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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年06月21日

J2第22節 湘南×札幌@平塚

foot!
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試合後、「久しぶりにベンチの前でガッツポーズなんかしてしまいまして」と語った湘南・反町康治監督。こちらで勝手に補足させてもらうと「しかも“2回も”」。ただ、その2回は間違いなく、ベルマーレというクラブに関わる全ての人の気持ちそのものだったと思います。霧状の雨がピッチを覆い、もやがかかったように見える中、序盤からゲーム自体も視界同様スッキリしません。10分にはエリア内で中村祐也が、田原豊との巧みなワンツーから落ち着いて先制点を奪いますが、湘南が前半に掴んだ決定機はこのシーンのみ。なかなかボールの収まり所が見つからず、臼井幸平、鈴木伸貴の攻撃的な両SBもほとんど上がることができません。対する札幌も4試合ぶりに戦列復帰したクライトンと周囲がなかなか合わず、時折見せる藤田征也の仕掛けに可能性を感じる程度。42分、クライトンのCKからチョウ・ソンファンが頭で狙うも、野澤洋輔のファインセーブに阻まれ、石崎信弘監督も「すごく消極的」と振り返った前半はホームチームが1点をリードして淡々と終わりました。後半は開始から札幌が動きます。左SHの岡本賢明を下げて中山元気を投入し、「向こうは3トップなのでかなりリスクを賭けて」(石崎監督)3-5-2にシフト。するといきなり47分、ロングボールを収めた宮澤裕樹がジャーンに倒され、PK獲得。クライトンが沈めて点差は1点に。前半途中で退いたキリノとは違い、ターゲットタイプが前線に入ったことで「中山さんにボールが収まって、基点を作られた」とは湘南のアンカー田村雄三。反町監督も「中山への対応が遅れたのは正直あると思う」と認めています。すると、58分には藤田の右クロスに「ボランチからサイドに移ったばかり」の西大伍がファーから中へ飛び込んで、ヘッド。あっと言う間にスコアは引っ繰り返りました。さて、逆転した石崎監督は「リスクを回避し、前掛かりに来る相手に対してカウンターを狙おう」と再び4-5-1へ。これに対して、反町監督はまず60分に中村と阿部吉朗をスイッチ。さらに70分には左SBの鈴木に替えて島村毅を送り込み、田原と2トップを組ませた3-5-2で勝負に出ます。それでも目立ったチャンスは創れない中、反町監督は「こっちの2トップに相手の4バックが引っ張られている」と冷静に分析。「前にタイミングよく出る力とスピードはピカイチ」と評する猪狩佑貴を81分、12節に5分間起用して以来、今シーズン2度目となるピッチに解き放ちます。すると直後の83分、前に上がっていたジャーンへのロングボールは阿部の下へ。一度クリアされたボールを、再び阿部が左足ボレー。2-2、反町監督1回目のガッツポーズが飛び出します。さらに平塚劇場はここで終わらず。87分、アジエルがノールック気味に中央へ。後方から飛び込んできたのは猪狩。「ファーストタッチがうまくいった」(猪狩)流れでシュートを放つと、直後揺れたのはゴールネット。昨年はJFLの佐川印刷で武者修業。「午前中練習して、午後は1時から6時まで工場の仕事をしていた」という、ジュニアユースからの生え抜きが大仕事を果たしてみせます。監督はベンチの前で“2回目”のガッツポーズ。それ以外の選手、スタッフはほぼ例外なく猪狩の下へ全速力で駆け付け、歓喜のピラミッドを形成。スタジアムの沸点も絶頂に達し、湘南が再逆転で勝ち点3を強奪する結果になりました。前半は低調だったにも拘らず、後半は両指揮官の采配、そしてそれをも超える選手のパフォーマンスが激しく交錯する好バウト。それを締め括ったのが「去年1年頑張ってきて、チャンスが結果に繋がった」と笑顔を見せた猪狩というのも“粋”でした。この決勝点には反町監督も「サッカーに対して真摯に取り組む姿勢がこの1点に集約されている」と話し、「あのゴールで猪狩の次に嬉しいのは私です」と親心を垣間見せました。札幌サイドの心中はお察ししますが、それでも湘南におけるシチュエーション、そして結果を前にすると、改めてフットボールの素晴らしさを実感させてくれる1日になりました。   AD土屋




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