選手権が終わり、一段落着いたかに見えがちな高校サッカー界。しかし、それはあくまで3年生の話。早い地域では既に昨年から2009年度に向けたチーム作りはスタートしている訳です。ということで、今日は近年全国でも最激戦区の呼び声が定着しつつある千葉の新王者決定戦をチェックしてきました。気になるカードは、準決勝で渋谷幕張を4-1と逆転で下した市立船橋と、同じく準決勝で流通経済大柏にPK戦の末勝利した八千代。選手権予選のファイナルと同一カードです。試合が始まると、まず攻撃の時間を得たのは八千代。例年通りキッチリとパスを繋ぐスタイルは健在で、キャプテンのボランチ長澤和輝(2年)を中心に、ボールを散らしながらじっくり攻めていきます。しかし、なかなか決定的なシーンを創れずにいると、徐々に流れは市船へ。25分、箕輪誠也(2年)が惜しいシュートを放つと、31分には馬渡和彰(2年)のクロスに鈴木宏樹(2年)がニアへ走り込みダイレクトで合わせてゴール。完全に崩した形から市船が先制し、そのまま1点をリードして前半を折り返しました。後半に入ると42分、ようやく八千代に決定機。2列目から飛び出した長澤がGKと1対1になりましたが、シュートはわずかに枠の左へ逸れ、同点とはいきません。すると次のゴールも市船に。60分、中央を抜け出した雨宮拓也(2年)が冷静なフィニッシュ。差は2点に広がりました。決して悪くない八千代も、劣勢を跳ね返そうと反撃に出ます。実際チャンスも掴みましたが、66分の朝木伴幸(2年)の左足シュートはGKに弾かれ、75分に繰り出された石川誠也(2年)のボレーはクロスバー直撃。ツキにも見放された八千代はその後も自らのスコアボードを書き替えることはできず、市船が11月同様の完封勝利で返り討ちに。まずは県内1冠目を獲得する結果になりました。市船は選手権が終わってから1ヵ月弱にも拘らず、立ち上がりこそややバタつきましたが、早くも安定感のある試合運びができていました。馬渡や鈴木は昨年も主軸として活躍した選手。選手権で喫した初戦敗退の悔しさを糧に、リベンジへの第一歩をしっかりと着実に踏み出していますね。一方の八千代は、昨年もインターハイ、選手権とも市船に敗れて全国を逃しているだけに、そこを乗り越えるのは前年度からのレギュラーも多い新チームにとって最優先かつ最低ラインの課題。変わらぬパスサッカーを武器に、どういう結果を残していくのか。今年も千葉県は熱い戦いが期待できそうな面白いファイナルでした。ただ、試合が行われていた2時間弱の間だけ、予報もなかったくせに執拗な雨が降り、執拗な風が吹いていて、観戦には最悪のコンディションだったことは愚痴っておきます。スポレクにいたすべての皆さん、お疲れさまでした。　　AD土屋