圧倒的な攻撃力で2試合で9得点、そのうちFW大迫勇也(鹿島内定)が4得点と期待通りの活躍を見せている鹿児島城西と西京をPK戦の末に下してきた宇都宮白楊の対戦。鹿児島城西の攻撃力vs宇都宮白楊の守備力という試合前の印象でしたが試合はその印象通りの展開になりました。試合開始からわずか1分30秒。宇都宮白楊DFがロングボールの処理にもたつく間にFW大迫勇也がボールを奪い2トップのパートナー野村の3試合連続ゴールをアシスト。「最初の失点でプランが崩れた」(宇都宮白楊・只木監督)早過ぎる失点。さらに5分にも大迫勇也を起点に右MF大迫希(J2熊本内定)の折り返しをMF室屋に決められ宇都宮白楊は序盤から失点を重ねます。その後も『ふたりの大迫』を中心とした鹿児島城西の迫力に攻め手がなく防戦一方の宇都宮白楊。28分には相手ペナルティーエリア手前でボールを受けたFW大迫勇也がDFをかわして左足を鋭く振り抜くと強烈なシュートがゴールに突き刺さり前半で3‐0とほぼ試合を決めるファインゴールを挙げます。「とりあえず1点を返そう」(宇都宮白楊・只木監督)と、ハーフタイムに2人を交代させFWを3人に増やし送り出された宇都宮白楊。後半の立ち上がりは敵陣でのプレーが多くなり、攻撃でもいい形が作れるようになります。しかし46分に大迫勇也のアシストから追加点を挙げられ、67分にはまたも大迫勇也に上体をうまく使った反転から3試合連続の2ゴールとなる点を決められ、その後も立て続けに得点を許し試合は7‐0という一方的なスコアに。試合終了間際には宇都宮白楊の意地の攻撃をペナルティーエリア内でファールで防いだ鹿児島城西GK神園が一発退場になり、交代枠を使い切っていたためMF鮫島が急造GKになるというハプニングがありましたが7‐1という思わぬ大差で試合終了。試合後、両監督は「今日はリズムよくやれた」(鹿児島城西・小久保監督)、「スピードが全然違った」(宇都宮白楊・只木監督)と語り、この日も全得点に絡み自身も2得点を挙げ大会通算6得点とした大迫勇也のゴールはどちらも彼の能力の高さを示すものでした。日増しに注目度が上がっていることには「自分は自分のやれることをやるだけ」と淡々と語り、滝川第二との準々決勝については「総体、高円宮杯で立ちはだかったベスト8の壁を破りたい」と語った鹿児島城西FW大迫勇也。今大会ももちろんですが、今後の成長と活躍が本当に楽しみな選手です。　　　石神