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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2008年12月13日

J1・J2入れ替え戦第2戦 磐田×仙台@ヤマハ

foot!
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共に1点ずつを奪い合って終えた第1戦。最初の90分間で貴重なアウェイゴールを奪った磐田に対して、仙台にとっては実際にJ1のチームと対峙し、互角に戦えたことは、奪われたゴールに匹敵するくらいの勇気をもたらしたように私には見えました。入れ替え戦史上10試合目にして最後の試合であり、2008年のJリーグ623試合目にして最後の90分間は16時4分、仙台のキックオフでその幕を開けました。まずはゴールを奪うことが勝利への最低条件となるアウェイチームが、開始から前へ。4分には関口のクロスにナジソンが合わせて最初のチャンスを掴むなど「序盤ボールを動かせた。ゴール前にボールを送ることができていた」と手倉森誠監督も評価したように相手を押し込みます。一方のホームチームは、ゴールを奪われなければ負けはないという条件下で、予想通りほとんど5バック気味に自陣のスペースを埋める形。ただ、「最初の20分はリアクションのみでまったくプレーできなかった」(磐田・ハンス・オフト監督)「もっと僕らが圧倒できるかと思ったが受け身になった」(磐田・川口能活)と、予想以上に劣勢だと感じていた様子。すると24分には左サイドからリャンがクロスを上げると、なんと中央では3人がフリーに。しかしナジソンのシュートは枠にすら飛ばず。1点がどうしても欲しい仙台の逸機。これが1つの潮目になりました。この辺りから磐田の両サイドがそれまでより高い位置を取り始めます。駒野は再三右サイドからクロスを送り込み、さらに逆でも村井に加えて、ジウシーニョが流れることで仙台の右SB菅井の上がりを抑制。少しずつペースを握ると、第1戦でも活躍した松浦が大仕事。41分、自ら中央をドリブルですり抜け、左の前田にはたいてリターンを受けると、体を捻りながら胸でコントロールしたシュートは本人が「あそこまでいいコースに行くと思わなかった」と語る軌道を描いて、緩やかに仙台ゴールへ。弱冠19歳の2戦連発となる貴重な一撃で先手は磐田が取りました。さて、「色々なアクシデントを想定して失点はあるだろう」と考えていた手倉森監督は、後半開始からナジソンを下げて平瀬を投入。攻撃陣のてこ入れを図ります。チャンスは交互に創り合っていましたが、「前でなかなか収まり所がなかった」(仙台・中原貴之)仙台はなかなかサイドが使えず、攻撃も単発。序盤は勝っていたキープ率も互角かやや劣勢を強いられ、後半は頭から磐田が落ち着いて試合をコントロールしていました。それでも69分、リャンのFKから平瀬のヘディングは川口がファインセーブ。続くCKにゴール裏の黄色いサポーターも沸き立ちますが、直後に沈黙の時が。CKはそのまま磐田のカウンターに。抜け出した松浦はDFを軽やかなステップで振り切ると、冷静なフィニッシュ。「ジュビロにとっていい仕事をしてくれた」とオフト監督も絶賛した若武者の2発目で、いよいよ仙台は追い込まれました。78分には3枚目のカードとなる長身の中原を切りながら、焦りから「放り込むのかサイドから繋ぐのかがハッキリしなかった」(仙台・斉藤大介)ままに進む時計。ゴールに迫れず、所定の時間に追加されたのは4分。しかしこの4分にはまだドラマが残されていました。90分を2分回った時点で与えられた仙台のFK。「1点返せばわからない」と倒されたリャンが自ら蹴ったボールは、川口一歩も動けず左スミへ。1点差。スタジアムは異様なムードに。さらに諦めない仙台。懸命に折り返した関口のクロス、リャンのシュートはDFがブロック、再びリャンのシュートは川口が頭で防いでCKへ。天国と地獄を隔てるラストプレー。リャンのCKを磐田のDFがクリアした所で、岡田正義主審の長いホイッスル。2試合合計3-2。180分間の激闘は磐田に凱歌が上がりました。やはり両者に実力の差はあったと思います。さらにオフト監督が就任してからレギュラーに抜擢された松浦が2試合で3点を挙げるなど、短期決戦に必要なラッキーボーイも磐田サイドに生まれました。「3ヵ月前の目標を考えると非常に嬉しいし満足している」と笑顔を浮かべて語ったのはオフト監督。年間優勝3回、Jリーグ屈指の名門クラブが打ち砕かれかけた伝統は、最後の最後で繋ぎ止められました。敗れた仙台も力は出し切ったのではないでしょうか。確かにJ2でのシーズンに比べれば、サイドからの崩しを抑えられたし、中盤より後ろでの繋ぎに不安定さが目立ちました。それでも決して引くことなく、果敢にアタックし続ける姿勢は見せてくれたと思います。そしてアウェイでもサポーターとの“共闘”をしっかりと見せてくれました。「こういう結果になったのは残念だけど、目一杯やったので悔いはない」とキャプテンのリャン。「最後まで諦めないチームだったことを誇りに思う」とは手倉森監督。最後の1秒まで全身全霊で戦い抜いた両チームに心から感謝したいと思います。    AD土屋




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