夏のインターハイ2回戦でも対戦しているこの両校。その時は、1-0で流経大柏が勝っていますが、その試合でPKを外してしまった東福岡の井上。大会前からリベンジを口にしていましたがこの試合は無念の出場停止。「高円宮杯からあまり準備期間がなかった。」と言っていた流経大柏ですが、ここにきてたいぶ調子も上がってきた印象があります。この試合の勝者が決勝まで勝ち上がる予感。流経大柏は、負傷している上條がこの試合も間に合わず欠場でしたが、出場停止だったキャプテン名雪が復帰。フォーメーションも過去2戦とは違い、本来MFの2年生田口を1トップ気味に配置し、下がり目の右に24番久場、左に10番エース大前、トップ下に8番村瀬という布陣。対する東福岡は、基本布陣は変わらず出場停止の井上のポジションに8番山田を起用。試合は、両DF陣が安定していて落ち着いた立ち上がりを見せます。しかし、徐々に流経大柏がリズムよくボールを回しポゼッションで上回ると、東福岡は、流経大柏の中盤のプレスが厳しかったのと、前に7番深町というスピードのある選手がいるためか、単純にボールを前に蹴ることが多くなりました。さらに、東福岡は井上の欠場でボールの収まり所がなくいつもの迫力あるサイド攻撃もできず。流経大柏もパスはよく回るもののなかなか東福岡ゴールに近づけず、前半はこれと言った決定機もなく両チーム共にミドルシュートが数本あったくらいでした。0-0で折り返した後半。前半の終盤からパスが繋がるようになり攻撃のリズムが出始めてきた東福岡でしたが、サイドまでボールを運ぶものの、そこから効果的なクロスがなかなか入りません。押し気味に試合を進める流経大柏も、何度か24番久場が前線へ抜け出しましたが周りのフォローが少なく決定機には至らず、試合は1点勝負の様相に。その後、両チーム共に何人かの選手交代をしますが期待していた程の効果も無く、スコアレスのまま試合は非情なPK戦に。そのPK戦では東福岡GK上田が1本止めるも、流経大柏GK須藤は、それを上回る2本を止める活躍を見せ流経大柏がギリギリのところで初の国立とベスト4進出を決めました。PK戦にこそもつれ込んでしまいましたが、後半シュートさえも打てなかった東福岡を思うと、試合内容的には順当な結果だったと思います。東福岡は、もちろん井上の出場停止が最大の痛手でしたが、体格で優っていただけに8本あったCKとセットプレーを活かせなかったのが残念でした。勝った流経大柏は、これでいよいよ高円宮杯との二冠が現実味を帯びてきました。準決勝の相手は伏兵、津工業です。　　石神