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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2008年11月08日

J1第31節 大宮×川崎@NACK5

foot!
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少し忘れられつつあるかもしれませんが、この2チームの共通項は2005年の昇格組だという事。共に昇格の瞬間をピッチレベルで取材していた私にとっても、思い入れのある両チームの対戦です。置かれた状況は異なれども、それぞれの目標に向けても勝ち点3のみが求められるゲームは、まず「受けに回るとやられる。逆に僕らから仕掛けて行こう」(大宮・樋口靖洋監督)というホームチームの勢いが上回ります。特にキーになったのはサイド。基本はラフリッチへのフィードを狙いながら、「ボールを奪った時にはサイドを突くことを徹底する」(樋口監督)策が奏功。特に川崎の左サイドにできた広大なスペースへ、右SBの塚本が果敢にチャレンジ。相手を着実に押し込みます。7分には藤本がドリブルから2人をかわしてシュート。14分、内田のFKは富田が完璧に折り返すもフリーのラフリッチは空振り。ゴールの香りが漂ってくる中、やはり先手を取ったのは大宮。26分、中盤でヴィトール・ジュニオールの横パスをカットした内田がドリブル、落としたボールをラフリッチがシュート、これが左ポストに跳ね返り、こぼれ球を藤本。J通算300試合出場を自ら祝う「みんなの気持ちのこもった」(藤本)一発でリードを奪いました。一方の川崎は、やはり攻撃にかかった時の迫力はあるものの、「6人と4人で分かれるような」(藤本)時間も長く、守備バランスの欠如は一目瞭然。特に前述したSBの前方に生まれるスペースはボランチの1枚がスライドしてくるのにも限界はあり、最大の守備は攻め切ることといったイメージです。35分にはCKのこぼれ球に反応した森が、信じ難い程に美しいダイレクトボレーをネットへ突き刺し、スコアこそ同点に追い付きましたが、「なかなかペースが握れない」(川崎・高畠勉監督)川崎、「すごく内容がよかった」(大宮・小林慶)大宮という構図で前半は経過しました。後半に入るとボールキープでは圧倒しながら、流れの中から個の力で押し込み切れない川崎も、高さを生かしたセットプレーはやはり脅威。岡田正義主審がファウルに厳しく笛を吹いたこともあり、FKも数多く獲得しますが、今日はキッカーと合わせる側も呼吸が乱れるシーンが散見。大宮ゴールを脅かすまでには至りません。むしろ決定的なチャンスは大宮に。53分にはCKのこぼれに藤本、66分には片岡の無回転ミドル、共に川島のファインセーブに阻まれましたが、スタジアムは沸き立ちます。ようやく川崎が72分に迎えた決定機もエース・ジュニーニョがまさかの空振り。最大の見せ場を失うと、やはり今日のゲームの流れは大宮を支持していました。77分、「積極性を意識して」再三オーバーラップを見せていた塚本が右からクロス。ボールは中で構えるラフリッチのやや後方へ流れますが、トラップで浮かせると「いい状況でボールを捉えられた」というボレーは、右スミへ一直線。6試合ぶりとなるラフリッチの一撃で、再び大宮にアドバンテージがもたらされました。残り試合、勝ち点を考えても負けは終戦に等しい川崎も、寺田を最前線へ送り込み果敢に攻め立て、決死の抵抗を試みましたが、最後まで相手の守備ブロックを攻略できず。15位の大宮が3位の川崎を内容でも凌駕して、J1残留へ貴重な勝ち点3を堂々奪取しました。大宮勝利最大の立役者はラフリッチでしょう。決勝弾もさることながら、自身目がけて蹴られるフィードに全身を使って食らい付く気合いのプレー。必死にボールを収め、FKを奪取、「全員がいい仕事をできた」と語った彼からは、競り負ける度に苛立ちを露にしていた数試合前の姿は完全に消え去っていました。「トーナメントの1回戦は勝った。でもまだ3つ残っている」(樋口監督)「やっぱり結果が大事。だからこそ次」(小林慶)「これを続けないと意味がない」(ラフリッチ)「まだ何も得ていない」(藤本)。既に先を見据えている大宮の選手たち。残されたゲーム数は3つです。大宮駅前のリスも心なしか嬉しそうでした。   AD土屋




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