怒濤の4連勝で7位へ。一躍、注目を集めることとなった草津。クラブ初となる5連勝を懸けて戦うのは、「どうしても勝ち点3が欲しい対戦相手」と植木繁晴監督も捉えていた9位の岐阜。ただ、実は岐阜も4戦負けなしで3戦連続完封中と、好調同士の一戦だったんですね。さてキッチリと繋ぐ高いポゼッションで、サクッと主導権を手中にした草津。開始早々には高田、8分には島田のFKが相手ゴールを脅かします。しかし唐突な先制ゴールは17分に。DFのクリアを片桐がダイレクトボレー。これがよけた片山に当たって、ゴールの中へ。「交通事故みたいな失点」(植木監督)で、草津はリードを許しました。ボールを支配しながら、なかなかチャンスができなかった要因の一つに島田がかなりタイトに付かれていたことがあります。キーマンが徹底して警戒される中で、積極的にボールを散らし呼び込み、気を吐いたのは熊林。23分には絶妙のスルーパスから決定機を創出します。しかしこのGKとの1対1を高田が決めきれなかった辺りから草津に単純なミスが増え始め、セットプレーからピンチを招くなど嫌な流れに。岐阜のリードでハーフタイムを迎えることになりました。後半に向けて、植木監督が修正を施したのは「中盤をダイヤモンド気味にして活性化をはかる」という部分。するとツートップ下に入った島田をボールが経由し始め、再び草津が息を吹き返します。それでも今日は遠いゴール。53分、64分と共に島田のCKを、前者はペ・スンジンが、後者は高田が決め切れません。対する岐阜は集中力も持続し、「1点取ったことで相手が出てきてしまったのは予想外」(岐阜・松永英機監督)の展開の中で要所はよく抑えていましたが、とうとう決壊したのは70分。熊林が素晴らしいサイドチェンジ、受けた寺田が仕掛けてDFをかわし、中へ折り返すと高田がプッシュ。ゲームは振り出しに戻りました。この後は、崩す草津にカウンターの岐阜という構図で双方何度かチャンスを掴みましたが、「あれだけチャンスがあって決められないと厳しい」(植木監督)「フィニッシュが雑だった」(松永英樹監督)と、両監督が似たようなニュアンスの表現を使った通り、決め手に欠けたまま、両チームとも無敗記録を5に伸ばしてゲームは終了しました。連勝がとうとう4で止まった草津。植木監督は「連勝していると勝たなきゃという気持ちが出てくるので、選手にプレッシャーはあったと思う。次に向かう最低限のことはできた」と語りつつ、「勝てた試合だったなあ」と悔しい本音も明かしてくれました。大事なのは次のゲームですね。次節の相手は…C大阪！これは難敵。面白い試合になりそうです。　　AD土屋