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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
65ポイントの2位山形。59ポイントの4位湘南。6ポイント差で迎えた今日の一戦は、残り5試合という状況を考えても間違いなく今シーズンのJ2で最も重要なゲーム。私が利用したキックオフ2時間半前に山形駅を発車するシャトルバスも満席。湘南からもかなりの数のサポーターが詰め掛ける中、メインスタンドでもバックスタンドでも物凄い数の青白の旗が振られる幻想的な雰囲気でキックオフを迎えました。ゲームの重要性を意識してか、共にシンプルな長いボールを送る立ち上がりを経て、まずリズムを掴み始めたのは湘南。中盤の加藤と菊池は仕掛ける意識が強く、それに呼応する形で右SBの臼井もオーバーラップを繰り返し、サイドからチャンスを窺います。山形は「シンプルにコンディションのいい2人を選んだ」(山形・小林伸二監督)豊田、長谷川の2トップにボールが収まらず、押し込まれる展開に。しかし、あるアクシデントが傾きかけていたパワーバランスを、再び均衡へと引き戻しました。23分、右サイドで存在感を示していた臼井が負傷し、そのまま山口と交替。「彼のサイドアタック、クロスは我々の大事な攻撃の要素」(湘南・菅野将晃監督)という臼井を欠くと、山形から見た左サイドで蓋をされていた石川と宮沢が前へと出ていく機会が増え、少しずつ攻撃の手数を出せるようになっていきます。32分には長谷川が左サイドを突破して中へ。豊田は素晴らしいターンでDFを外して右足を強振しましたが、クロスバーに弾かれる不運。対する湘南も39分、鈴木伸貴のパスから原がフリーで抜け出し、左足で狙うもGK正面。お互い少ないとはいえ決定機も創り出し、ほとんど互角と言っていい内容で45分間は推移しました。後半は序盤から決して弱くない風を風下で受ける形の山形が攻勢。やはり左サイドに基点ができることで、じっくりとボールを回すことが可能になり、ジワジワと湘南を攻め立てます。そんな中で65分には湘南にこの試合最大のチャンスが。坂本が右へ展開して、山口がクロス。菊池は頭で巧みに合わせます。が、こちらも邪魔をしたのはクロスバー。スコアボードは動きません。70分を過ぎるとさすがに疲労は色濃く、どちらにもミスが散見。73分には石原がレオナルドからボールを奪い、フリーの菊池へ。しかしシュートは枠外。さらに湘南がトウットを、山形が小原と宮崎を投入して迎えた83分には、田村が中盤で馬場のコントロールミスを引っ掛け、スルーパスを送ると受けた坂本のシュートもゴール右へ。失点こそ免れながら、危険なミスを目の当たりにした小林監督は84分、最後となる3枚目のカードを「リチェーリ投入も考えたが、馬場があそこで目一杯」と判断して渡辺を選択。この決断が劇的なドラマの呼び水になりました。所定の90分は経過、もはや勝ち点1ずつを分け合う結果をスタジアム中が覚悟し始めたその時、石川からボールを受けた渡辺が左サイドから急激にカットイン。虚を突かれた格好の湘南DFは対応しきれず、そのまま渡辺は思い切りよくシュート。一度はクロスバーを叩いたボールも、飛び付いたGKに当たってゴールに吸い込まれます。「今季はチームにまったく貢献できてない。1つやっと仕事ができたかな」と殊勝に語った男の決勝弾で、山形が3位以内をほぼ決定づける勝利を挙げました。試合後に判明したことですが、小林監督は「湘南はサイドを破るとCBが出てこないんで、カットインしてシュートが狙えると言った」と。そしてそのパターン練習も重ねていたそうです。渡辺も「得点の形は伸二さんに言われた通りのプレーをしただけ。シュートだけが予定外」と笑顔。一見突発的に見えたプレーも、綿密なスカウティング、アイデアの落とし込み、反復練習にしっかり裏打ちされたものだったようです。確かに「1点失うのはサッカーの世界でよくあること」(菅野監督)ですが、今日の1点には山形というチームの強さが凝縮されていたことを、私は改めて実感しました。「ハーフタイムに仙台が負けていると聞いていたのに終わったら勝ってた。まだまだ続くなあと思った」(小林監督)「自分たちが全勝すれば決まる。限られた者しかできない経験を楽しむ」(渡辺)。この大詰めに来てもプレッシャーとは無縁のように見えた山形。いよいよ残されたのはあと4試合です。 AD土屋
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