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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2009年01月12日

高校選手権決勝 鹿児島城西×広島皆実@国立

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全国で何百何千と続いてきた激闘の果てに、「このメンバーでできる最後の試合」(広島皆実・金島悠太・3年)を国立競技場で迎えられる至福。大会史上87番目の王者を決するファイナルは、広島皆実と鹿児島城西、どちらが勝っても初優勝となる顔合わせとなりました。ゲームが始まると、まずペースを掴んだのは皆実。「中盤でボールを持ち続けてチャンスを伺うことが最大の守備になる」(広島皆実・藤井潔監督)と、しっかり繋いでサイドを突く狙いを忠実に実行。5分にはFKから最後は相手のクリアを強奪した玉田耕平(3年)、13分にはサイドチェンジを受けた右SBの村田俊介(3年)が惜しいシュートを放ちます。そんな中、試合の流れを度外視するキレを見せたのはやはり大迫勇也(3年)。まず17分、ニアに飛び込むダイビングヘッドで観衆を沸かせると、さらに20分、中央で3人に囲まれながらキープすると混戦の中にも拘らずボールはことごとく大迫勇の足元へ。鋭い振りのシュートがGKを破ります。最もゴールを期待される男が、運をも味方に大会10ゴール目を挙げ、城西が先手を取りました。自分たちの時間帯で失点を許した皆実。ただ、監督・選手が口を揃えたのは「失点は覚悟していた」こと。すると失点にも流れを手放さず23分、左から浜田晃(3年)が逆サイドへ送り、佐々木進(3年)は頭で折り返すと、そこには「アイコンタクトできていた」という金島。強烈なボレーが突き刺さり、「自分たちの得意な形」(金島)でたちまち同点に追い付きます。さらに33分には、素晴らしいサイドチェンジから金島が仕掛け、そのこぼれ球を拾った谷本泰基(3年)は2人をかわすと、サイドネットへ豪快なゴール。ゲーム内容に比例した結果を得た皆実が、1点のリードを確保して前半を終えました。さて、1点こそ奪ったものの、なかなか攻め手が見出だせない城西。「負けたくない気持ちからリスクを負わないサッカーになってしまった」と見た小久保悟監督は、2トップへのフィードに終始してしまった状況に対して、「DFラインで奪ったら中盤へ付けよう」と修正。さらに負傷を抱える大迫希を諦め、「ゲームの流れを変えられる」(同)切り札的存在の平原慎也(2年)を早くも投入してきました。後半も、まずは皆実の効果的なサイド攻撃が目を引く展開となりますが、徐々に一進一退の攻防が繰り広げられていきます。そんな中、一瞬の隙を突いたのは城西。62分、ボールを受けた大迫勇がシンプルにはたくと、平原は右サイドを崩して中へ。「(大迫勇に)マークが集中し過ぎて空いてしまった」(広島皆実・松岡祐介)スペースには野村彰悟(3年)。冷静に流し込んで、こちらも大迫勇と同様の6戦連発弾。ゲームはまたも振り出しに戻りました。再び嫌な流れに巻き込まれた皆実でしたが、それでも下を向かずに立ち上がると、またもや失点直後のリカバリー。66分、右SBの村田がドリブルでサイドを切り裂きクロス。「逆サイドのマークをしっかりとコーチに言われていた」(鹿児島城西・神園優)城西でしたが、ファーサイドまでは付き切れず、フリーの金島が頭でズドン。準々決勝まではノーゴール、「調子が上がらなくて苦しかった」(金島)ストライカーのドッピエッタで、またも皆実がリードを奪う格好に。ゲームは激しく変容していきます。変わらず2トップに素早く預ける形を貫く城西。繋ぐことで逆にリスクを回避していく皆実。78分、藤井監督は玉田と秦和広(2年)の交替で、4-4-2から4-5-1へとお馴染みのシフト。82分に得たFKのチャンスも、中へは放り込まずにコーナーでのキープを選択し、逃げ切りを図ります。城西も何とか前へボールを付けるものの、焦りから単調に放り込み、跳ね返されるばかり。時間はジワジワと消費される一方。2分が掲示された追加タイム、FKには「どんな形でもゴールしたかった」GKの神園も上がりますが、チャンスには至らず。城西が得意とするはずの点の取り合いを制した皆実が、「1年間目標に戦ってきた」(松岡)全国制覇を成し遂げました。惜しくも準優勝となった城西の小久保監督は、「どうしても2トップ頼みになってしまった。(大会を通じて)結果ばかりが先走って内容が付いてこなかった」とサバサバした表情。「結果は負けだが鹿児島代表としてピッチですべて出し切れた」(野村)「泣くような結果じゃない。楽しかったし満足している」(神園)と選手も充実感を口にしていました。一方、栄冠に輝いた皆実。今大会に限らず守備力がクローズアップされる中、「ベスト8の壁を打破するためにとにかく攻撃力を上げたい」(藤井監督)と“堅守強攻”を掲げた1年。その総決算で「今までで一番“堅守強攻”ができた」と胸を張ったのは金島。大一番で攻撃に攻撃をもって制した守備のチームの戴冠。サッカーの面白さを、また1つ勉強させてもらいました。  AD土屋




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