高崎線ダービーとも言うべき大宮と草津のトレーニングマッチを、大宮の練習場がある秋葉の森へ見にきました。春を思わせるようなうららかな気候もあってか、サポーターの方々も多数来森。大宮サポは勿論のこと、草津サポもかなりの数で押し寄せてピッチへと熱い視線を送ります。開幕を2週間後に控えた大事な実戦は共に4ー4ー2の布陣。大宮はGK江角、DFは右から田中、レアンドロ、冨田、波戸、中盤はフラット気味のボックスで中央が小林大悟と片岡、右がルーキー土岐田で左が藤本、2トップがペドロ・ジュニオールに吉原。小林慶、斉藤、佐伯は別メニュー調整でした。一方の草津はGK北、DFが右からチェ・ソンヨン、藤井、喜多、寺田、中盤ボックスの底に松下と櫻田、右が熊林で左が島田、2トップが高田と氏原。こちらはGK本田が負傷で開幕戦は欠場濃厚です。さてゲームは開始直後から中盤4枚がやや流動的に動く大宮がトップへのくさびを基点に、相手のCBとボランチの間のスペースを好き放題使って圧倒的攻勢。10分にはDFのクリアが自陣ゴールのクロスバーを直撃するなど草津は軽いパニック状態に。たまらず植木監督は中盤を松下ワンボランチのダイヤモンド形に修正し、スペースを埋めるよう指示しますが、状況は好転せず劣勢が続きます。それを尻目に大宮はSBも効果的に絡む形などからチャンスを創出。そして2度決定機を逃した後の27分、藤本の巧みなスルーパスに抜け出した吉原がGKとの1対1を難なく流し込み、先制点を挙げました。終始攻勢の大宮にあって、この日積極性が目に付いたのは右SBの田中輝和。昨シーズン4年目にしてJデビューを果たした俊英にとって、五輪代表も視野に入れる今年は勝負の年。期待できそうですよ。後半頭から5人を入れ替えた草津は49分、島田の出したボールに食らい付いた高田がGKに倒されPK獲得。しかし島田のキックは江角に弾き出され、同点とはいきません。58分には右SBに入った田中が鳥居塚とのワンツーから抜け出してクロスを上げるなど徐々に形を創り出しますが、終盤2度迎えた後藤の抜け出しはそれぞれレアンドロ、富田に潰されシュートまで至らず。やはりレギュラークラスを揃えた大宮DF陣はJでも有数の強固さですね。試合は3本目に大宮の桜井がこぼれ球を押し込み、結局2ー0でホームチームが力の差を見せ付ける格好でタイムアップ。ただアウェイチームにとっても課題がハッキリしたという意味では有意義な135分だったようです。なお、試合が終わった頃からやや雲行きが怪しくなり始めた秋葉の森地方。さらにしばらく経つと、あんなに暖かかった森はまるで神の怒りを買ってしまったかのような強風に見舞われます。その壮絶さたるや、ちょっとあの場にいないとわからないレヴェル。どうやら春一番の一環だったようなんですけど、そんな生易しいモンではありませんよ。さしずめブリザードといった趣。あの冷気と妖気を共有した皆さん、お疲れさまでした。 AD土屋