第2試合は共に今年初の全国舞台となる高校同士の対戦。武蔵工大二は4-2-3-1、高知は4-4-2と異なる布陣でスタートしたゲームは、双方なかなか攻撃のポイントが作れないままに推移していきます。そんな中、まず決定機を掴んだのは武蔵工大二。22分、滝沢傑(3年)の縦パスを受けてGKと1対1になった萩原翔(3年)が、正面から間合いをずらした巧みなシュート。最初のチャンスで先制ゴールが生まれました。対する高知も前半たった1回の決定機で同点に。34分、野村浩平(3年)のFK、相手GKのパンチングが小さくなった所にキャプテンの長山剛之(3年)。頭でポンと流し込み、試合は振り出しに戻って40分を折り返しました。後半は完全に流れを掴む時間帯が二分される展開。まず、最初の20分は高知が右サイドの山本佳(3年)をキーに仕掛けていきます。43分には巧みなステップから雨森貴彦(3年)がシュート。しかしボールはサイドネットへ。勝ち越し点は奪えません。すると63分、「サイドに持っていくのに時間がかかってシュートまで行けなかった」(武蔵工大二・高橋裕之監督)武蔵工大二にようやく久々のチャンス。ヒールパスをフリーで受けた飯島秀教(3年)がフィニッシュ。わずかに枠を逸れますが、ここから攻守の主導権がガラッと入れ替わります。とは言え、全員のハードワークが持ち味のように見えた両チーム共に終盤は疲労の色が隠せず、細かいミスを連発。これ以上スコアが上積みされることはなく、2回戦進出への権利はPK戦で争われることとなりました。4人目まではお互いに沈め合い、迎えた5人目。先攻の高知、長山のキックは無常にもポストを叩きます。決めれば勝ち抜けが決まる後攻の武蔵工大二もキャプテン本間優之(3年)が登場。すると本間のキックは左ポストのわずか外側へ。まさかの両キャプテン失敗で、サドンデスへともつれ込みました。その後はキッカーが次々と強靱な精神力を発揮し、6人目から9人目まで全員がゴール。緊張感は増幅するばかり。迎えた10人目、先攻のキックを武蔵工大二のGK城立凌(3年)がストップ。すると「この流れで行けばいけるなと」(高橋裕之監督)、急遽直後のキッカーを城立に変更します。プレッシャーの中で蹴られたキックは見事にネットへ。ベンチに入れなかった3年生全員のメッセージが書かれているキャプテンマークを、キッカー1人1人が引き継いで蹴ったPK戦を制し、武蔵工大二が前橋育英への挑戦権を獲得しました。高橋裕之監督は「長野県のためにも全国で1勝したかった。県勢にとっても自信になる」と長野県代表として6年ぶりとなる初戦突破に安堵しながらも、「次は9割押されても1割は自ら行きたい」と強豪相手の2回戦へ豊富を語ってくれました。さて今年の記事はこれでラストです。2008年も本当にありがとうございました。明日から始まる2009年もどうぞ宜しくお願い致します。　 AD土屋