ユースレベルでは共に日本屈指の強豪として知られる2チーム。また倉又寿雄・FC東京監督と柴田峡・東京V監督は、私と甲斐チーフにとってFC東京のラ・コルーニャ遠征以来仲良くしてもらっている2人。そんな注目の“ユース版東京ダービー”を深川へ見に行ってきました。試合が始まるとまず目に付いたのは東京Vのボランチに入った33番。昨年から既にユースへ合流していた高木豊氏の次男・高木善朗(1年・U-15代表)です。15歳にしてまったく当たり負けしない体格でセカンドボールへの反応も良く、早くもチームの軸として中盤を支配。任されているプレースキックも正確で、この先もかなり期待できる逸材ですね。そして長男の高木俊幸(2年・U-17代表)も右サイドを爆走。23分には右足で、32分には左足でそれぞれクロスバー直撃のシュートを放つなど、チャンスに絡みます。前半は徐々に攻守の切り替えの早い東京Vが押し込む形が多い展開に。それでもFC東京はCBの藤原広太朗(3年)と畑尾大翔(3年・U-17代表)を中心に相手の攻撃を凌いで、前半が終わりました。ゴールが生まれたのは56分。シュートのこぼれ球に、それまでも献身的な上下動で見せていたFC東京の山浦公裕(3年・U-17代表)が詰めて先制。さらに65分には主審がエリア内で起きた何でもない接触にPKの判定。山村佑樹(3年)が確実に決めて2-0となりました。リードもあってか後半のFC東京は出足もよく、球際での気迫にも勝り、ペースを引き寄せます。対する東京Vは個々の技術では上回るものの、それが逆に持ち過ぎへ繋がり、迎えるチャンスもFC東京GK井上亮太(3年)にことごとく防がれ苦しい流れに。ようやく85分に高木善のCKをキローラン木鈴(1年)が高い打点のヘディングでゴールへ突き刺しますが、そこで打ち止め。FC東京が2-1でダービーを制しました。残念だったのは主審の判定。特にPKに関しては、試合後両監督とも「あれはないよねえ」と苦笑。イエローカードも7枚出ましたが、それでカード出ちゃうの？というようなジャッジも多く、ハッキリ言って選手たちがかわいそうでしたね。会場は白熱してましたよ。保護者やサポーター合わせて数百人が、トップチームと変わらぬチャントで試合を盛り上げてくれました。試合前には“ユルネバ”まで歌われてましたから。メンバーのニックネーム入りお手製メンバー表も配布されるなど、細かい配慮も好印象。試合内容、試合環境含め早起きして出掛けた甲斐がありました。　　AD土屋