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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年06月04日

J2第19節 湘南×熊本@平塚

foot!
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20分を過ぎた頃、いつも前半はベンチにどっかり腰を下ろしている反町康治監督がテクニカルエリアまで飛び出し、アンカーの田村雄三を呼び寄せて指示。中盤を坂本紘司とのドイスボランチに変更します。明らかにいつもとは違う光景。この時点で「翻弄されて修正ができなかった」(湘南・寺川能人)ホームチームは2点のビハインドを負う展開を余儀なくされていました。ゲームが始まると、まず目に付いたのは熊本・藤田俊哉のポジション。予想に反して、3トップの中央に位置を取ります。その実は「ゼロトップみたいな感じ」(熊本・北野誠監督)。最前線で、下りてきて中盤で、時にはサイドで、精力的にボールを収め、周囲は「俊哉さんに入ったらどんどん追い越していく」(熊本・西弘則)ことを徹底。ターゲットは「田村を動かしたスペース」(北野監督)。入れ替わり立ち替わり次々とバイタルに侵入する熊本に対して、「後ろのラインが慌てふためいた」(反町監督)湘南は後手を踏み続けます。15分、山本翔平が中央をドリブルで持ち上がり、藤田が右に繋ぐと、思い切りのいい西のシュートは左ポストの内側を叩いて先制点。18分、細かいパスワークから右へ展開、宇留野純のクロスを藤田がシルクタッチで落とし、またも西がゴールに突き刺し2点目。ほとんど無抵抗のままに攻められ続けて迎えたのが冒頭の反町監督だった訳です。システム変更後は持ち直して膠着状態が続く中、38分には田原豊が難しい体勢からうまく落としたボールを寺川が冷静に蹴り込んで1点差に迫りましたが、前半追加タイムには「今シーズン初めてのCKからの得点」(北野監督)を18歳のチョ・ソンジンに叩き込まれ、再び2点差。内容に見合った結果とはいえ、かなり意外なスコアで45分は過ぎ去っていきました。後半開始から投入されたトゥットも「自分が何かしなきゃいけない気負い」(反町監督)からか不発。53分にはアジエルのスルーパスを受けた田原がGKとの1対1に敗れ、湘南はなかなか点差を詰められません。一方の熊本は55分に木島良輔を投入。「無理に前へ出ていかずに落ち着いてやっていこう」と話した藤田を中盤に落とし、こちらも石井と山本をドイスボランチに置く4-4-2にシフトします。61分には再びアジエルのスルーパスが田原へ渡り、今度はGKに倒されPK獲得。これをアジエルがキッチリ決めて1点差に迫ったものの、要所に経験豊かなベテランを配す熊本が、スタンドまでイライラさせる老獪な時間の使い方で、一歩一歩確実に勝利へと近付いていきます。それでもこれが今シーズンの湘南か。91分、FKから中央が混戦に。臼井のシュートは熊本DFがブロック、再び混戦になると足を伸ばしたのはジャーン。土壇場で追い付き、勝ち点1を拾ってみせました。はっきり言って湘南は完全な負け試合。今まで、特に試合の前半は内容が悪くても、結果には現れない流れがありました。しかし今日は完全なパニック下で2失点を喫し、さらにもう1失点と、勝ち点を得られる可能性はかなり低かったはず。それでも最後に追い付く辺りに、今シーズンの“持ってる”ものを感じました。熊本は1つの理想形が見えたゲームだったのではないでしょうか。本当に開始20分くらいまでのパフォーマンスは衝撃的。北野監督も「結果は出なかったがいいゲームはできた」と語っています。ただ、終盤はかなり疲弊していたのは間違いなく、あのスタイルを何分くらいまで保てるか、そのチームとしての運動量が今後の鍵になりそうな印象を受けました。    AD土屋




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