中学生年代では今年最後の全国大会。中体連、クラブユースがしのぎを削って日本一を目指すビッグトーナメントもいよいよベスト4。第1試合は、川崎、C大阪、柏などJのクラブユースを次々と撃破してきた、いわゆる街クラブのレオーネ山口U-15と、名門・FC東京U-15深川という対戦です。試合が始まるとすぐに目に付いたのはレオーネの特徴的なスタイル。DFラインはアルテ高崎以上に高く、ほとんどハーフウェーラインのすぐ後ろくらい。そして攻撃は徹底してショートパスと細かいタッチのドリブルで、同サイドを崩しにかかるといった形。一緒に見てた方も話してましたが、大木監督時代の甲府みたいな戦い方を採用しています。深川も序盤は面食らったのか、なかなかボールを奪えず、奪ってもまた相手の密集に飛び込んで再びロストというシーンが頻発。まずはレオーネが主導権を取り、先に2度の惜しいチャンスを創出します。しかし、そこはタレントが揃う深川。徐々に相手のペースにアジャストしていくと、18分には浅いラインに対して3列目からボランチの金田一樹(3年・大森SC)が飛び出し、GKとの1対1も冷静にフィニッシュ。まずは1点を奪いました。その後もレオーネは決してラインを下げずに応戦。深川も広大に見えるスペースを狙ってはいるものの、有効には使えない時間が続きます。ただ、常にあのDFラインの高さを保った状態で40分やれば、やはり数回はフリーで抜け出すシーンが生まれるのは避けられません。そして深川は前半終了間際、またも3列目から飛び出したボランチの野沢英之(2年・リオFC)が飛び出したGKをいとも簡単にかわして2点目。実質2度しか訪れなかった決定機を2度ともモノにする勝負強さで、大きなアドバンテージを得て前半を終えました。さらに後半に入ると明らかに勢いの差が明確になり、44分には二瓶翼(2年・JSC CHIBA)が左サイドからカットインすると3人のDFを振り切って右スミへ叩き込むゴラッソ。46分には相手GKのキックミスを中川大海(3年・太子堂SC)が拾って無人のゴールへ。4-0、大勢は決しました。一矢報いたいレオーネも久永翼(3年・レオーネ山口U-12)を中心に何とか攻めようとしましたが、前半のような細かい崩しは鳴りを潜め、最後までゴールは割れずにタイムアップ。深川が明後日の決勝へと進出することになりました。レオーネも、1人1人の技術が高く、試合を見れば彼らだとわかるような、らしさは存分に発揮してくれたと思います。U-15が頂点となるクラブだけに、ここから様々な進路を歩んでいく訳ですが、この“レオーネ”という名前には今後注目が必要な気がしました。なお、2試合目は札幌と新潟、Jのジュニアユース同士が対決。札幌が全体的に押し気味の中、新潟が早川史哉(3年・小針レオレオ)と若月洋(3年・小針レオレオ)のゴールで2点リード。後半終了間際に札幌も近藤勝成(3年・札幌FC)が1点返すも、それが精一杯。新潟が決勝へ進みました。その決勝は、明後日11時30分より国立競技場にて行われます。天皇杯準決勝の前に行われますので、チケットお持ちの方は是非こっちの決勝もお楽しみに！　 AD土屋