凄く21世紀的な響きを持つ校名の情報科学と3回戦で当たるのは、開幕戦を制した鹿島学園。今大会は準決勝が埼スタで行われるため、「国立で2試合できるのはウチだけ。国立に戻りたい」(鹿島学園・鈴木雅人監督)という大きなモチベーションを抱き、昨日は優勝候補の野洲を撃破して勝ち上がってきました。今日も勢いそのままに序盤から鹿島学園がピッチをワイドいっぱいに使って、ポゼッションで圧倒。10分には素早いリスタートから金井洵樹(3年)のクロスを忍穂井大樹(3年)が頭で叩いて、早くも先制。さらに3分後には右サイドから崩すと、忍穂井のクロスにファーサイドで頭から飛び込んだのは右SBの阿渡真也(3年)。鈴木監督も「何でオマエがそこにいるんだみたいな(笑)ちょっとビックリした」と振り返るキャプテンの見事な一発で、2点のリードを奪いました。いきなり劣勢に立たされてしまった情報科学は左右に振られ続け、ボールを奪うのにまず一苦労。奪ってもすぐ押し寄せる相手の圧力を受け、ほとんど攻撃することができません。前半のシュートはCKからのヘディング1本のみ。かなり厳しく辛い40分間を耐える格好となりました。後半も立ち上がりからいきなり鹿島学園がチャンスを創るなど、ますます点差が広がりそうな雰囲気でスタート。しかし、情報科学の中津留正三監督は46分に岡本武(3年)をボランチへ投入。河野斗馬(3年)をボランチから右SBへシフトすると、ここから流れが変わります。エリア外から数本のミドルを枠内へと打ち込んで迎えた52分、河野が素晴らしいインターセプトからそのまま持ち上がりスルーパス。高平幸樹(3年)は確実に1人を切り返しでかわして狙いましたが、そこに滑り込んだ鹿島学園のディフェンスは3人。1点を奪えません。その後はお互い蹴り合うシーンが目立ち、やや情報科学ペースの時間が続いていく中、次のゴールも鹿島学園に。69分、またも素早いリスタートから左利きの右SH小黒翔太(3年)が冷徹にとどめの一刺し。押される時間帯で「しばらく耐えてカウンターで点を取る」(鈴木監督)という指示を完全に遂行した鹿島学園が試合を決めました。情報科学も77分、CKのこぼれ球を瀧本貴哉(3年)が押し込み、待望の今大会チーム初ゴールを挙げて意地を見せましたが、点差が詰まったのもここまで。鹿島学園がチーム史上初となる全国3連勝で、次のステージへと歩を進めました。鹿島学園にとって過去の最高成績は佐々木竜太(鹿島)を擁した3年前のベスト8。その成績に肩を並べ、さらにその先に待ち受ける戦いも選手たちは視界に捉えて来たでしょう。「とにかくチャレンジャー精神。当たって砕けないように頑張る」と鈴木監督。今大会、彼らのみに許された夢舞台での2試合目を戦うために必要な勝利はあと2つです。　 AD土屋