依然として冷たい風が強く吹く市原臨海での第2試合は、1回戦で京都橘を退けた前橋育英とPK戦の末、高知に競り勝った武蔵工大二の対戦。武蔵工大二は「相手のスピードのあるサイド攻撃を警戒して」(武蔵工大二・高橋監督)1回戦とはスタメンを3人入れ替え臨みます。序盤から個人技に優る前橋育英のポゼッションが高く主導権を握りますが、武蔵工大二もDFラインを高めに保ち踏張ります。しかし前半17分、強い風の影響もあって緩い浮き球から前橋育英FW西澤にそのDFラインの裏を取られ前橋育英が先制。前橋育英の選手たちはドリブルをするのかパスをするのかの選択と判断が非常に早く、中盤でのダイレクトパスや2列目の飛び出しから数多くのチャンスを作ります。前半29分にはMF佐藤穣(J2草津内定)が右サイドを完全に崩しMF中美のゴールをアシスト。武蔵工大二はあまりペナルティエリアに侵入することもできず試合は2‐0で折り返し。後半の出だしはハーフタイムに2人を交代した武蔵工大二がやや攻勢に出るも逆に前橋育英の鋭いカウンターを食らうようになり、51分に左からのクロスをフリーのMF米田に2試合連続のゴールをヘディングで決められ3‐0と突き放されます。前橋育英は、その後も個人技と細かいパスを絡めた多彩な攻撃から多くの決定機を作り、ミスの少ない危なげない試合運びで3‐0で勝利。試合後「相手のスピードについて行けなかった」と語った武蔵工大二・高橋監督。中でも前橋育英の両サイドバックのタイミングの良いスピードに乗った攻め上がりと正確なクロスが印象的でした。勝った前橋育英の山田監督は2試合連続無失点のDFラインにも「まだまだでしょう」、攻撃陣には「シュートを打てるとこで打ってない」と締めることを忘れずに、市立船橋を下した香川西との3回戦に関しては「市船の方が予想しやすかった。香川西とは対戦したことないんでやりにくい」と語ってましたがどうなるでしょうか。2試合連続ゴールのMF米田を始め、前橋育英は中盤の選手の得点能力の高さが強みでしょうか。しかし2回戦の勝ち上がりを見てみると高校サッカー勢力図は『西高東低』なんだなぁと改めて感じました。　　　石神