今日からベスト8に入った、クラブユース勢にとって今年度最後の大会となるJユースカップ。第1試合は2人のトップ昇格が決定している横浜FMユースと、チームとしての実績は突出していながらトップ昇格はゼロのFC東京U-18という好カード。ゲームはまず立ち上がり、ポゼッションで上回った横浜がペースを握ります。天皇杯を戦うトップチームへは合流せず、こちらに登場した齋藤学(3年・横浜FMJY)と、FWの一角を担う端戸仁(3年・横浜FMJY)が自由な位置取りでボールを引き出し、サイドへ展開。特に左から何度もいい形を創っていました。対する東京も中盤で劣勢を強いられますが、右サイドの山崎侑輝(3年・FC東京U-15深川)は個人技を発揮していいクロスを見せます。攻撃の仕掛けは共にバックスタンド側から。ただ、双方中央へと送るボールに精度を欠き、決定機が少ないのも同様。前半は横浜やや優勢も、動きの少ないままに45分を終えました。しかし後半に入ると一転、出足の良くなった東京が前へ。すると勢いそのままに50分、右サイドから山崎がシュート性のボールを中へ。岩渕良太(3年・FC東京U-15深川)が強引に合わせると、薄い当たりが幸いして緩やかな軌道は左スミへと飛び込み、先制点となりました。リードされた横浜も選手交替で齋藤をFWから右SHに移し、サイドに起点を求めるも奏効せず、もはや完全にノッてしまった東京が一方的に攻め続ける展開に。74分には山浦公裕(3年・FCトリプレッタ)がうまく時間を作って絶妙のスルーパスを送ると、岩渕が冷静にフィニッシュ。2点差となりました。意地を見せたい横浜は76分、左サイドから関原凌河(2年・ブレイズ熊本)のクロスを1分前に投入された荒井翔太(3年・横浜FMJY)が頭で押し込み、1-2。再び1点差へ。さらに79分にはCKのこぼれから齋藤がGKに阻まれるも、いいシュートを放つなど粘りを見せます。それでも1点をは遠く、逆に83分には東京の素早いCKに中央のケアが緩み、フリーで畑尾大翔(3年・三菱養和SC巣鴨)がダイビングヘッド。終わってみれば1-3というスコアで、東京が準決勝へ駒を進めました。色々事情はあるんでしょうけど、やはり東京はこの中からトップに誰も上がらないのは惜しい気がします。ただ、一緒に観戦していた原さんも話していましたが、大学で実戦経験を積む方が昇格して試合に出られないよりもいいケースがあるのは確か。このチームの選手たちの新たな選択にも注目していきたいと思います。なお、第2試合はG大阪ユースが、ブルーノ・カスタニェイラ(3年・土山中)のハットトリック、宇佐美貴史(1年・G大阪JY)の2ゴールなどで鹿島ユースを6-1で破って、準決勝に進んでいます。　　AD土屋