三ツ沢での準々決勝第2試合は、2回戦でPK戦を経験し勝ち上がってきた滝川第二と3試合で16得点、エース大迫勇也も3試合連続2得点と絶好調の鹿児島城西との対戦。鹿児島城西は3回戦で退場したGKが代わった以外は不動のスタメン。試合後「彼は強烈すぎる。マークを2人つけることも考えたけど、それでもたぶんやられてた」(滝川第二・栫監督)と敵将も脱帽したようにこの日も大迫勇也の試合になりました。まずは前半4分、フリーで打ったシュートはクロスバーの上へ。その直後には大迫勇也がヘディングで競って裏に抜けたボールにMF大迫希がすばやく反応し落ち着いてGKをかわして決め、いきなり先制点に絡んでみせます。滝川第二にはMF安田の意外性のあるロングシュートがクロスバーに当たるチャンスがありましたが13分、大迫勇也が中盤でボールを受けるとうまく体を使って振り向き「前にスペースがあったから」ドリブルでDFを振り切り、会場もどよめく右足ミドルを突き刺します。彼の良い所が凝縮されたゴール。右足でも左足でも振りの早い強烈なシュートが打てるのも彼の強味のひとつでしょう。そして25分にはFKに素早く抜け出し「良いボールが来たし、GKが前に出てくるのが見えたから」と、冷静にGKの上を抜くループシュートを決めます。これで大迫勇也は驚異の4試合連続2ゴールを前半25分にして記録。さらに前半終了間際には、しっかりボールを収めてからの浮き球のスルーパスで野村の4試合連続ゴールもアシストし試合は前半で4‐0。滝川第二は全体的にサポートが少なく攻撃が単調でした。お互い1人の選手を交代させ後半がスタート。鹿児島城西は、前半の勢いそのままに後半開始5分、交代出場した2年生MF平原が角度のない所から決め5‐0。平原は59分にも大迫勇也のシュートをGKが弾いたこぼれ球を押し込みます。その後も大迫勇也には何度かハットトリックのチャンスがあるも決められず。滝川第二は大量得点にも集中を切らさない鹿児島城西DFラインを崩せずにいましたが、試合終盤「イエローカードなどを意識し過ぎて守備が緩くなった」(鹿児島城西・FW大迫勇也)、すると運動量で滝川第二が圧倒し始めMF矢野と交代出場のFW大村が意地の2ゴールを返しますが反撃もここまで、6‐2で試は合終了。鹿児島城西が初のベスト4進出を決めました。「前半のいい時間帯に点が獲れた。2失点は修正したい」と鹿児島城西・小久保監督。大会の通算得点記録も更新しそうな勢いの“怪物”大迫勇也は「チームの為に点を獲りたい。もっと決定機を外さないようにしたい」と相変わらず淡々と語る、まだまだ底の知れない選手。共に攻撃力のあるチームだと思うので前橋育英との準決勝は楽しみです。　　　石神