ここまで4勝1分け5敗と負けが1つ先行している柏レイソル。前節千葉ダービーを制した勢いそのままに、五分の星へと戻しておきたい今日の相手は、G大阪、鹿島、浦和と続いた強豪3連戦を1勝2分けで乗り切った難敵・神戸です。GW最終戦ということもあってか、ゴール裏のみならずメインもバックも黄色に染まったスタンド。これに後押しされた柏は序盤からアグレッシブに前へと出ていきます。すると11分にはポポのFKがワンバウンドした所を「来るかなあと思った」菅沼がバックヘッドでGKの頭上を破り、早くも先制。さらに16分にもポポのFKに古賀が飛び込み、最後は石川のダイビングヘッドで2点目。そして19分には大谷の正確なフィードへ斜めにうまくDFラインの裏へと入り込んだ太田のヘッドで3点目。意外や意外、あっと言う間に柏が3点のリードを奪っちゃいました。まさかの大量失点を浴びた神戸は、「失点したことでボッティが前に行きたがってバランスが崩れた」(神戸・松田浩監督)ことから、25分で栗原を下げて松岡をボランチに投入。ボッティをFWへとシフトします。しかしこれで前に収まり所ができたことが奏功し、流れは一気に神戸の元へ。左右に揺さぶりをかけながらゴールへと詰め寄ります。ここで効いていたのは、前節から起用されているGK菅野。42分には大久保の決定機にファインセーブ。石崎信弘監督も「危ないシュートを確実に抑えてくれるし、悪い時間帯にチームを落ち着かせてくれる」と絶賛する新守護神の活躍で、最後はかなり押し込まれながらも柏が3点リードを守ったまま前半が終了しました。展開としては、リードこそあるものの嫌な展開。「千葉戦でも後半かなり押し込まれたので、そこを課題にして臨んだ」(石崎監督)一戦だけに、残り45分間の戦い方が問われる中で、結果から言ってしまうと「随分落ち着いてプレーできたのではないか」と指揮官も評価する内容で、1つの失点も許すことなく柏は完封勝利を収めることになりました。攻め急いでカウンターを食らうような場面は皆無。逆にキープ力の高いアレックスとポポから神戸ゴールを脅かす場面も。前半の終盤を除けば、しっかりゲームをコントロールして、勝ち点3を獲得しました。後半のキーマンはダブルボランチの大谷と鎌田。キャプテン大谷の安定感は貫禄ですが、この日の鎌田は出色のパフォーマンス。バランスを取りながらバイタルでアプローチする場面では激しいチェック。さらに繋ぎにも余裕が生まれ始めています。元々は山根の負傷から始まった鎌田のボランチ起用でしたが、今や不動のレギュラー。先制ゴールを挙げた菅沼も、前節8試合ぶりにスタメンのチャンスを掴み、今日の活躍。その菅沼が「試合に出た選手はチャンスだと思っている」と語ったように、ケガやその他の理由でなかなかメンバーが固定できず苦しい戦いが続いた柏でしたが、それをチャンスとしてプラスに捉え始めた選手たちの活躍で、ようやく昨年のようなスタイルが戻ってきたような気がします。　　AD土屋