Foot！年末年始オフシーズン恒例の高校選手権レポート。市原臨海での第1試合は、1回戦屈指の好カード。12年連続の出場で青森大会決勝を13‐3と激勝してきた青森山田と総体、高円宮杯と共にベスト8で今大会注目度No.1ストライカー大迫勇也（J1鹿島内定）擁する鹿児島城西の対戦。鹿児島城西にはMF大迫希（J2熊本内定）もいるので僕もとりあえず『ふたりの大迫』に注目。その鹿児島城西は、試合序盤からボールを奪ったらすぐに2トップの大迫勇也と野村に預けるという意図がはっきりと見えました。しかもこの2トップがかなりしっかりボールを収め捌きます。FW大迫勇也の存在感もありやや鹿児島城西ペースで迎えた前半17分、青森山田は何度かいい形を見せていた左サイドの攻撃から最後は9番FW見宝が決め先制。さらに24分には14番MF北嶋の素晴らしいミドルが決まり2‐0と一方的な展開になりかけますが、鹿児島城西は2失点にもあまり動じずに自分達のスタイルを崩すことなく、3分後に7番MF大迫希が裏へ抜け出し落ち着いてGKをかわし1点差に。そして前半終了間際には期待通りに大迫勇也も決め、なんと前半のうちに追いついてしまいました。後半も鹿児島城西は2トップにボールを集めてそこを起点に縦に早い攻撃を仕掛け、53分に大迫勇也の2点目で逆転すると、64分には11番FW野村のゴールであっという間に4‐2の2点差に。青森山田はロスタイムに意地のゴールを奪うも4‐3で試合終了。前後半の40分がとても短く感じた拮抗した見応えのある試合でした。この試合2ゴール1アシストと大物の片鱗を見せた鹿児島城西9番大迫勇也。体も張れるし足元もうまいなど彼の能力の高さについては散々語り尽くされているでしょうが、僕が実際に見て感じたのはシンプルなポストプレーのうまさと視野の広さでしょうか。今大会での活躍が楽しみです。今日それぞれ得点を挙げた大迫勇也、2トップを組む野村、右MFの大迫希を中心とした鹿児島城西の攻撃力はかなりのもの。敗れてしまった青森山田ですが、今日のスタメンで3年生は5人。中でもゲームメーカーの10番MF柴崎はまだ1年生。今後に期待できるチームですね。　　　石神