現してみせました。長く記憶に残る、極上の98分間だったと思います。 AD土屋
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