日本にもダービーは数あれど、同じクラブの下部組織同士っていうのはなかなかないでしょう。しかも全国大会出場を懸けた大一番で激突するなんて。今日は日本クラブユースの関東第9代表決定戦を見に来ました。組み合わせの妙で、なんと対戦カードはFC東京U-15深川とFC東京U-15むさしの対決。しかもレギュレーション上、東京の2チームがわざわざ群馬で雌雄を決するという、まさに天皇杯的なゲームが行われたんです。ちなみに第9代表というのは、ベスト16で負けた8チームが裏ベスト8として再びトーナメントを行って、勝ち抜いた1チームのみが全国切符を手にするというもの。結構過酷です。深川が青赤、むさしが白、ベンチのスタッフは双方まったく同じ紺のウェアを着用して始まったゲームは、技術の高い深川が序盤からポゼッションして様子を窺えば、むさしも出足の鋭いインターセプトでカウンターからチャンスを窺う、非常に緊張感のある展開に。ベンチも微妙なスローインの判定に全員が立ち上がって抗議するなど、力が入ります。また、今日の群馬は間違いなく30度を超える猛暑。給水タイムが設けられるなど、11時キックオフではコンディションも厳しいところ。すると徐々に深川の足が止まり、むさしがセカンドボールも拾い出す中で、DFラインの裏やサイドをうまく使って攻勢に。決定機やオフサイドながらいい形からゴールも奪うなど、ペースを握って前半を終えました。勢いそのままに後半もその流れが続くと、先制ゴールはやはり“白い”FC東京。53分、ゴール前中央25m弱の距離から白崎凌兵君の素晴らしい直接FKが決まり、1点をリードしました。意地を見せたい深川も懸命に戦いますが、この日目立ったのはむさしの各選手の走り切る意志の強さ。2人の選手交替は共に足がつるまで戦った選手を替えたもの。ラスト3分では同時に3人の選手がやはり足をつっているのを懸命に伸ばしてプレーに戻っています。勿論深川の選手も十分ファイトしていましたが、そこの部分でわずかに勝ったむさしがそのまま1点を守り切り、関東最後の代表権を勝ち取りました。まあそれは熱い試合でしたよ。当然ライバル心も強い2チームのガチバトル。負けた深川には泣いている選手もいました。全国大会は来月。むさしは私なんかが言うまでもなく、深川の思いも背負って戦ってくれることでしょう。あと気付いたのは、やっぱりどちらのベンチメンバー外選手が繰り広げる応援もJリーグの下部組織だけあってトップのサポーターと一緒なんですけど、むさしの方は時折「ここ集中！ここ集中！」とか「プレッシャー！プレッシャ！プレッシャー！」とか、ちょっと部活的なんですね。ピョンピョン飛び跳ねてる子とかいるし。その辺に凄く好感持てました。　　AD土屋